2023.07.06
【海洋教育見聞録】アクアマリンふくしま(公益財団法人ふくしま海洋科学館)・碧南海浜水族館
この見聞録は、読売KODOMO新聞とのコラボ記事です。
アクアマリンふくしま(公益財団法人ふくしま海洋科学館)
アクアマリンふくしま入り口
[ 2023.5.30撮影 ]
ガラスでできた大きな天井。太陽の光が差し込んでいてとても美しい建物です。建物の中を進むと、はじめの部屋は一転して暗くて怖いですが、本物の化石や生きた化石といわれている生きものたちが展示されていて『海・生命の進化』を体感できます。その一番奥にはシーラカンスが2体も並んでいて大迫力!アフリカのシーラカンスとインドネシアのシーラカンスの2種類をいっしょにみられる場所は、世界でもここアクアマリンふくしまだけなんだそうです。世界で初めて、インドネシア沖で撮影されたシーラカンスの幼魚が泳いでいる映像も流れているので、この大きな2体が小さかったころを、つい想像してしまいます。
2体のシーラカンス
[ 2023.5.30撮影 ]
長いエスカレーターにゆられていれば、再び外の光に包み込まれます。福島県の川の展示を上流から少しづつ海へと進んでいくと、北からくる寒流の「親潮」と、南からくる暖流の「黒潮」とが出会う「潮目」が再現されている大水槽『潮目の海』が見えてきます。とてつもない迫力です!(読売KODOMO新聞の右側に写真が載っています)。人工の照明ではなく、自然の太陽光がサンサンと差し込んでいるから、とてもまばゆく輝いています。そして日暮れになれば、岩場に住む生きものの姿が見られます。でも、飼育員さんに聞いてみると、意外と大変なこともあるそうです。この記事を読んでいるみなさんならすぐに想像できるかもしれませんが、太陽の光が差し込むことで、水槽のお手入れが大変になるんだそうです。毎日掃除をしないと、たくさんの藻が生えてしまい、わたしたちに「見せる・魅せる」水槽ではなくなってしまいます。それだけ自然のもつ生命力は大きいんですね。
潮目の海
[ 2023.5.30撮影 ]
『ごんべえズガイド』さんの『バックヤード水槽大公開コース』にも参加してみました。このコースでは、展示される前の、飼育が難しい生きものを飼育している『水生生物保全センター』も見学できます。普段見られない場所を見られるというのは、それだけでテンションがあがります。目に留まったのは、深海魚「オグロコンニャクウオ」。なんと、このオグロコンニャクウオは、タラバガニの仲間の甲羅に卵を産みつけるそうです。深海でのできごとなので、陸上に住むわたしたち人間には到底観察することはできませんが、これから研究が進んでいけば、分からないことが分かったり、さらにまた分からないことが増えたり、生命の不思議に出会うことができると思います。
オグロコンニャクウオについて解説中
(水生生物保全センター内)
[ 2023.5.30撮影 ]
ここには書ききれないほどの秘密がたくさんあるアクアマリンふくしま。ぜひ直接行って、いろんなわくわくを発見してみてください。
そうそう!絶滅危惧種である「カッパ」の展示解説コーナーも館内のどこかにあるので、探してみましょう(笑)
碧南海浜水族館
館内の科学館エリアにて
[ 2023.6.2撮影 ]
碧南市。ここはもともと海でしたが、昭和50年代、いろいろな背景があって埋め立てられた場所。せっかく生きものが多く住んでいた場所だったから復活させようと、いろんな人たちが協力して、いまの「碧南海浜水族館」ができました。珍しい生きものだけではなく、身近で貴重な生きものを、間近でみることができるのがこの水族館のおもしろいところです。
フジツボ
[ 2023.6.2撮影 ]
たとえば、この生きものは知っていますか?正解は「フジツボ」。世界中では1000種類もいて、漁港の岸壁、潮間帯※の護岸、そして船や、クジラなどにも付着する生きものなんです。みなさんよく目にする姿は、きっとカラカラになってしまったフジツボだと思いますが、海水のなかにいる状態をみてみると、なんともいえない可愛らしさがあります。おいで、おいでと呼びかけられているような、わたしたちの身体の部位でいえば、まるで「手」。これは、「萬脚」といわれていて、エサをキャッチする役割をしているそうです。この水槽に付いている虫メガネでのぞいてみると、吸い込まれていくような感覚になります。
マアナゴ
[ 2023.6.2撮影 ]
それから「三河湾」で毎年4~6月と10~12月が漁期にあたるのが、「マアナゴ」。ウナギに似ています。ウナギは、「ウナギ目ウナギ科ウナギ属」、マアナゴは、「ウナギ目アナゴ科アナゴ属」。早口言葉みたいですね。これらは同じ「ウナギ目」ですから、実は遠い親戚ですが、海で生まれて川で育つウナギとは違って、マアナゴは一生を海で過ごします。そしてこの水槽のなかでは、こんなにも狭い土管の中でひしめき合っている状態で、なんだか窮屈そうにみえますが、館長さんに聞いてみると、実は、マアナゴは狭い狭い「密」な場所が大好きで、お互いに肌がふれると安心する性質があるそうです。この水槽内では、土管がその役割を果たしているんですね。
ビオトープ
[ 2023.6.2撮影 ]
水族館には「ビオトープ」もあります。春夏秋冬、それぞれの季節に咲く花や実、飛んでくる生きものたちが安心して集える場所になっています。だからこそ飼育員さんは、できるだけ自然に近い状態を保つために、外来生物から守ったりして、日々向き合っているそうです。いつもは水の中に立ち入ることは難しいのですが、観察会や体験活動も開催されているので、ビオトープのことをもっと知って体感できるチャンスもあります。ぜひみなさんの目と身体で、四季折々の移り変わりを観察してみてください。
ここには書ききれないほどの秘密がたくさんある碧南海浜水族館。ぜひ直接行って、いろんなわくわくを発見してみてくださいね。
※潮間帯・・・干潮のときに大気中にでて、満潮になると、海中に沈む部分。
全国の水族館(水生生物飼育展示施設)
北海道
- わっかりうむ ノシャップ寒流水族館
- 美深チョウザメ館
- オホーツクとっかりセンター
- 氷海展望塔 オホーツクタワー
- 網走市水産化学センター 川と湖の学習館
- 標津サーモン科学館
- チュウルイ島 マリモ展示観察センター
- くしろ水族館 ぷくぷく
- 北の大地の水族館(山の水族館)
- 旭川市旭山動物園
- 道の駅 厚岸グルメパーク 厚岸味覚ターミナルコンキリエ 水族館プティ
- サケのふるさと千歳水族館
- 千歳さけますの森 さけます情報館
- 札幌市豊平川さけ科学館
- 新さっぽろサンピアザ水族館
- AOAO SAPPORO
- おたる水族館
- 登別マリンパークニクス
- 室蘭民報みんなの水族館(市立室蘭水族館)
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
- 月山湖水の文化館 川雑魚水族館
- 鶴岡市立加茂水族館 クラゲドリーム館
- タキタロウ館
福島県
茨城県
- アクアワールド茨城県大洗水族館
- かすみがうら市水族館
- 牛久自然観察の森ネイチャーセンター 水辺の生きものコーナー HACOBIO
- 辰ノ口親水公園 ふるさと館 さけ展示館
- 小貝川ふれあい公園 ネイチャーセンター
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
- 鴨川シーワールド
- 千葉大学海洋バイオシステム研究センター こみなと水族館
- 犬吠埼京成ホテル ペンギンハウス
- 銚子海洋研究所 世界一ちっちゃな水族館
- 渚の駅たてやま 海辺の広場
- 手賀沼親水公園 水の館
東京都
- 東京都葛西臨海水族園
- すみだ水族館
- 東京都恩賜上野動物園両生爬虫類館 ビバリウム
- 足立区生物園
- 板橋区立熱帯環境植物館
- サンシャイン水族館
- おさかな普及センター資料館
- マクセル アクアパーク品川
- しながわ水族館
- 都立井の頭恩賜自然文化園水生物園
- よみうりランドアシカ館
- 多摩川浄水処理場内 多摩川ふれあい水族館
- 深沢小さな美術館
- 小笠原海洋センター
- 小笠原水産センター付属 小さな水族館
神奈川県
- カワスイ 川崎水族館
- よこはま動物園ズーラシア
- 横浜市立間門小学校附属海水水族館 まかどシーマリンパーク
- UNDER WATER SPACE
- 横浜・八景島シーパラダイス
- 鶴見川流域センター
- 観音崎自然博物館
- 新江ノ島水族館
- 相模原市立相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら
- 北里大学海洋生命科学部 北里アクアリウムラボ
- 箱根園水族館
新潟県
富山県
石川県
福井県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
- 熱川バナナワニ園
- iZoo
- KawaZoo
- 下田海中水族館
- 御殿場高原 時之栖 水中楽園 Aquarium
- 幼魚水族館
- 沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム
- あわしまマリンパーク
- 伊豆・三津シーパラダイス
- 東海大学海洋科学博物館
- 浜名湖体験学習施設 ウオット
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
- 城崎マリンワールド
- 猪名川町環境交流館
- 三田市有馬富士自然学習センター キッピー山のラボ
- 西宮市環境学習サポートセンター
- 甲子園浜自然環境センター ミニミニ水族館
- átoa
- いなみ野水族園 魚のおうち
- 淡水魚水族館 さかなの館 アクア東条
- 姫路市立水族館
奈良県
和歌山県
- 太地町立くじらの博物館
- 串本海中公園
- ドルフィンリゾート
- すさみ町立エビとカニの水族館
- 南紀白浜アドベンチャーワールド
- 京都大学フィールド科学教育研究センター 瀬戸臨海実験所 白浜水族館 京都大学白浜水族館
- 和歌山県立自然博物館
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
- 芦田川 見る視る館
- 福山大学内海生物資源研究所マリンバイオセンター水族館
- マリホ水族館
- 広島市水産振興センター 魚と漁業の資料展示室
- 大柿自然環境体験学習交流館 さとうみ科学館
- 宮島水族館 みやじマリン