非営利セクター地方展開支援（ポーランド）

ポーランドでは、民主化革命前後からNPOセクターが発展してきました。しかし、それらはワルシャワ等、都市部に集中し、地方のNPOは取り残される傾向があります。また、NPOに関する技術、資金等の情報も都市部に集中しているのが現状です。地方のNPOは、ワルシャワのNPOセンターに情報提供、技術支援を頼ってきましたが、それにも限界があります。
そこで、地方のNPOセンターの情報力、技術力、コンサルテーション能力のレベルアップを図り、都市部のNPOセンターの水準に近づけるため、地方のNPOサービス・センターをネットワーク化し、そこから情報や各種サービスを地方のNPOに提供しようと考えました。
本事業の実施主体であるワルシャワのポズナン情報サービス・センター（SPLOT）は、ポズナン周辺の5つのサービス・センターをネットワーク化し、地方のNPOも都市部のNPOと同質のサービスが受けられるよう、これらのサービス・センターを通して情報の提供、サービス、トレーニングを行いました。
本事業の途中で地方自治法が改正され、自治体の行政区分に大きな変更があったため、当初予定していた5つに、さらに6つのNPOサービス・センターを加え、セミナー（組織運営、財務会計、人材育成、広報）や情報提供等、能力向上のための訓練を行いました。結果的に、11の地方NPOセンターがネットワークに参加することになりました。
本事業によって、次のような予期せぬ効果も生まれました。ポズナンの各地方自治体が、これらのNPOサービス・センターをパートナーとして認定し、地方自治体とNGOの協力関係をつくっていくことを約束しました。さらに、SPLOTは、ポーランド労働・社会福祉省に政策立案、実行のパートナーとして認定されました。これによって、中欧政府とNGOの協力関係の足掛かりができました。