1. ホーム
  2. 事業紹介
  3. 事業一覧
  4. 境界地域研究ネットワークJAPANの設立

一般事業 平和と安全への努力~安全保障・平和構築

2012年
事業

境界地域研究ネットワークJAPANの設立

事業実施者 笹川平和財団
北海道大学スラブ研究センター(日本)
年数 3/3
形態 自主助成委託その他 事業費 14,500,000円
事業概要
日本の境界地域に隣接する自治体は、隣国との経済振興と国境管理の狭間で様々な政策的課題に直面しています。しかし、これらの課題は中央政府に十分に届いておらず、各自治体が実際には類似の問題に直面しているにも拘わらず、横の連携が図られていません。さらに、世界には研究者と実務家が共同で境界地域の問題を研究する学会が存在しますが、日本やユーラシアにはこのような場は未だ存在していません。
本事業は、境界地域研究者のネットワーク化に取り組んできた実施団体が、実務家間の議論の場を作り、これを日本の研究者と連携させる形で「境界地域研究ネットワークJAPAN」を立ち上げ、さらに世界の境界研究との連携を目指します。
実施計画
3年継続事業の2年目にあたる前年度は、欧州の代表的な学会であるBRIT(Border Regions in Transition)をアジアで初めて福岡・釜山へ誘致することに成功し、境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)の正式な立ち上げを行いました。最終年度となる本年度は、JIBSNの活動を本格的に始動させるとともに、BRIT第12回世界大会を福岡・釜山にて開催し、世界の境界地域研究者との協働を進めます。
  • 実務会合の開催(2012年8月、於 稚内、サハリン市)
    自治体関係者、省庁関係者等の実務家と研究者による実務会合を、稚内市とサハリン市を移動する形で2012年8月頃開催します。また、対馬市、根室市、与那国町等の自治体職員や市民の参考文献とするため、境界地域研究に関する基礎資料・図書を選定・収集します。
  • 2012年 BRIT(Border Regions in Transition) 第12回世界大会 福岡-釜山開催(2012年11月)
    境界地域研究における代表的学会であるBRIT第12回世界大会を、福岡・釜山の2都市を結ぶ形で、九州大学、東西大学(釜山)、福岡市、釜山市との共催により2012年11月13日~16日に開催します。福岡・釜山間の移動中に船上セミナーと対馬視察も企画します。欧米の研究者を中心に200名程度の参加が見込まれています。
  • 「境界地域研究ネットワークJAPAN」(JIBSN)設立1周年記念会議の開催(2012年12月、於 東京)
    JIBSN設立1年の活動の総括と本事業の最終年度の成果報告を行うため、2012年12月頃東京において会議を開催します。会議は記念講演やセミナーなど公開部分とJIBSNメンバーによる実務会合に分かれて行われます。
実施内容
3年継続事業の最終年度となる2012年度は、以下の活動を行いました。
  • 実務家会合/稚内・サハリンセミナー(2012年8月26~30日)
    昨年11月に設立された境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)の初会合として企画され、JIBSN幹事を中心に60名ほどの自治体関係者、研究者が参加しました。稚内市と稚内商工会議所の協力を得て、稚内市内でのセミナーの後、参加者はサハリンに渡り同地域の自治体関係者、研究者、経済人などと議論を行い、実務者間のネットワークが形成されました。
  • BRIT第12回世界大会におけるパネルの開催と対馬フィールドワークの実施(2012年11月13日~16日)
    助成先である北海道大学スラブ研究センターとJIBSNが招致した国際学会、BRIT(Border Region in Transition)の第12回大会が福岡と釜山を舞台に開催されました。本学会において日本の境界地域に関するパネルを企画・開催すると共に、欧州を中心とした世界各地から200名ほどが参加した対馬へのフィールドツアーを福岡市、釜山市と協力して実施しました。
  • JIBSN設立1周年記念シンポジウム/日本の国境:課題と機会(2013年1月22日)
    JIBSN設立1周年を記念し、境界地域の課題や自治体支援の枠組み作りの必要性に関するシンポジウムを東京都内において開催し、メディア関係者を中心に100名程度が参加しました。公開シンポジウム終了後は、JIBSN加盟組織関係者、個人会員が集まり翌年度以降の活動計画について協議を行いました。
事業成果
JIBSNは、前年度11月に規約や幹事組織が決定され体制の整備が進んだことを受け、本年度はセミナー、イベントなどの活動を円滑に運営し、組織として順調に活動を始動させることができました。特に、3年間の継続事業のメイン・イベントとして準備を進めてきたBRIT第12回世界大会において、国際航路と国内航路を連携させる高速船の運行を実現させ、世界の境界研究者が、日本の中でも特に隣国・近隣都市との交流が進む対馬市を視察することができたことは評価に値します。

ページトップ