大陸棚限界委員会に対する各国の申請状況

スリナムの申請(2008年)

スリナムの申請

2008年12月5日、スリナムは、国連事務総長を通じ、大陸棚限界委員会に対して申請を提出しました。スリナムが申請を提出したことは国連事務総長によって、全国連加盟国に通知され、申請のエグゼクティブ・サマリーが公表されました。フランス、トリニダード・トバゴ及びバルバドスが自国の見解を示す口上書を提出しています。

スリナムは、エグゼクティブ・サマリーの中で、以下の点を述べています。

  1. 申請海域については、スリナム・ガイアナ海盆及びデメララ海台における大陸縁辺部に沿って大陸斜面脚部を設定し、そこから延長大陸棚を設定した。
  2. スリナムの東側に隣接するフランス(フランス領ギアナ)と協議した結果、フランスはスリナムの申請に対して異議を申立てないことにつき合意している。
  3. 西側に隣接するガイアナとスリナムとの間の200海里までの排他的経済水域間の境界画定は行われており、200海里を超える部分については行われていないが、ガイアナと協議を行った結果、今回の申請について異議を申立てないことにつきガイアナより合意を得られた。
  4. 西側に位置するバルバドス、トリニダード・トバゴ及びベネズエラとも協議を行い、いずれの国よりも、異議を申立てないことにつき合意を得られた。
  5. したがって、スリナムの申請に関して紛争は存在しない。

フランス及びトリニダード・トバゴは口上書で、大陸棚限界委員会の勧告がスリナムと自国との間の境界画定に影響を及さない限り、大陸棚限界委員会がスリナムの申請を審査し勧告を行うことに異議を申立てない旨述べています。バルバドスは、自国が申請した海域と、スリナムが申請した海域との間に潜在的な重複があるので、大陸棚限界委員会の行動は境界画定に影響を及さない旨述べています。

スリナムの申請のエグゼクティブ・サマリー及び各国の口上書は、いずれも下記サイトで閲覧することができます。

2009年8月~9月に開催された第24回大陸棚限界委員会において、スリナム代表は、申請の内容についてのプレゼンテーションを行いました。2010年3月〜4月に開催された第25回大陸棚限界委員会において、スリナムの申請を審査する小委員会が設置されました。

2011年3月~4月に開催された第27回大陸棚限界委員会における全体会合において、スリナムの申請に対する勧告が採択されました。勧告の要約版が、大陸棚限界委員会の上記ページに掲載されています。

 

スリナムの周辺図

スリナムの申請

出典:米国商務省海洋大気庁地球物理センター(NGDC)提供のETOPO1 データ
Amante, C. and B. W. Eakins, ETOPO1 1 Arc-Minute Global Relief Model: Procedures, Data Sources and Analysis, National Geophysical Data Center, NESDIS, NOAA, U.S. Department of Commerce, Boulder, CO, August 2008.

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