はじめに

 フーシ派による商船攻撃が続く紅海・アデン湾は、ウクライナ、ガザに続く第三の戦場と化している[1]。それにもかかわらず、詳細な情報は十分に伝えられていないのが現状である。これにはいくつかの理由が考えられる。まず、陸上における紛争では各メディアが現場に入り自身で情報を収集して発信することができる。一方、海上における紛争では、通常メディアは現場に入ることができない。その結果、現場の情報発信は公表内容に制限を受ける政府や軍による会見(press conference)や報道発表(press release)に限られることから、情報は事実関係中心に限定されがちになる。また陸上においては、無辜の民間人の被害などの人道上の問題という国際社会の関心が高い内容が多いことから、その情報量は多くなる。しかし、海上は一般の社会生活圏から切り離されていることから、人道に関わるような国際社会の大きな関心を引く事象は限られている。こうしたことが情報の少なさに繋がっているようである。しかし、断片的な情報をつなげていけばウクライナとガザにおける武力紛争との繋がりも見えてくる。

 本稿においては、まず米英国防省や米海軍等による断片的な情報を可能な限り体系的にまとめ、現地で起きている状況を整理する。そのうえで、今後の趨勢と国際社会の対応の在り方を検討する。

1.米国主導の連合海上部隊(Combined Maritime Forces: CMF)

1) CMFとしての活動

 CMFは米中央軍(U.S. Central Command: CENTCOM)の傘下にあり、編成上の指揮官は米海軍中央軍(US Naval Force Central Command: NAVCENT)司令官及び米第5艦隊(5th Freet)司令官を兼任する米海軍中将であるが、CMF多国籍の連合組織であるが、参加国はその統一指揮を受けるのではなく、それぞれの国の指揮の下にある。

図1:CTFの担当海域

出典:“Forces Maritimes Conjointes (Combined Maritime Forces: CMF),” Le ministère des Armées.

 CMFは5つの連合任務部隊(Combined Task Force: CTF)で構成され、各CTFの指揮官は各国の持ち回りで担当する。

 連日繰り返される弾道・巡航ミサイルやドローンなどによるフーシ派の商船攻撃からの護衛にはCTF153傘下の「繁栄の守護者作戦(Operation Prosperity Guardian: OPG)」[2]が当たっているが、他に、現地海域では、2009年1月に創設された海賊対処部隊のCTF151が海賊対処を継続しており成果を上げおり、日本も参加している。

 さらに、アラビア湾外での海上における警備活動(Maritime Security Operation: MSO)を担当するCTF150[3]が、フーシ派の商船攻撃以前から犯罪組織やテロ組織の取り締まりを行っており、不審船の臨検により薬物の押収のみならずイランからフーシ派に向けて武器・弾薬を輸送する不審船を国連安保理決議2216[4]違反として臨検・拿捕し、積載武器等を押収している[5]。ここで押収された武器・弾薬等については、米司法省が「没収訴訟(Forfeiture Action)」を起こし[6]、裁判で没収が認められた武器・弾薬等をウクライナ軍に供与した[7]。対ウクライナ軍事支援パッケージが滞っていたなか[8]、この隠れた軍事支援がウクライナの防衛に役立つと評価されており[9]、ここに、フーシ派の商船攻撃とウクライナとの繋がりが見えてくる[10]。

 訴状によると、「CENTCOMは、2021年に2隻、2023年に2隻の計4隻の無国籍のダウ船〔木造の帆船―引用者註〕を取り締まり、長射程武器、対戦車ミサイル、関連弾薬等を押収した。これにより通常兵器の4件の大きな隠匿が発見され、それらはいずれもイラン系、中国系、ロシア系と断定された」とのことである。

写真:(左)ダウ船を追跡する米海軍、(右)数十基のロシア製対戦車誘導ミサイル、数千丁の中国製56式突撃銃、数百丁のPKM機関銃、狙撃銃、ロケット推進式グレネードランチャーが含まれていた。その他の武器部品には、高度な光学照準器が含まれていた。写真はいずれも2021年5月押収時のもの。
出典:“U.S. Navy Seizes 1,400 Assault Rifles During Illicit Weapons Interdiction,” NAVCENT Public Affairs, News Stories, December 22, 2021.

2) 自衛権行使としての行動

 現場においては、これらCMFの公海及びその上空の国際水・空域における活動だけではなく、2024年1月11日(現地時間12日)、米英がはじめてイエメン領域内のフーシ派の軍事施設を空爆した[11]。この空爆について、米英はそれぞれ国連憲章51条に基づく個別的自衛権の行使として同条の規定に従い安保理に報告する一方で[12]、「フーシとは現時点で戦争状態にない。戦争をするつもりはない」[13]とするとともに、OPGとは無関係の作戦であることを強調している[14] 。したがって、この空爆は連合海上部隊ではなく米国の第5艦隊と英空軍によって行われ、オーストラリア、バーレーン、カナダ、オランダが非作戦支援(non-operational support)を行っている[15]。また、この攻撃に対して、米英と今回の攻撃支援国のほか、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、韓国が加わり、フーシ派の違法な攻撃が続いていることを受け、イエメン領域への「共同攻撃」が「国連憲章に沿った個別的・集団的自衛権に基づく」ものであり、「世界貿易と国際的な船員の生命を脅かすためにフーシ派が使用している能力を混乱させ、低下させることを意図したものであった」とする共同声明を発した[16] 。フーシ派の商船攻撃は5月に入っても止むことはないため、米英両国によるイエメン領域内への攻撃は現在も継続されている[17]。

写真:(左)2024年2月24日、攻撃に向けて米空母から発信するAF/A-18E戦闘攻撃機、出典:Official X Account of U.S. Central Command (CENTCOM), January 12, 2024; (右)2024 年 2 月 3 日、キプロス基地から攻撃に向かうRFG4戦闘機に武装する英空軍武器員、出典:“Statement on Air Strikes against Houthi military targets in Yemen: 3 February 2024,”UK Ministry of Defence, News story, 3 February 2024.

2.EU海軍部隊(European Union Naval Force: EUNAVFOR)

 フランス、イタリア、スペインなどは、当初、米主導のOPGへの参加を表明していた。しかし1月11日の米英によるイエメン領域への攻撃に反発し、米英の行動と分離する態度を明確に示すために、OPGへの参加を翻して欧州連合海軍部隊(EUNAVFOR)の下にEU独自の「アスピデス作戦(Operation Aspides:OA)」を結成した[18]。この姿勢を明確にするため、創設に際してEUは、OAがフーシ派に対する攻撃に参加することを想定しておらず、海上では護衛、パトロール、監視、迎撃の任務のみで活動することであることを強調している[19]。こうした背景から、1月11日のイエメン領域への攻撃に積極的に貢献したEU加盟国は、政界引退を表明し将来のNATO事務総長を目指すマーク・ルッテ(Mark Rutte)首相率いるオランダのみであった[20]。

 OAは、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、スペインの初期出資を受け、このうちフランス、ドイツ、イタリア、ギリシャからそれぞれ1隻ずつ、計4隻の艦艇が護衛任務に就いている[21]。米英への反発を発端に創設された護衛部隊ではあるが、OPGとの調整や協力は維持されている。

3.海上部隊間の協力

 各CTFには固有の任務が指定されているが、その任務以外の対処においても相互に協力して活動している。例えば、2023年11月26日、国際水域を航行中の石油タンカー「セントラルパーク(Central Park)」が拿捕されたとの通報を受けたNAVCENT隷下の第55任務部隊(TF55)に所属するミサイル駆逐艦 「メイソン(DDG87)」とTF-57 の P8 哨戒偵察機[22]、CTF151の部隊からは、海上自衛隊護衛艦「あけぼの(DD108)」とP-3C 哨戒機、韓国海軍の駆逐艦「楊万春(DDH 973)」がCTF151群と協力し対応した。その後、航空機はNVCENTと連携して水上部隊が「セントラルパーク」の場所に集結できるまで事件を見守り続けた。数時間後、被害船を制御できなくなった犯人は船を放棄し小型ボートで逃走を図ったが、国際部隊が追跡し小型ボートを追い詰め、犯人はメイソンの乗員に投降し国際法に従って身柄を拘束された[23]。

写真:ミサイル攻撃を受け炎上する石油タンカー「マーリン・ルアンダ」
出典:“Fire onboard MV #MarlinLuanda brought under control,” Indian Navy Spokesperson, February 7.2024.

 また1月26日には、マーシャル諸島船籍の石油タンカー「マーリン・ルアンダ」がフーシ派の対艦弾道ミサイル攻撃を受け大規模な火災が発生した。この事態に、OPGの米海軍ミサイル駆逐艦「カーニー (DDG 64)」、OAのフランス海軍フリゲート「アルザス (D656)」、そして独自に護衛作戦を展開するインド海軍フリゲート「ヴィシャカパトナム (DD66)」が協力して迅速に対応し、消火能力を使い果たしたタンカー乗組員に重要な消火物資と支援の提供により鎮火させた。この攻撃による死傷者はおらず、タンカーは耐航性を保っており元の針路に戻った[24]。

 さらに、3月9日には、シンガポール船籍のばら積み貨物船「プロペル・フォーチュン」と米駆逐艦を攻撃したフーシ派のドローンに対して、OPGの米・英海軍とOAのフランス海軍が連携して数十機のドローンを撃墜している[25]。

 現場で商船保護に当たっているOPGとOAの連合海軍部隊は、それぞれ統一指揮の下で行動しているわけではなく、本国から賦与された権限の下で行動している。また、インドのように独自の護衛作戦を行っている海軍部隊との間においても、付与された権限に大差は無いため、一部に調整の必要は生じることがあっても各国の行動には一定の整合性が担保されている。こうして現場で行動する各国海軍部隊は、所属やその本来任務に関わらず商船保護の必要に応じて協力・連携して対応に当たっている[26]。

写真:2023年11月25日、アデン湾での共同訓練で並走する米海軍の駆逐艦「メイソン」と海上自衛隊の護衛艦「あけぼの。この翌日、両艦は、拿捕された石油タンカーの救助に当たっている。
出典:U.S. Navy, All Hans, Image Gallery; 231125-N-WJ225-2298, November 25, 2023.

おわりに

 ハマスへの支援を表明しているフーシ派は「イスラエルがガザ地区のハマスに対する軍事作戦を停止するまで、紅海地域の船舶を標的にし続ける」としており[27]、フーシ派の艦船攻撃とCENTCOMによるフーシ派の軍事施設への攻撃という双方の武力の応酬は6月13日現在も続いている[28]。一方で、期待されたイスラエルとハマスの停戦交渉は合意に足らなかった[29] 。さらに、5月24日には国際司法裁判所がイスラエルに対して、140万人以上が非難するガザ地区最南部のラファへの軍事攻撃・行動を「直ちに停止せよ」と命じたにも関わらず[30] 、イスラエルはこれを拒否し、命令が出された数分後にラファ中心部への空爆を実施した[31]。こうした状況は少なくとも当面の間、紅海・アデン湾においても現在の混乱が好転することはなく、今後も続くことを意味している。このように、短期的な解決が見込めない以上、紅海・アデン湾における諸外国海軍部隊の保護作戦は長期的な視野で考えなければならない。さらには、フーシ派壊滅に向けた関係国の関与による事態の拡大も危惧される[32]。

 紅海・アデン湾の現状についてはメディアの発信量も乏しく十分な情報が伝えられていないことから、国際社会の関心も今一つ高まっていない。しかし、国際海運の破壊は物価と連動する海運コストに直結する問題である。したがって、日本を含めて、紅海・アデン湾の問題は、日本を含めた国際社会全体に関心の高まりを見せていないようである。物価に直結する海運コストの上昇に関わる問題であり、日本はもとより国際社会にとって、ウクライナ、ガザに匹敵する深刻な問題として考える必要がある。

 そうしたなかで、5月8日に米議会調査局が発表したレポートは、「(フーシ派の)攻撃により輸送コストが上昇し、これらの地域への人道的食糧、燃料、医薬品の流れに影響が及んだ。紅海の海運の混乱が長引けば、世界的なインフレ圧力の一因となり、世界経済に悪影響を与える可能性がある。最終的に、危機の全体的な影響は、その期間とその影響がどの程度抑制されるか、そして政府、海運会社、国際機関を含むすべての利害関係者の対応に依存している」と警鐘を鳴らしている[33]。しかし、このレポートは一般のメディアに取り上げられていない。これは、紅海・アデン湾の問題へのメディアの関心の低さを物語っており、一般人がこの警鐘を知ることはほとんどないのだろう。

(2024/06/19)

脚注

  1. 1 Hayley Warren, et al., “The Red Sea Has Become a War Zone Full of Vulnerable Ships,” Bloomberg, March 21, 2024.
  2. 2 参加の公表を望まない国もあり総参加国数など明確ではなく、報道で艦艇の派遣表明が確認できるは、デンマーク、ギリシャ及びオランダの3カ国のみで、司令部要員のみの参加が少なくない。 Vassilis Nedos, “Dendias: Greece will dispatch frigate to Red Sea,” Kathimerini, December 21, 2023; Louise Breusch Rasmussen, “Denmark to send frigate to U.S.-led task force in Red Sea,” Reuters, December 30, 2023; “Netherlands Deploys Warships to Support US and EU Red Sea Defense Missions,” The Maritime Executive, March 8, 2024.
  3. 3 CTF150は、CENTCOMの指揮下にあるアメリカ海軍の部隊であったが、2001年9月11日の同時多発テロ後の不朽の自由作戦(OEF)の一環として海上での対テロ作戦を実施するために多国籍連合として再設立された。この有志連合は、その活動の範囲を超えて成長し、より広範な海洋安全保障上の脅威を網羅し対処している。“CTF 150: Maritime Security,” CMF, accessed June 6, 2024.; なお、NAVCENTには米海軍だけではなく沿岸警備隊も参加しており、フーシ派向けに軍事部品等を輸送する不審船の拿捕と輸送品の押収に成果を上げている。“CENTCOM Intercepts Iranian Weapons Shipment Intended for Houthis U.S. Central,” U.S. Central Command Public Affairs, February 15, 2024.
  4. 4 安保理決議2216は、すべての加盟国に「何らかの武器および関連物資の提供、維持または使用を含むあらゆる型の関連物資の、直接または間接の供給、販売若しくは譲渡を防止するため、直ちに必要な措置を講じるものとすること」を決定している。“Resolution 2216 (2015) Adopted by the Security Council at its 7426th meeting, on 14 April 2015,” United Nations, Security Council, para.14, April 14, 2015.
  5. 5 “Canadian-led Combined Task Force 150 seizes 770 kg of methamphetamine in the Arabian Sea,” CMF Public Affairs, March 9, 2024; “CENTCOM Intercepts Iranian Weapons Shipment Intended for Houthis,” USCENTCOM, Press Release Number 20240215 – 02, February 15, 2024.
  6. 6 CENTCOMが2021年と2023年に各2隻、計4隻の無国籍のダウ船から押収した大量の武器・弾薬について、司法省は、2023年3月31日にイランからの武器輸送に対する没収措置としては過去最大規模の没収訴訟(Forfeiture Action)を提起し、7月6日にも同様の訴訟を提起した。 United States District Court for the District of Columbia, United States’ Verified Complaint for Forfeiture in Rem: Civil Action No. 1:23-cv-880, March 31, 2023.; United States District Court for the District of Columbia, United States’ Verified Complaint for Forfeiture in Rem; Case 1:23-cv-01951, July 6, 2023.
    拘束された船員等の取扱いについては、例えば、2024年1月11日に拿捕されたダウ船で拘束された船員4名は、2022年2月22日アメリカ国内で起訴され、10人の乗船者は、重要参考人として拘束されている。弾頭の不法輸送で有罪となれば最高20年の懲役刑が科せられ、虚偽陳述罪で有罪となれば、4人の被告全員が最高刑5年の懲役刑に処せられる。“United States Charges Four Mariners from Arabian Sea Vessel Transporting Suspected Iranian-Made Advanced Conventional Weapons,” U.S. Department of Justice, Immediate Release, February 22, 2024.
  7. 7 USNAVCENTが2022年12月1日頃にアラビア海で拿捕した無旗国船(flagless vessel)から押収した1063万発の7.62mm弾薬、24,000発の12.7mm弾薬、ロケット推進手榴弾(RPG)用近接信管6,960個、ロケット推進手榴弾用推進剤2,000kgなどの押収品について、7月20日にコロンビア特別区連邦地方裁判所が米国に所有権を移すよう命じたことを受けて、10月2日、米政府は約110万発の7.62mm弾薬をウクライナ軍に供与した。“Thousands of Machine Guns and Sniper Rifles and Over 500,000 Rounds of Ammunition Seized En Route from Iran to Yemen Transferred to Ukrainian Armed Forces,” U.S. Department of Justice, Press Release, April 9, 2024. さらに同様の手続きにより、2024年4月4日に、残されていた5,000丁以上のAK-47、機関銃、狙撃銃、RPG-7と50万発以上の7.62mm弾薬をウクライナ軍に引き渡した。“Remaining Munitions Seized En Route from Iran to Yemen Transferred to Ukrainian Armed Forces,” U.S. Attorney’s Office, District of Columbia, Press Release, April 9, 2024.
  8. 8 野党共和党の反対で停滞していたアメリカのウクライナ支援パッケージは、4月20日の下院で約610億ドル(対イスラエル支援の264億ドル及び台湾を含むアジア太平洋地域の同盟国向けの81億ドルが含まれる)の緊急支援予算案が可決され、ようやく再開されることとなった。Anthony Zurcher, James Waterhouse, and Jacqueline Howard, “Ukraine Russia war: US House passes crucial aid deal worth $61bn,” BBC, April 22, 2024.
  9. 9 4月4日の供与について、コロンビア特別区連邦検事事務所(U.S. Attorney's Office, District of Columbia)は、「ウクライナの1個旅団が小銃を装備するのに十分な物資であり、ロシアの侵攻に対するウクライナの防衛に役立つだろう」としている。また、ガーランド(Merrick B. Garland)司法長官も、「この武器譲渡により、米国政府はイランの不安定化工作を阻止すると同時に、ロシアの残忍でいわれのない侵略に対するウクライナの闘いを支援することになる」としたうえで、「司法省は、自由と民主主義、法の支配のために戦うウクライナの人々を支援するために、没収を含む法的権限を引き続き行使する」と述べている(註8を参照)。
  10. 10 註7、Civil Action No. 1:23-cv-880, p.11, para.26 を参照。
  11. 11 “Press Briefing by Press Secretary Karine Jean-Pierre and NSC Coordinator for Strategic Communications John Kirby,” The White House, Press Briefings, January 23, 2024.
  12. 12 この報告は、自衛権を行使した場合の報告義務を規定する憲章51条に基づくもので、米英とも自国艦艇に対する攻撃を根拠とする個別的自衛権(米は、“inherent right of self-defence”、英は“individual self-defence”を使用している)の行使としているが、米国は報告書において「米国を脅かす現在進行中の攻撃パターンを低下させ、混乱させるとともに、フーシ派武装勢力が紅海を通過する商船や商業船を脅かすさらなる攻撃を行うことを抑止するために実施された。これらの軍事的対応は、この重要な海上航路において、海軍艦船と商業船舶の航行権と自由を守るものである」としている。“Letter dated 12 January 2024 from the Permanent Representative of the United States of America to the United Nations addressed to the President of the Security Council,” UN Security Council, S/2024/56, January 15, 2024; “Letter dated 12 January 2024 from the Permanent Representative of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland to the United Nations addressed to the President of the Security Council,” UN Security Council, S/2024/55, January 15, 2024.
  13. 13 “Press Gaggle by Deputy Press Secretary Andrew Bates and NSC Coordinator for Strategic Communications John Kirby En Route Allentown, PA; Aboard Air Force One, En Route Allentown, Pennsylvania,” The White House, Press Briefings, January 12, 2024.
  14. 14 “U.S. Forces, Allies Conduct Joint Strikes,” USCENTCOM, Press Release, January 11, 2024.
  15. 15 Joseph Clark, “U.S., Partners' Forces Strike Houthi Military Targets in Yemen,” Department of Defense, DOD News, January 12, 2024. なお、2月24日の攻撃に際しては、ニュージーランドとEUの「アスピデス作戦」に参加しているデンマークも非作戦支援に参加している。“U.S. Forces, Allies conduct joint strikes in Yemen,” CENTCOM, February 24, 2024.
  16. 16 “Joint Statement from The Governments of The United States, Denmark, and 8 Other Nations, January 11, 2024,” U.S. Embassy & Consulate in The Kingdom of Denmark, January 12, 2024.
  17. 17 “April 8 Red Sea Update,” USCENTCOM, Press Release, April 8, 2024.
  18. 18 Léonie Allard, Cinzia Bianco, and Mathieu Droin, “With Operation Aspides, Europe is charting its own course in and around the Red Sea,” Atlantic Council, March 7, 2024.
  19. 19 Ibid.
  20. 20 Ibid.
  21. 21 “Operation 'Aspides': 11 Houthi attacks repelled and dozens of escorts,” Euronews, April 8, 2024.
  22. 22 米海軍第5艦隊隷下のTHF55、TF57は、それぞれ地域全体の海上監視および偵察活動を本来の任務とするが、海賊は軍艦及び権限ある政府船舶に取締りが認められる国連海洋法条約(UNCLOS)にも規定される国際法上の犯罪であり、ほとんどの海軍は海賊の取締りを平素の任務としている。また、海賊対処に限らず、各TFは必要に応じて相互に協力・連携して事態に対応している。“About Us,” U.S. Naval Forces Central Command Combined Maritime Forces, U.S. 5th Fleet, accessed June 6, 2024.
  23. 23 “Combined Multinational Effort Averts Attempted Seizure in the Gulf of Aden,” U.S. Naval Forces Central Command Public Affairs, November 30, 2023.
  24. 24 “Fire Extinguished on M/V Marlin Luanda Following Houthi Anti-Ship Ballistic Missile Attack,” USCENTCOM, Press Release, January 27, 2024.
  25. 25 “US and Coalition Defeat Houthi Attack in Red Sea Area,” USCENTCOM, PRESS RELEASE, March 9, 2024; Adam Makary, John Irish, and Alistair Smout, “US, UK, French military shoot down Houthi drones after attack on bulk carrier, destroyers,” Reuters, March 10, 2024.
  26. 26 CENTCOMが公表する暦日のニュースを参照。“Latest News,” U.S. Central Command, U.S. Central Command,” accessed June 6, 2024.
  27. 27 Lipika Pelham, “Cargo ship attacked by Houthis sinks off Yemen coast,” BBC, March 3, 2024.
  28. 28 “June 13 U.S. Central Command Update,” USCENTCOM, Press Release Number 20240613 – 02, June 10, 2024.
  29. 29 “Gaza ceasefire talks end with no deal as Israel ramps up Rafah attacks,” Al Jazeera, May 10, 2024.
  30. 30 “Order: Application of the Convention on the Prevention and Punishment of the Crime of Genocide in the Gaza Strip (South Africa v. Israel),” May 24, 2024.
  31. 31 Paul Adams, “No sign Israel will change course after Gaza ruling,” BBC, May 25, 2024.
  32. 32 こうしたなかで、サウジアラビア主導のイエメン連合軍とフーシ派との間では10年近く内戦が続いているが、1月12日付のロイター電は、「サウジは数カ月前からフーシ派との和平交渉を進めている」と報じている。“Saudi Arabia calls for restraint after air strikes on Yemen,” Reuters, January 12, 2024.
  33. 32Andres B. Schwarzenberg, “In Focus 12657: Red Sea Shipping Disruptions: Estimating Economic Effects,” Congressional Research Service (CRS), May 8, 2024.