大陸棚限界委員会に対する各国の申請状況

アルゼンチンの申請(2009年)

2009年4月21日、アルゼンチンは、国連事務総長を通じ、大陸棚限界委員会に対して申請を提出しました。アルゼンチンが申請を提出したことは国連事務総長によって、全国連加盟国に通知され、申請のエグゼクティブ・サマリーが公表されました。その後、イギリス、米国、ロシア、インド、オランダ及び日本が自国の見解を示す文書を提出しています。

エグゼクティブ・サマリーによると、この申請は、アルゼンチン本土、マルビナス諸島及びアルゼンチンが領有権を主張する南極の地域をそれぞれ基点とする大陸棚延長申請であり、アルゼンチンは、完全な申請(full submission)であると述べています。
また、エグゼクティブ・サマリーの「紛争(Disputes)」というタイトルの項目の中で、 マルビナス諸島、南ジョージア及び南サンドウィッチ諸島(Islas Malvinas, Georgias del Sur and Sandwich del Sur)並びにこれら諸島を囲む海域について、アルゼンチンは、イギリスによる1833年以降の違法占拠を決して承認していない、国連、米州機構(OAS)その他の国際機関はアルゼンチンとイギリスとの間に、これらの諸島をめぐる紛争が存在することを認めている旨述べています。

イギリスは提出した文書(2009年8月6日付)において、以下を述べています。

  1. イギリスが、フォークランド諸島、サウスジョージア及びサウスサンドウィッチ諸島並びにこれら諸島を囲む海域に対する主権を有することは明らかである。イギリスは、関係国内法にもとづき、これら諸島から200海里以内の大陸棚に対して統治を行ってきた。したがって、イギリスは、大陸棚限界委員会がこれら諸島を基点とするアルゼンチンの申請海域を審査しないよう要請する。
  2. イギリスは、南極条約及び国連海洋法条約によって共有されている原則と目的を想起し、大陸棚限界委員会が、南極地域の大陸棚に関するアルゼンチンの申請について、一定期間、行動をとらないことを期待する。

米国、ロシア、インド、オランダ及び日本は、それぞれ提出した文書において、南極条約に言及し、南極地域の大陸棚に関するアルゼンチンの申請について、大陸棚限界委員会が行動をとらないよう求める旨述べています。

アルゼンチンの申請のエグゼクティブ・サマリー、各国が提出した文書は、下記サイトで閲覧することができます。

2009年7月~8月に開催された第24回大陸棚限界委員会において、アルゼンチンはプレゼンテーションを行いました。その後、審査待ちの行列に並んでいましたが、2012年7月~8月に開催された第30回大陸棚限界委員会において、アルゼンチンの申請を審査する小委員会が設置されました。

アルゼンチンとイギリスがそれぞれ主張する海域について、ダーラム大学が作成した“Claims and potential claims to maritime jurisdiction in the South Atlantic and Southern Oceans by Argentina and the UK”というタイトルの地図が参考となります。

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