アジアにおける海賊行為と武装強盗事案の実態

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~ReCAAP2015年上半期報告書から~


上野英詞,笹川平和財団海洋政策研究所研究員

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アジア海賊対策地域協力協定 (Regional Cooperation Agreement on Combating Piracy and Armed Robbery against Ships in Asia) に基づいて設立された、ReCAAP Information Sharing Centre (ISC) は2015 年7月下旬、2015年上半期(1月1日~6月30日)にアジアで発生した海賊行為と船舶に対する武装強盗事案に関する上半期報告書を公表した。

以下は、ReCAAP 2015年上半期から見た、最近のアジアにおける海賊行為と船舶に対する武装強盗事案の状況である。

【備考:国際海事局(IMB)の同種の報告書が全世界を対象としているのに対して、ReCAAPの報告書は、アラビア海からユーラシア大陸南縁に沿って北東アジアに至る海域を対象としている。また、IMBが民間船舶や船主からの通報を主たる情報源としているのに対して、ReCAAPの情報源は、加盟国と香港の Focal PointとシンガポールにあるInformation Sharing Centre (ISC) とを結び、またFocal Point相互の連結で構成される、Information Sharing Webである。各国のFocal Pointは沿岸警備隊、海洋警察、海運・海事担当省庁あるいは海軍に置かれている(日本の場合は海上保安庁)。そして各国のFocal Pointは、当該国の法令執行機関や海軍、港湾局や税関、海運業界など、国内の各機関や組織と連携している。更に、国際海事機関(IMO)、IMBやその他のデータを利用している。ReCAAPの加盟国は、インド、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、シンガポール、カンボジア、ラオス、ベトナム、ブルネイ、フィリピン、中国、韓国及び日本の域内14カ国に加えて、域外国からノルウェー(2009年8月)、デンマーク(2010年7月)、オランダ(2010年11月)、英国(2012年5月)、オーストラリア(2013年8月)、そしてアメリカ(2014年9月)が加盟し、現在、20カ国となっている。なお、マレーシアとインドネシアは未加盟だが、ISCとの情報交換が行われている。】

1.「海賊」と「船舶に対する武装強盗」についてのReCAAPの定義

「海賊」 (piracy) と「船舶に対する武装強盗」 (armed robbery against ships) とは、ReCAAP ISCの定義によれば、「海賊」については国連海洋法条約(UNCLOS)第101条「海賊行為の定義」に従っている。

「船舶に対する武装強盗」については、国際海事機関(IMO)が2001年11月にIMO総会で採択した、「海賊行為及び船舶に対する武装強盗犯罪の捜査のための実務コード」(Code of practice for the Investigation of the Crimes of Piracy and Armed Robbery against Ships) の定義に従っている。

2.2015年上半期の発生(未遂を含む)件数

報告書によれば、2015年上半期の発生件数は106件(2014年同期90件)で、その内、既遂が100件(同81件)、未遂が6件(同9件)であった。106件の内、11件が海賊事案で、他の95件が船舶に乗り込まれた武装強盗事案であった。海賊事案は公海において航行中の船舶に乗り込まれた事案で、武装強盗事案は当該沿岸国の内水、群島水域あるいは領海で発生した事案で、当該沿岸国の主権管轄下にある事案である。

表1:過去5年間の各上半期における地域別発生件数

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出典:ReCAAP 2015年上半期報告書10頁表1より作成

表1は、過去5年間の各上半期における発生件数を地域毎に示したものである。これによれば、マラッカ・シンガポール海峡における事案が前年同期比で大幅増となっており、またベトナムでは13件も発生しており、その急増ぶりが注目される。一方、インドネシアでの発生件数が前年同期比で激減しており、また南シナ海でも大幅に減少している。

3.発生事案の重大度の評価

ReCAAPの報告書の特徴は、既遂事案の重大度 (Significance of Incident) を、暴力的要素(Violence Factor) と経済的要素 (Economic Factor) の2つの観点から評価し、カテゴリー分けをしていることである。

暴力的要素の評価に当たっては、① 使用された武器のタイプ(ナイフなどよりもより高性能な武器が使用された場合が最も暴力性が高い)、② 船舶乗組員の扱い(死亡、拉致の場合が最も暴力性が高い)、③ 襲撃に参加した海賊/武装強盗の人数(この場合、数が多ければ多いほど暴力性が高く、また組織犯罪の可能性もある)を基準としている。

経済的要素の評価に当たっては、被害船舶の財産価値を基準としている。この場合、乗組員の現金が強奪されるよりも、該船が積荷ごとハイジャックされる場合が最も重大度が大きくなる。

以上の判断基準から、ReCAAPは、発生事案を以下の4つにカテゴリー分けしている。Petty Theft事案については、基本的にCAT-3事案に類別される船舶に対する武装強盗事案と見なされるが、強盗が武装していないか、あるいは武器所持が報告されていない、そして船舶の乗組員に危害を加えていないか、あるいは危害を加えられたとの報告がない事案とされている。

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表2:過去5年間の各上半期におけるカテゴリー別既遂事案件数

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出典:ReCAAP 2015年上半期報告書9頁チャート4より作成

2に見るように、注目されるのは、2015年上半期の既遂事案100件の内、CAT-1事案が10件もあることで、後述するように、この内7件がタンカーからの積荷の石油や燃料油の「抜き取り (siphoning) 」事案で、3件が「抜き取り」未遂(ハイジャック)事案であった。報告書によれば、「抜き取り」事案は実際には8件だが、内1件については暫定的にCAT-2に類別されているが、詳細な情報が得られ次第、再評価されるとしている。

報告書によれば、既遂事案100件について、襲撃に参加した海賊/武装強盗の人数から見れば、1~6人が63件で、7~9人が17件、9人以上が2件(いずれも南シナ海での「抜き取り」事案)、報告なしが18件であった。

使用された武器のタイプについて見れば、100件の内、3分の2の64件が非武装か、報告なしであった。襲撃者がナイフと銃器で武装した事案が10件で、ナイフや長刀で武装した事案が26件であった。

被害船舶の乗組員に対する扱いを見れば、100件中、大部分の84件が負傷者なしか、負傷者が報告されなかった。しかしながら、残りの16件中、乗組員が脅迫された事案が1件、人質に取られた事案が9件(拘束は一時的なもので、襲撃者が逃亡する際に釈放)、暴行された事案が4件、救命ボートに乗せられ、船外に放擲された事案が1件、重傷を負った事案が1件あった。

経済的損失について見れば、100件の内、44件が何も盗まれなかったか、あるいは報告なしであった。積荷が盗まれた9件の事案では、8件が「抜き取り」事案で、もう1件はバージからスクラップ金属が盗まれた事案であった。他に船舶備品の盗難が29件、エンジン部品の盗難が9件、現金や乗組員の持ち物の盗難が6件あった。

そして船舶のハイジャック事案(「抜き取り」未遂事案)が3件あった。報告書によれば、その内、1件は、インドネシア船籍のケミカルタンカー、MT Rehobotoで、1月28日に北スラウェッシ沖で、ハイジャックされた。長刀で武装した8人の覆面の襲撃者が船外機付きの小型木製ボートで接近し、該船をハイジャックした事案で、救命ボートに乗せられた乗組員14人は1月31日に付近のルンベ島周辺海域でインドネシア当局に発見された。その後、該船は1,100トンのディーゼル油を積載していたが、2月23日、フィリピン沿岸警備隊にミンダナオ島周辺で座礁しているのが発見された。船名の変更や座礁による損傷はなかったが、現地住民に船舶の装備などが略奪されており、沿岸警備隊は一部を回収したが、航法設備と通信装置は発見できなかった。2件目は、1月29日未明にマレーシア籍船のケミカルタンカー、MT Sun Birdieがマレーシアのタンジュン・アヤム(南シナ海の入り口)沖でコンタクトが取れなくなった事案で、その後、マレーシアの海洋法令執行庁 (MMEA) が1月29日夜に該船を発見し、船上にいた7人の襲撃者を逮捕した。2人が船外に逃亡したが、付近の船舶に救助され、MMEAに引き渡された。該船の乗組員は11人で、700トンのMFO (Marine Fuel Oil) を積んでいた。3件目は、6月11日にマレーシア籍船のケミカルタンカー、MT Orkim Harmonyがマレーシア東岸のアウル島南西沖の南シナ海でコンタクトが取れなくなった事案で、該船は6,000 mt のULG 95(ガソリン)を積載していた。6月17日に、オーストラリアの哨戒機がタイ湾で該船を発見した。該船の船名は前後を消して、Kim Harmonに替えられていた。6月19日に、マレーシアのMMEAと海軍の艦船が該船を確保した。乗組員1人が負傷していた。同日、ベトナム沿岸警備隊が逃亡していた8人のインドネシア人ハイジャック犯を逮捕した。更に5人が積荷の買い手を求めて該船を去っていたことが判明した。

表3は、2015年上半期の既遂事案における襲撃された時の船舶の状況を示したものである。

表3:2015年上半期の航行中、停泊/錨泊中既遂事案のカテゴリー別内訳

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出典:ReCAAP 2015年上半期報告書39~59頁より作成

表3によれば、2015年上半期の既遂事案中、航行中の事案が100件中、67件で、その内、マラッカ・シンガポール海峡での事案が55件(他に未遂4件)で、2014年同期の22件(他に未遂1件)に比して激増している。既遂事案55件の内、CAT-1が2件(いずれも「抜き取り」事案)、CAT-2が8件、CAT-3が10件、残り35件がpetty theft事案であった。報告書によれば、マ・シ海峡での事案での全事案59件の内、50件がマ・シ海峡分離通航路 (TSS) の東航レーンを航行中の事案で、5件が西航レーンでの事案で、4件がマラッカ海峡での事案であった。

報告書によれば、東航レーンでの被害船舶50隻の内、ばら積み船が全体の半分強の28隻で、次いでタンカー8隻、コンテナ船6隻などであったが、特に特定の船舶が目標になっているわけではない。ReCAAP ISCは、42件の事案が2130~0530の時間帯に発生していることから、この時間帯の警戒を強めるよう、通航船舶に勧告している。一方、西航レーンでの事案5件は、目標となった船舶が全て異なっており、タグボート、タンカー、補給船、コンテナ船そして精製品タンカーであった。

マ・シ海峡での事案はほとんどがCAT-3かpetty theft事案で、未遂を含む全事案59件中、42件が乗組員に発見され、何も盗らずに逃亡している。とはいえ、ReCAAP ISCは、マ・シ海峡の事案が特に6月24日から29日の6日間に8件も発生していることに懸念を示し、沿岸国に対して合同哨戒活動の強化を要請している。また、航行船舶にも監視の強化を求めている。報告書によれば、襲撃の手口から見て、この海域では少なくとも2つの襲撃グループが活動しているという。

2015年上半期のマ・シ海峡での発生海域

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出典:ReCAAP 2015年上半期報告書14頁

停泊/錨泊中の事案で注目されるのは、13件の事案がベトナムで発生していることである。1に見るように、2014年同期では報告されておらず、またそれ以前の発生件数と比較しても、4倍増となっている。報告書によれば、13件中、12件がpetty theft事案で、1件がCAT-3事案であった。発生場所を見れば、8件が南部のヴンタオ錨泊地で発生しており、北部のハイフォンとフォンガイ周辺では5件発生している。報告書によれば、南部のヴンタオ錨泊地では、8件中、5件が0630~1610の昼間に発生しており、3件が0030~0430の深夜に発生している。北部のハイフォンとフォンガイ周辺の事案では、2210~0430の時間帯に発生しており、襲撃者は、ペンキやロープなど、換金が容易な船舶備品を盗む。ReCAAP ISCは、ベトナムの港湾当局や海洋法令執行機関に対して、監視の強化を求めている。船舶の船長や乗組員に対しても、監視の強化を求めている。

4.「抜き取り (siphoning) 」事案の状況

タンカーからの積荷の石油や燃料油を抜き取る、「抜き取り (siphoning) 」事案は、2015年上半期には8件(内1件は暫定的にCAT-2に類別)発生しており、他に3件が「抜き取り」未遂(ハイジャック)事案であった。

この種の事案は、表5に示したように、2011年4月15日の事案が初めてだが、2014年になって異常に増えているところに特徴がある。表6に示したように、2014年の「抜き取り」事案は15件で、その内、12件が既遂事案であった。2011年から2014年までの4年間で、23件の「抜き取り」事案が発生しており、その内、16件で各種の積荷油の「抜き取り」に成功しており、7件では関係各国の海洋法令執行機関のタイムリーな介入により、「抜き取り」を阻止している。

ReCAAP ISC は2014年7月に、この種の「抜き取り」事案について、Special Report on Incidents of Siphoning of Fuel/Oil at Sea in Asia と題する報告書を公表した。2015年1月には、その最新版、Special Report on Incidents of Siphoning of Fuel/Oil at Sea in Asia (PartⅡ) を公表した。

2015年上半期の発生件数は表4に示した通りだが、報告書によれば、3件の「抜き取り」未遂(ハイジャック)事案を含む、11件の襲撃の特徴は、以下のようなものであった。

まず、目標船舶の大きさについては、1,000 GTまでの船舶が2件、1,001~5,000 GTが5件、5,000 GT以上が3件、報告なしが1件であった。襲撃者の数については、7~9人が最も多く6件で、他に4~6人が2件、9人以上が2件、報告なしが1件であった。襲撃者は通常武装しており、銃器とナイフが7件、ナイフ/長刀のみが2件で、非武装/通報なしが2件であった。銃器の発砲は、乗組員の1人が負傷した6月11日のMT Orkim Harmonyの事案を除いてなかったが、2月13 日のMT Lapin の事案では、襲撃者は乗組員を縛り、爆発物を仕掛けた、動かないよう脅した後、逃亡した。爆発物はタイの爆発物処理チームが調査したが、電気回路のみで爆薬はなかった。乗組員の扱いについては、1月28日のMT Rehobot の事案では、救命ボートに乗せられ、船外に放擲された事案(その後救出された)が1件あった。襲撃者が、「抜き取り」が完了するのを待つ間、乗組員に話しかけ、次のハイジャックに勧誘する出来事もあったという。また、多くの事案では、襲撃者は、運航船社や警備当局への通報を阻止するために、逃亡する前に、襲撃船舶の通信設備を破壊している。

2015年1月の、Special Report on Incidents of Siphoning of Fuel/Oil at Sea in Asia (PartⅡ) が指摘しているように、「抜き取り」事案の襲撃グループの手口は全般的に似通っており、彼らの狙いは各種の積荷油にあり、身代金狙いで目標船舶をハイジャックしたり、人質に取ったりすること自体に関心があるわけではない。従って、この点で、これらの事案は、2012年まで猖獗を極めたソマリアの海賊の手口とは異なっている。(なお、IMBの報告書では、これらの事案は「ハイジャック」事案とされている。2015年上半期報告書は、「2015年上半期に世界で起きた13件のハイジャック事案の内、11件が東南アジア海域で発生した」と述べている。)

「抜き取り」の多発に鑑み、ReCAAP ISC は、関係当局者と協同で、対処のためのベストプラクティスに重点を置いたガイダンスを作成するとしている。

2015年上半期の「抜き取り」事案、「抜き取り」未遂(ハイジャック)事案の発生海域

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出典:ReCAAP 2015年上半期報告書20頁

表4:2015年の「抜き取り (siphoning) 」事案(含未遂事案)
2015年8月15日現在

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出典: ReCAAP 2015年上半期報告書39~59頁、IMB2015年上半期報告書28~39頁より作成。ReCAAP Incident Report, August 9, 2015.
備考*:MGO; Marine Gas Oil, MDO; Marine Diesel Oil
注:乗組員扱いなど、各事案の特記事項(以下の番号は船名の前の番号を指す)

1:本事案は、MT Rehobotoが1月28日に北スラウェッシ沖で、長刀で武装した8人の覆面の襲撃者にハイジャックされた、「抜き取り」未遂(ハイジャック)事案である。救命ボートに乗せられた乗組員14人は1月31日に付近のルンベ島周辺海域でインドネシア当局に発見された。該船は1,100トンのディーゼル油を積載していたが、2月23日、フィリピン沿岸警備隊にミンダナオ島周辺で座礁しているのが発見された。船名の変更や座礁による損傷はなかったが、現地住民に船舶の装備などが略奪されており、沿岸警備隊は一部を回収したが、航法設備と通信装置は発見できなかった。

2:本事案は、1月29日未明にMT Sun Birdieがマレーシアのタンジュン・アヤム(南シナ海の入り口)沖でコンタクトが取れなくなった、抜き取り」未遂(ハイジャック)事案である。その後、マレーシアの海洋法令執行庁 (MMEA) が1月29日夜に該船を発見し、船上にいた7人の襲撃者を逮捕した。2人が船外に逃亡したが、付近の船舶に救助され、MMEAに引き渡された。該船の乗組員は11人で、700トンのMFO (Marine Fuel Oil) を積んでいた。

3:襲撃グループは、乗組員を縛り、爆発物を仕掛けたとし、動かないよう脅した後、逃亡した。爆発物はタイの爆発物処理チームが調査したが、電気回路のみで爆薬はなかった。

5:乗組員1人、軽傷。本事案は暫定的にCAT-2に類別されているが、詳細な情報が得られ次第、再評価される。

10:本事案は、MT Orkim Harmonyが6月11日、マレーシア東岸のアウル島南西沖の南シナ海でコンタクトが取れなくなった、「抜き取り」未遂(ハイジャック)事案である。該船は6,000 mt のULG 95(ガソリン)を積載していた。6月17日に、オーストラリアの哨戒機がタイ湾で該船を発見した。該船の船名は前後を消して、Kim Harmonに替えられていた。6月19日に、マレーシアの海洋法令執行庁 (MMEA) と海軍の艦船が該船を確保した。乗組員1人が負傷していた。同日、ベトナム沿岸警備隊が逃亡していた8人のインドネシア人ハイジャック犯を逮捕した。更に5人が積荷の買い手を求めて該船を去っていたことが判明した。

12:船長と甲板員が襲撃者に殴られて負傷。該船は、3,500 mtのFuel oilを積んでいた。

表5:2011年~2013年までの「抜き取り (siphoning) 」事案(含未遂事案)

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出典:Special Report on Incidents of Siphoning of Fuel/Oil at Sea in Asia, p.9, Annex Bより作成。
備考*:MGO; Marine Gas Oil

表6:2014年の「抜き取り (siphoning) 」事案(含未遂事案)

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出典:Special Report on Incidents of Siphoning of Fuel/Oil at Sea in Asia (PartⅡ), Annex Bより作成
備考*:MGO; Marine Gas Oil, MDO; Marine Diesel Oil, ADF; Automative Diesel Fuel, MFO; Marine Fuel Oil
注:乗組員扱いなど、各事案の特記事項(以下の番号は船名の前の番号を指す)

1:船長軽傷。襲撃グループは該船の船名を書き換えなかったが、船名と船主船社のロゴマークをペンキで消す。

2:乗組員人質。

3:乗組員拘束。船名をRapiに書き換え。

4:乗組員拘束、食堂に監禁。

5:乗組員拘束、船室に監禁。

6:乗組員拘束、機関室に監禁。

9:乗組員拘束、小部屋に監禁。

10:乗組員2人軽傷。

11:乗組員を救命ボートに放擲。船名をChongli 2に書き換え。

14:乗組員1人、首を撃たれる。

15:3等機関士、死亡。

2011年~2014年までの既遂・未遂「抜き取り事案」発生海域

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Source: Special Report on Incidents of Siphoning of Fuel/Oil at Sea in Asia (PartⅡ), p.11