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一般事業 平和と安全への努力~安全保障・平和構築

2012年
事業

南タイ・ピース・メディア・ネットワークの形成

事業実施者 ディープ・サウス・ウォッチ(タイ) 年数 3/3
形態 自主助成委託その他 事業費 8,754,577円
事業内容
南タイは、タイの多数派である仏教徒と現地では多数派を占めるイスラム教徒との民族対立を背景に現在も紛争下にあります。同地域にはウェブサイトやコミュニティ・ラジオなどオルタナティブ・メディアが多数存在し、紛争地の現状についての情報発信や異民族間の対話チャネルの提供などの活動を行っていますが、メディア間の連携や報道の質的向上の必要性が指摘されています。
 本事業は、南タイで活動するオルタナティブ・メディア28団体が初めて一堂に会して「ピース・メディア・ネットワーク」を形成し、紛争解決に向けネットワーク全体としての戦略づくりや報道の質的向上を目指す活動を支援するものです。
実施計画
3年継続事業の最終年度となる本年度は、特にラジオ・ネットワークの強化を課題に定期会合を開催し、本ネットワークの活動をもとにメディア財団設立の準備を進めます。また、昨年度開講した「ジャーナリスト講座」の実績をもとに、マレー語ニュースセンター発足も視野に入れつつ東南アジア域内のメディアとの連携強化に取り組みます。フォト・ジャーナリスト事業では、デザインや芸術などにもメディアを広げ、引き続きワークショップと展覧会、ウェッブサイト運営を行います。具体的には以下の活動を行います。
  • ネットワーク戦略策定のための定期会合の開催(於 南タイ)
    約30ある参加団体が4ヶ月に一度、計3回程度南タイにて集まり、現地情勢の分析を行いつつネットワークとしての活動戦略を練ります。このうち一回は「Media Day」と題した公開イベントとして2013年3月に南タイにて開催し、政府高官、軍関係者、地元有識者なども招き本ネットワークの社会的認知の向上を図ります。また、2013年度以降メディア財団としての活動開始を目指し、資金調達や組織ビジョンの作成など準備を進めます。
  • ジャーナリスト講座の運営(於 南タイ)
    昨年度開講した本講座では、地元ジャーナリストを対象に週1回講義を実施し、参加者による取材記事を掲載したウェブサイトの運営も行いました。本年度は、定期的に編集会議を開催し現地有識者の助言も得ながら、毎月2回講義を行うほか、2014年の「マレー語・ニュース・センター」設立を視野に入れ、マレーシアやインドネシアのメディアとの連携を進め、マレー語記事の翻訳を開始します。
  • フォト・ジャーナリスト事業
    南タイのフォト・ジャーナリストのネットワーク形成を目的に、昨年度に続き4回のワークショップと4回の展覧会(開催地:バンコクと南タイ3箇所)を開催します。本年度は、写真に加え、デザインや美術分野の芸術家との共同作業の可能性も探ります。さらに、写真を中心に発信するウェッブサイト(www.wewatch.in.th)の開発も進めます。
事業成果
和平プロセスを提唱したフォーラム<br>(於 プリンス・ オブ・ソンクラー大学)<br>c Ibrohem Masoh

和平プロセスを提唱したフォーラム
(於 プリンス・ オブ・ソンクラー大学)
c Ibrohem Masoh

南タイで活動するオルタナティブ・メディア(ウェブサイトやコミュニティ・ラジオなど)28団体が「ピース・メディア・ネットワーク」を形成し、紛争解決に向けた共通の戦略づくりや、客観的で質の高い報道を目指す活動を行う事業です。本年度は、同ネットワーク主催によるフォーラムを4回開催し、その中で和平プロセスを提唱した模様が公共テレビで放映されました。また、ジャーナリスト・スクールの受講生と指導者で創設したウェブサイトによる報道の質的向上と若手育成を目的に、新たに指導を行いました。2012年7月~ 8月には南タイにおけるワークショップでドキュメンタリー教材を2本制作したほか、これを契機として南タイの女性写真家グループが組織されました。

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