中欧非営利セクター支援

1990年代の中欧における非営利セクターの活動は、新たな国づくりと市民社会実現のために重要な役割を果たしつつあります。中でも、情報とサービスの提供は非営利セクターの活性化のために必須です。このような観点から、中欧基金では、非営利セクターの情報とサービスの提供のために設立されたチェコ非営利セクター情報センター（ICN）ならびにスロバキア非営利セクター情報センター（SAIA）の活動を1994年度から支援してきました。
チェコのICNに対しては、データベース構築事業が支援の中核となりました。この3年間で構築されたデータベースには、現在年間約7,000件にも及ぶ来訪者や問い合わせがあり、また、あらゆる分野の人々の非営利セクターに関する問い合わせに充分答えることも可能になりました。その成果をまとめたチェコ非営利団体便覧とチェコに支援する支援機関便覧は、多くの市民団体に有効に活用されています。さらに地方の要望に呼応してつくられたライブラリーネットワークは全国25ヵ所にのぼり、単に資料やデータにアクセスできるだけでなく、その場で法律／会計や、その他必要なアドバイスが受けられる態勢が整いました。
スロバキアのSAIAによるプレスモニタリング事業は、約8,000件に及ぶ非営利セクターの関連記事が収集され、スロバキアの非営利セクター強化のための重要な基礎資料となりました。また、同年に社会現象になったスロバキアの非営利セクターの法案に対する修正要求運動SOSキャンペーンの実施にデータを逐次提供し、貢献しました。さらにこのような努力の結果、非営利セクターをテーマとするジャーナリストが育成され、主要紙に非営利セクターのコラムが生まれました。