2010年
事業
平和構築のための南タイ・ミンダナオの人々の連携強化
事業実施者 | 国際対話イニシアチブ(フィリピン) | 年数 | 1/3 |
形態 | 自主助成委託その他 | 事業費 | 5,253,000円 |
事業概要
南タイとミンダナオ(フィリピン)は、いずれもイスラム教徒の自治権を争点とする東南アジアの紛争地であり、直面する平和構築の課題や関係団体が取り組む活動には類似・共通点が多いものの、相互が経験共有を図る機会は限られている。両者の連携により、双方の専門家や関係機関が得るものは大きいと考えられる。特に、成熟した市民社会と高い英語力を背景に国際的アドボカシーを展開してきたミンダナオの経験は南タイの関係者にとって参考になると思われる。本事業は、二つの地域の連携を通じ、南タイの市民社会の発展と、東南アジアの平和を目指し域内で活動する市民社会の協力体制の強化を目指すものである。
実施計画
3年継続事業の1年目となる本年度は、以下の活動を行う。
- タイ国内の市民社会調査と関係団体の連携強化
4月-5月 南タイの平和構築に関わるタイの関係団体調査、これら団体との協議
5月-6月 調査結果の取りまとめ、発表 - インターンシッププログラム
4月 インターン候補者の選考、協力団体との協議
5月-10月 インターンプログラムの実施
10月-11月 インターンプログラムの評価 - 東南アジア域内の市民社会の協力体制強化
4月-5月 Asia Pacific Solidarity Coalition(APSOC)メンバーとの協議、調整
5月 Asia Pacific Solidarity Coalition(APSOC)メンバーを中心とした、平和構築分野で活動するNGO関係者の会合
6月-2011年3月 各国でのアドボカシー、キャンペーン活動の展開
実施内容・事業成果

2010年10月には、南タイの平和構築の取り組みに対し東南アジア域内の協力体制を強化する目的で、ミンダナオの中心都市の一つであるダバオにおいて国際会議を開催しました。南タイの他にも、自治権を争点に紛争を経験した、あるいは紛争継続中のアチェ、西パプア、南タイ、東チモールから市民社会関係者が参加し、紛争地の平和的解決と紛争後に民主的な統治を求めていく上での戦略や、各地域で市民社会が取り組むべき優先テーマについて議論を深めました。また、ミンダナオ滞在中の5名のインターンも、会議運営に協力しました。
インターンシップ・プログラムは次年度も計画されています。今後参加者が増え、それぞれがコミュニティに戻った後、新しい視点から活動を展開することにより、二つの紛争地の経験共有や協力関係がさらに深化することが期待されます。