大陸棚限界委員会に対する各国の申請状況

イエメンの申請

イエメンの申請

2009年3月20日、イエメンは、国連事務総長を通じ、大陸棚限界委員会に対して申請を提出しました。イエメンが申請を提出したことは国連事務総長によって、全国連加盟国に通知され、申請のエグゼクティブ・サマリーが公表されました。その後、ソマリアが自国の見解を示す文書を提出しています。

イエメンは、エグゼクティブ・サマリーの中で、以下の点を述べています。

  1. この申請は、ソコトラ島(Socotra Island)南東部海域の大陸棚の外縁についての申請である。
  2. この申請において、他国との紛争は存在しない。

ソマリアは、提出した口上書において、以下の点を述べています。

  1. ソマリアとイエメン間の大陸棚境界画定はなされていないので、両国がそれぞれ沿岸200海里を超えて主張する延長大陸棚の間に潜在的な重複が存在するため、大陸棚限界委員会手続規則によれば「海洋紛争(maritime dispute)」が存在する、よって、大陸棚限界委員会は両国間の境界画定に影響を与えてはならない。
  2. ソマリアは、予備的情報を提出しており、大陸棚延長申請を検討している海域について更なる検討とデータが必要である。
  3. ソマリアは、イエメンと交渉を行う用意があり、交渉の結果、大陸棚限界委員会が両国間の大陸棚境界画定に影響を及さない形で両国の申請を審査できるようになるまでの間は、二国間の境界画定に影響を及ぼすいかなる行動もとらないよう要請する。

イエメンの申請のエグゼクティブ・サマリー及びソマリアが提出した口上書は、下記サイトで閲覧することができます。

2010年8月~9月に開催された第26回大陸棚限界委員会会合において、プレゼンテーションを行いました。大陸棚限界委員会は、ソマリアから提出された口上書とイエメンのプレゼンテーションの内容を検討した結果、イエメンが審査待ちの行列の先頭にくるまでの間、審査をどうするかについて後の段階で検討することにしました。2011年3月~4月に開催された第27回会合においても、審査を行うために必要な関係国の同意が得られていない状況が続いているとして、申請を審査する小委員会の設置は見送られました。

 

イエメン及びソコトラ島の周辺図

イエメン及びソコトラ島の周辺図

出典:米国商務省海洋大気庁地球物理センター(NGDC)提供のETOPO1 データ
Amante, C. and B. W. Eakins, ETOPO1 1 Arc-Minute Global Relief Model: Procedures, Data Sources and Analysis, National Geophysical Data Center, NESDIS, NOAA, U.S. Department of Commerce, Boulder, CO, August 2008.

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