ニュース&トピックス

ニュース&トピックス

2023.05.19

【海洋教育見聞録】岐阜市立長良西小学校

岐阜市役所から望む長良川と金華山
長良西小学校は写真中央付近、長良川の奥側
[ 2022.10.17撮影 ]

 岐阜市立長良西小学校の校区には、その学校名が語る通り清流長良川が流れている。1,300年以上の伝統を持つ長良川鵜飼が行われているその場所は、河口から直線距離で50km弱ほど離れた場所に位置する。海から遠く離れた長良西小で取り組まれている海の学習について、教諭 後藤 翔大さんにお話を伺った。

 長良西小では、“清流”長良川から流れ出るごみが、伊勢湾の入り口に浮かぶ島「三重県鳥羽市答志島」の奈佐の浜に漂着することや、海洋ごみによる問題とその解決のために努力する人々の営みを学び、自分たちに何ができるのかを考える学習を行っている。そして11月には実際に三重県の海岸でごみ拾いを行い、現地の小学校とも交流を行う。眼前の川だけにとどまらず、県を超え海まで含めた流域を捉えるこの学習は、小学5年生という発達段階にも応じるものであり、社会科の単元として長良西小のカリキュラムにしっかりと位置づいている。

自分たちにできることを発表
[ 2022.10.17撮影 ]

 数年前に学校全体でSDGsに取り組み始めたことが、長良西小で海に関する学習が始まるきっかけだったそうだ。社会科としてできることはないだろうかと調べる中でごみの問題を見つけ、現在もオンライン授業で連携する四日市大学 環境情報学部 教授の千葉 賢さんに手紙を書いたとのこと。「そう、あれは5年前の冬…」と語る後藤さんの口調は、穏やかでありつつも自信に満ちていた。

 奇しくも今日は小雨が振り続く空模様。普段は岐阜城が見下ろす金華山を包み隠している霧は、やがて森に舞い降り清流長良川となったのち、豊富な養分と共に伊勢湾に流れ込んで豊かな海を育むのだろう。その流れは、長良西小で学ぶ生徒、そして教員、市民の誇りとなって彼らの心をも豊かにしているのだ。[嵩倉美帆・赤見朋晃(海洋教育パイオニアスクールプログラム事務局)]

授業を行う後藤 翔大 教諭
[ 2022.10.17撮影 ]


【岐阜市立長良西小学校の活動】
2023年度 単元開発部門「小学校5年生 社会科「わたしたちの生活と環境」の学習 ~岐阜県の小学生が考える三重県答志島奈佐の浜の海洋ごみ問題の解決策づくり~」
2022年度 単元開発部門「小学校5年生 社会科「わたしたちの生活と環境」の学習 ~岐阜県の小学生が考える三重県答志島奈佐の浜の海洋ごみ問題の解決策づくり~」

一覧に戻る

ページのトップへ戻る