スロバキア青少年育成支援

本事業は、仲介システム導入による助成の試みとなった事業でした。
英語を母国語としないスロバキアのような遠隔地で草の根支援をすることは、6000マイル離れた東京に事務所を構える中欧基金にとって至難の業です。そこで、インターメディアリ（仲介団体）を介して、遠隔地における草の根支援を試みることとなりました。
米国の国際青少年育成財団（IYF）、スロバキア青少年育成財団（CFS）の協力を仰ぎ、中欧基金が毎年2万5000ドルをIYFへ送金し、IYFはそれをCFSに転送し、最終的にスロバキアの複数の草の根団体に全助成金の11.9%を支援するのです。この仲介方式によって、現地のニーズをきめ細かに把握すること、より適切な事業を発掘すること、そして遠隔地からでは困難なモニタリングを密に行うことが可能になりました。
具体的には、CFSがスロバキアの地方にローカル・コンサルタントを配置し、そのローカル・コンサルタントが、支援事業の候補の選考、支援事業のモニタリングを行いました。これらの助成金配分作業に加え、支援先に対して事業運営や会計処理等、技術的なアドバイスを継続的に行ったのも本事業の特徴です。これによって、助成金による支援だけでなく、支援先の団体の組織力や事業運営の質の向上が図られることになりました。
これらの支援先では、青少年がボランティアとして環境問題、障害者支援、人権問題等に取り組む機会を与えることによって、彼らの健全な心身を育成し、将来の地域社会の担い手として、参加意識、連帯意識を醸成するための活動を行っています。
下記のような団体に助成を行いました。
①Children, Rights, Adult／Civic Association eRko―4810ドル　リーダー（約150人）、ボランティア（約1000人）、青少年（約5000人）が参加。
②Bridges／Civic Association Slovak Child Hope―4545ドル　ボランティア（約30人）、青少年（約600人）が参加。
これらは、ほんの一端にすぎませんが、1997年度は、9つのスロバキアの青少年育成団体に支援し、青少年約3850人、ボランティア231人がその活動に参加しました。98年度は、7つのスロバキアの青少年育成団体に支援し、スロバキアの青少年やボランティア約1万3000人がその活動に参加しました。