はじめに

 4月24日、非常に待ち望まれたオーストラリアの「国防戦略見直し(Defence Strategic Review: DSR)」が公表された。公表に伴い、その内容、質と影響を巡って、オーストラリアでは、国内メディアや戦略評論家たちの間で侃々諤々の議論が繰り広げられた。この議論が一段落した今、DSRがオーストラリアの今後の国防政策をいかに形成するかについて検討する価値がある。本稿は、DSRの内容について簡潔に評価するとともに、日本の国家戦略としてのインド太平洋へのアプローチとの比較を含め、いくつかの主要な側面に関連した批評を行う。

 2022年8月、アンソニー・アルバニージー首相率いる労働党政権は、スティーブン・スミス元国防大臣とアンガス・ヒューストン元国防軍司令官が率いる5人からなるチームに対し、オーストラリアの戦略環境と国防戦力態勢の全面的な見直しと、それに伴う政策提言を検討するよう依頼した。リチャード・マールズ現副首相兼国防大臣によると、見直しの目的は「われわれが現在直面する戦略環境において、自国とその国益を最善の方法で守るために必要な国防力、態勢と準備をオーストラリアが備えているか否かを評価すること」であった[1] 。スコット・モリソン首相が率いた前連立政権下で公表された「2020国防戦略アップデート(DSU)」に続き、政府はDSRについて「第二次世界大戦以降最も野心的な国防態勢・構成の見直し」であると喧伝した[2]。

 DSRは、マールズ国防大臣による「国防声明」に始まり、全110ページからなる。内容の焦点は14の章にわたって説明されている。本稿ではこれら14の章について順番にその全てを解説することはせず、DSRの本質的な内容について概説し、その中でもより議論を呼んだ側面について幾つか解説する。

課題

 戦略評価実践の例に漏れず、DSRはまずオーストラリアが対応すべき戦略環境と地域の安全保障環境について概観している(第1章・第2章)。今では確立しているが、DSRは「インド太平洋」の概念を「地域」で見る戦略的枠組みとして採用している[3] 。DSRにおけるインド太平洋地域の安全保障環境の記述は、日本の2022年の「国家安全保障戦略(日NSS)」の記述と驚くほど類似しており、いずれの文書も安全保障環境は第二次世界大戦後、最も厳しいとしている[4]。また、米国の2022年の「国家安全保障戦略(米NSS)」が「戦略的競争」をインド太平洋(さらには世界)の政治を決定する要素として重視していることとも重なる。マールズ国防大臣は次のように述べている。「オーストラリアが面するインド太平洋は、経済・軍事・戦略・外交という複数のレベルで競争が激化しており、そのいずれのレベルも価値観とナラティブを巡る激しい争いが絡み合い、そうした争いにより形作られている」[5]。

 中国、インドなどの地域大国の台頭によりパワーバランスが変化し続ける中、オーストラリアと同盟国/パートナーは、長らく有してきた戦略的優位を失いつつある可能性がある。オーストラリアはもはや以前ほど自国の戦略的地理によって守られておらず、今やインド太平洋の大国間競争の操縦席に近づいている。さらに、軍事拡張主義、破壊的テクノロジー、威圧行為、核拡散、地域に数多く存在する「紛争の発火点」(例:南シナ海・東シナ海、台湾海峡、朝鮮半島)を巡る戦略的誤算が起こる危険性の高まりなどの一連の課題に伴い「戦略的リスク」が浮上している[6]。マールズ国防大臣の「国防声明」は、オーストラリア政府が中国政府との安定的な関係を望んでいることを表明したものであったが、中国の攻撃的で不安定化を招く行動は、米中戦略競争の文脈において国家的な関心事項として明示されている。

対応

総合的国防アプローチ

 残りの12の章(第3章~第14章)は、オーストラリアがこうした厳しい安全保障環境に対応する国防戦略を策定する方法と手段について順番に書き連ねている。まず特筆すべきは、戦略的競争がもたらすあらゆる課題に対して総合的アプローチを採用したことである。これは「国力の全要素」を活用した「政府全体」、「国家全体」の取り組みとして表現されている。ここでも、日本の国家安全保障戦略において「総合的な国力」を行使する決意が表明されていることと重なる[7]。確かに、DSRは国防戦略と国防/戦力態勢を主たる対象としているものの、より広範な「国家安全保障戦略」に向けた(歓迎すべき)多くの示唆が含まれている。例えば、「国策は、国家戦略の明確な意識により推進・指揮し、明確かつ総合的な国家戦略的アプローチを通じて政府全体で調整しなければならない」と明言されている[8]。 DSRの大部分は国家戦略政策の問題を取り上げているものの、付託事項を踏まえれば、これらの問題が十分には敷衍されているとはいえない[9]。重要な点は、(政府が受け入れた)最も重要な提言の一つが、米国や日本に倣って、隔年の「国防戦略」を将来的に公表することである(ただし「国家安全保障戦略」ではない)。

「拒否」の国防戦略

 むしろ、DSRの主たる方向性は、オーストラリアの国防態勢と戦力構成を見直すことにより、信頼できる新たな国防戦略を策定することにある。この点において、DSRは過去50年間にわたる「オーストラリアの防衛」概念からの転換を提唱している[10]。その代わりとなるのが「国家防衛」の概念であり、同盟国やパートナーと共に、地域のパワーバランスの維持を図るというより総合的なアプローチを特色としている[11]。このアプローチの中核にあるのは、オーストラリアの恵まれた「戦略的縦深性」を活用した非常に強靱な国家インフラに支えられた、(北部における)前方寄りの国防態勢の構築の組み合わせを通じて、潜在的な侵略者に対し、オーストラリアを「困難な標的」とするような「拒否的抑止」戦略である。

 これを実践するためには、オーストラリアは侵略者による北部への接近を妨げる接近阻止/領域拒否(A2/AD)能力の配置・運用を可能にすることにより、指定戦域と全ての戦闘領域(陸海空・宇宙・サイバー)において侵略側のアセットをリスクにさらす必要がある。敵国による攻撃や海外での強制の試みが発生した際に、オーストラリアは、強化・分散された施設、十分な燃料・弾薬の備蓄、適切な兵站を含む強靱な国防ネットワークを活用できる能力を備えるべきである。これを後押しするものとして、オーストラリアは政治的・経済的・環境的に安全でなければならない。その上で、オーストラリアも「統合抑止」(外交・技術・軍事のあらゆる側面が同盟国との相乗効果を得ながら機能することを表す米国の概念)の一翼として、より広範な同盟の抑止という側面に寄与することになる[12]。

 信頼できる「拒否的抑止」という目標の達成は、オーストラリア国防軍(ADF)の戦力態勢に重要かつ継続的な影響を及ぼす。DSRは、さまざまな有事に対応するためにあらゆる要素の組み合わせを基本的に維持する「均衡の取れた軍事力」から、「陸海空・宇宙・サイバーの全5領域における効果」を活用する、より焦点を絞った「統合軍事力」への移行を主張している[13] 。ここでも、「多次元統合防衛力」を構築するという日本の決意と強く重なる[14]。統合軍事力は、オーストラリア北部の基地の強化、オーストラリア海軍(RAN)の水中能力、情報収集・警戒監視・偵察(ISR)能力の向上、全領域における長距離打撃の強化、水陸両用作戦の重視、必要な指揮・統制・通信・コンピューター・情報(C4I)インフラを備えた戦域司令部の下での完全な「ネットワーク化」につながる。

戦力構成の再調整

 必要な統合軍事力を最終的に実現するためには、ADFの戦力態勢と能力について一定の重大な改革が見込まれる。最も物議を醸しているのは、死活的に重要な北部防衛地帯における沿岸作戦能力を最適化するための陸軍の再構成である。DSRでは、高機動ロケット砲システム(HIMARS)の取得を含む長距離打撃能力の大幅な向上を提言している。しかし、これらのミサイルは、範囲わずか300キロメートルの戦域作戦に限定されるため、オーストラリアの拒否能力の「射程」を残念ながら制約することになる。こうした新規取得を促進するため、新たな歩兵戦闘車(IFV)の調達を(450両から129両へと)大幅に削減し、2個目の砲兵連隊に自走榴弾砲を配備する計画を断念することをDSRは提言し、政府はそれを受け入れた。この提言は陸軍内や、情報発信の多い戦略アナリストの間で混乱を引き起こした。例えば、オーストラリア戦略政策研究所(Australian Strategic Policy Institute: ASPI)のピーター・ジェニングスは、「意味のある代替策がないまま陸軍の中核能力を廃止する決定は、ADFを決定的に弱体化させる」と主張している[15]。

 陸軍がDSRの「敗者」であったとすれば、海軍は獲得するリソースと役割の観点から明らかな「勝者」である。海軍は拒否戦略で重要な役割を担うことが見込まれており、AUKUS協定に基づき原子力潜水艦の艦隊を調達する予定である[16]。DSRにおいて驚くべき点の一つは、主要なアイテムである原子力潜水艦の配置先について提言されていないことである。この問題は、全ての候補地が基地の受け入れに難色を示したということもあり、国内での論争に発展することになる(現段階ではニューサウスウェールズ州のポート・ケンブラが望ましい候補となっている)。また、DSRは、海軍による水上艦艇部隊に関する要求を見直しの対象とするよう提言している[17][18]。

 オーストラリア空軍(RAAF)もまた、F/A-18戦闘機やF35戦闘機に長距離ミサイルを搭載し、米国と共同開発予定のMQ-28Aゴーストバット無人航空機(UAV)の取得を通じて、追加の打撃力を獲得することになる。ここでも、DSRがB-21レイダー長距離爆撃機の取得を明示的に否定したことが、戦略評論家の間で物議を醸した[19]。航続距離・航続時間が限られ、比較的短距離のミサイルを搭載する高速ジェット戦闘機をわずか100機程度保有するだけでは、敵がオーストラリア沿岸に(過度に)接近するまで抑止能力を発揮できない[20]。宇宙・サイバー領域について、DSRは、能力の全般的な向上を支持するにとどめている。専門の「宇宙軍」は除外され、REDSPICE攻撃的サイバーシステムの取得が支持された[21]。DSRにおいて、われわれは「ミサイル時代」に生きているということを踏まえると、重層的な統合防空ミサイル防衛(IAMD)の喫緊の整備を求める提言は重要である。拒否戦略を推進するため、「IAMDは、一連の適切な指揮統制システム、センサー、航空機発射型・地上発射型(陸上・海上)防空ミサイル防衛から構成されなければならない」としている[22]。以上の(受け入れられた)提言が全て効果的に実施されれば、初期の増強により2026年~2030年までに「目標とする統合戦闘力」が、2031年以降に「将来の統合戦闘力」が実現されることになる。

必要な国防・産業・技術基盤の構築

 これらの野心的な戦力再構成計画は、オーストラリアの国防・産業基盤と支援ネットワークの全面的見直しを前提としている。AUKUSにより最終的にオーストラリアの海軍造船能力が大幅に増強されることに加え、DSRは、自国の国防・産業能力を維持する唯一の方法は、国内の海軍造船所で継続的な建造サイクルを保証することであるという長年の立場を取り上げている。しかし、AUKUSの潜水艦プロジェクトやハンター級フリゲートなどの主要プラットフォームが往々にして脚光を浴びる一方で、DSRは進行中のより広範な技術・戦略的競争の一環として革新的技術に高い関心が寄せられることを保証するものである。DSRは「テクノロジーは戦争と抑止の性質に重大な影響を与え、変わりゆくパワーバランスを形成する」と認めている[23]。極超音速、AI、量子コンピューティングなど、野心的な技術プロジェクトの一部はAUKUSの第二の柱に盛り込まれており、国防科学技術グループや新設された先端戦略能力アクセラレーターを通じた本格的な研究開発投資を必要としている。

 また、国防態勢の強化には、要員の訓練、採用と定着、十分な弾薬備蓄の供給、燃料の供給、純粋な基地インフラ/兵站の改善など、より一般的な活動を通じたリソースの供給も必要である。これの重要な要素となるのが誘導兵器・爆発物事業(GWEO)であり、「ADFの(弾薬)在庫供給の確実性、利用可能性と信頼性を向上・改善する」ことを任務としている[24]。したがって、自国の国防・技術基盤の強化は重工業を補完し、拒否戦略による抑止が依拠する「非対称的」軍事的優位の獲得に不可欠である。重要な点は、これら全てについて十分な予算を割り当て、あらゆる産業/技術調達プロジェクトは財政責任を強化して管理しなければならないということである。DSRは「われわれの戦略環境に対応するため、国防予算を増額するべきである」と明確に提言している[25]。増額はこれまでのところ実現しておらず、目下予算はGDPの約2%であるが、アナリストは必要とされる3%への増額を求めている[26]。

気候変動

 最後に、DSRが気候変動(第5章)を優先事項としていることは注目に値する。おそらく労働党現政権の意識の高さや、環境が(非伝統的安全保障の)脅威ベクトルの一つであることを念頭に、DSRでは、気候変動がもたらす課題に国防がいかに適応しなければならないかについて大きく紙面を割いている。気候変動政策は誰もが知っており、国際舞台でも頻繁に紹介されているが、先日非常に強い台風がグアムにおける米軍の活動に深刻な影響を与えたことを踏まえれば、異常な気象状況を国防の文脈において考慮に入れるべきである[27]。この点についてDSRは、「気候事象はすでにADFに同時並行的な圧力を加えており、戦力の準備、即応性と戦闘効率に悪影響を及ぼしている」と主張している[28]。また、オーストラリアの一部で繰り返し発生する深刻な洪水などの国内の自然災害により、ADFのリソースを主任務たる戦闘ではなく災害の対応に割かざるを得なくなっており、訓練と即応性に悪影響を及ぼしているとも述べている。

結論

 DSRの原文は秘密に指定されている(原文の内容やスミス氏、ヒューストン両氏自身が実際に提言した内容を正確に知るのは国防の内部関係者に限られる)が、DSRの公表版は、オーストラリアが直面する課題について、「基本原則に立ち返った」評価を行い、包括的で時には抜本的な対応策を提言し、そのほぼ全てが政府の公式政策として採用されたという意味において、非常に重要な戦略文書である。DSRは、国内の既得権益層の一部に動揺と反発を引き起こした国防・戦力構成に関する比較的物議を醸す改革についても主張を控えることはしなかった。

 DSRに対する主な批判は、拒否戦略による抑止を支える打撃能力の向上に関する野心が非常に「控えめ」であること(量やミサイルの射程距離が不十分)、陸軍の装甲能力に悪影響を及ぼしていること、財源の保証がないことが中心である。紛争の戦略的「警告時間」が短くなっている今、ADFを「目的にかなった」組織にするために即応性を向上させ、国防調達を加速するようDSRが緊急の提言を行っていることを踏まえれば、その提言がより強固かつ決定的でないことは困惑を招くものである。なぜ水上艦隊の見直しを待つのか。なぜ、より長距離のミサイルをより早期に購入しないのか。将来の統合戦闘力の整備のために、なぜそれほど長期の時間枠を設定しているのか。しかし、オーストラリアの国防官僚組織の複雑かつ時に非効率的な機構を知る者であれば、DSRが提言した結果を実現するために辛抱強く乗り越えなければならない制約と障害にすぐ気づくであろう。

 DSRの内容の多くは、インド太平洋の安全保障環境の戦略的評価と講じるべき対応策の両面において、オーストラリアにとって最も緊密なパートナーである米国、日本、英国が取る戦略的アプローチと密接に適合している。実際、DSRがこれらの緊密なパートナーのベストプラクティスを参考にしたことは明らかであり、このことはオーストラリアがこれらの国々と協調する上で助けとなる。典型的な「ミドルパワー」であるオーストラリアには、地域のパワーバランスに対し独自に影響を与えるリソースや能力はなく、米国との同盟や、日本、英国などとの高度に発展した戦略的パートナーシップに依拠しなければ、戦略的競争に持ちこたえるための統一戦線において自らの役割を果たすことができない[29]。DSRは、オーストラリアが信頼する同盟国やパートナーと協力して、自国にとって望ましい目的をどのように実現しようとしているのかを示す明確なロードマップとなっている。

(2023/07/18)

*こちらの論考は英語版でもお読みいただけます。
Australia’s 2023 Defence Strategic Review: mobilizing all elements of national power to meet the challenges of the Indo-Pacific era

脚注

  1. 1 Australian Government, National Defence: Defence Strategic Review (DSR), Commonwealth of Australia, 2023, p. 5.
  2. 2 Australian Government, Department of Defence, 2020 Defence Strategic Update(DSU), Commonwealth of Australia 2020, Ibid.
  3. 3 Rory Medcalf, Indo-Pacific Empire: China, America and The Contest For The World's Pivotal Region. Manchester University Press, 2020.
  4. 4 内閣官房「国家安全保障戦略」(2022年12月16日国家安全保障会議決定・閣議決定)3頁
  5. 5 DSR, p. 5.
  6. 6 Thomas Wilkins, ‘Australia and Japan Facing “Disruptive” Challenges To The Rules Based Order In The Indo-Pacific’, Policy Brief, Japan Institute for International Affairs (JIIA), September 26, 2018.
  7. 7 内閣官房「国家安全保障戦略」4頁
  8. 8 DSR, p. 34.
  9. 9 外交・安全保障政策におけるオーストラリアの目標と目的に関するより広範な評価については、(過去に遡るが)「2017年外交政策白書」を参照されたい。Department of Foreign Affairs and Trade (DFAT), 2017 Foreign Policy White Paper, Commonwealth of Australia, 2017.
  10. 10 「1987年国防白書」に記載されているように、「オーストラリアの防衛」は、中小国による低レベルの脅威の抑止と対応を目的としていた。
  11. 11 DSR, p. 18.
  12. 12 Jane Hardy, ‘Integrated Deterrence in The Indo-Pacific: Advancing The Australia-United States Alliance’, Analysis, US Studies Centre, Sydney, October 15, 2021.
  13. 13 DSR, p. 19.
  14. 14 防衛省「国家防衛戦略」(2022年12月16日国家安全保障会議決定・閣議決定)
  15. 15 Peter Jennings, ‘Frankenstein-style Defence Review fails on Credibility’, The Weekend Australian April 29-30, 2023.
  16. 16 Australian Government, Defence, ‘AUKUS Nuclear-Powered Submarine Pathway’, Commonwealth of Australia, 2023.
  17. 17 David Shackleton, ‘The Hunter Frigate: An Assessment’, Strategy Report, Australian Strategic Policy Institute, April 28, 2022.
  18. 18 現在の設計構造では十分な打撃力を欠いていると評価されており、英国からの(26型)ハンター級フリゲートの調達に対する批判に応えようとしている可能性がある。
  19. 19 Andrew Tillett, ‘Buy 12 stealth bombers at $28b to counter China: ASPI’, The Australian Financial Review, December 12, 2022; Peter Jennings, op.cit.
  20. 20 Greg Sheridan, ‘Sleepwalking to Tragedy’, The Weekend Australian, April 29-30, 2023.
  21. 21 Ben Scott, ‘Australian Cyber: What’s “Redspice” for?’ The Interpreter, Lowy Institute, 14 April 2022.
  22. 22 DSR, p. 69.
  23. 23 DSR, p. 76.
  24. 24 Australian Government, Defence, ‘Guided Weapons and Explosive Ordnance Enterprise’, Commonwealth of Australia.
  25. 25 DSR, p. 96.
  26. 26 Peter Jennings, op.cit.
  27. 27 Eric Roston, ‘Guam typhoon highlights climate threat to U.S. military in Pacific’, The Japan Times, May 25, 2023.
  28. 28 DSR, p. 41.
  29. 29 John Lee, ‘Asian Allies can keep China at Bay if We Work Together’, The Weekend Australian, May 6-7, 2023.