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一般事業 平和と安全への努力~非伝統的安全保障

2011年
事業

難民受入政策の調査と提言

事業実施者 笹川平和財団 年数 1/3
形態 自主助成委託その他 事業費 7,639,341円
事業概要
本事業は、日本が諸外国に比べ難民受け入れにかかわる支援制度や受入体制の構築が遅れているという現状認識の下、難民の受け入れを積極的に行っている国々の制度や実情を研究し、日本が果たす役割や難民政策の方向性を検討することを目的とする。
実施計画
本年度は3年継続事業の初年度として、国内外の専門家と協力しながら以下の活動を行う。
  • 国内外の難民政策と制度改革の基礎調査(通年)
    難民政策に関する研究会(年4回)を開催し、日本の難民政策の現状と課題について協議する。特に、国内および北欧、欧米、豪州などの政府が難民受入れの意思決定や法制度改革を行なった経緯や根拠、現状と課題などを調査することで、日本の難民支援政策や法制度を検討する際の参考材料とする。
  • 国内でのセミナー・ワークショップ開催
    国内において、難民支援問題についての世論喚起と啓発を行なうことを目的として、政府関係省庁や難民支援問題に関する研究者、難民支援に携わる首都圏・地方の市民団体、一般市民、メディアなどを対象として、海外の専門家や国内の難民当事者を招いた公開セミナーを開催する。また、その際、関係者間のより詳細な意見交換のためワークショップを併せて実施する。
  • 助成事業との効果的な連携・円滑な事業運営(通年)
    特定非営利活動法人 難民支援協会に対する助成事業「アジア難民支援連携強化」との効果的な連携などを目的として、同事業のモニタリング、会議出席のための出張などを行なう。
実施内容
【豪州からの専門家招へい】
笹川平和財団では、2011年10月末から11月にかけて、オーストラリアで難民定住支援に携わってこられた専門家2名を日本に招へいしました。

招へいしたのは、ビクトリア州のAMESという団体で難民定住支援に携わってきたメリカ・ヤシン・シーク・エルディン博士(Dr. Melika Y. Sheikh-Eldin、エリトリア難民出身)および、セイン・ナントゥ・クヌー氏(Sein Nanthu Kunoo、カレン難民出身)です。お二人は、日本滞在中、松本でのセミナー、東京でのシンポジウム、難民支援に携わる団体や研究者、政府関係者等との意見交換などを精力的にこなしました。

現在、日本では第三国定住のパイロット事業を政府が実施しています。今後の日本の難民受け入れや定住支援のあり方を考える重要な時期に差し掛かっていますが、今回の招へいを通じて、オーストラリアの難民受け入れの考え方や定住を成功させるための取り組みなど、多くのことを学ぶことができました。

そうした学びをより多くのみなさまに共有いたしたく、シンポジウムの報告書を作成しました。また、「難民ナウ!」の協力により、シンポジウムの関係者や日本に暮らす難民の方々に対するインタビューを通じて今後の日本の難民受け入れのあり方について考える動画を制作しました。


なお、当財団では、次年度以降国内外の調査を行いつつ、第三国定住など日本の難民受け入れのあり方を考えていく予定です。
YouTube動画「日本の難民受け入れを考える」(取材・編集:難民ナウ!)
1. オーストラリアの経験


2. 求められる視点


3. 日本に暮らす難民の声と今後


事業成果
本年度は、研究会や海外調査などを通じて、難民受入に関し求められる視点や課題を検討しました。
また、オーストラリアの難民支援政策に造詣の深いMelika Yassin Sheik-Eldin氏とSein Nanthu Kunoo氏の2名を招いて、松本市でのセミナー、難民支援に携わる主要な関係者とのラウンドテーブル(2011年11月2日、於 東京)、一般向けのシンポジウム(2011年11月4日、於 日本財団ビル)を開催しました。


左より)Melika Yassin Sheik-Eldin氏、 Sein Nanthu Kunoo氏

左より)Melika Yassin Sheik-Eldin氏、 Sein Nanthu Kunoo氏

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