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一般事業 平和と安全への努力~安全保障・平和構築

2012年
事業

平和構築のための南タイ・ミンダナオの人々の連携強化

事業実施者 国際対話イニシアチブ(フィリピン) 年数 3/3
形態 自主助成委託その他 事業費 4,288,050円
事業概要
南タイとミンダナオ(フィリピン)は、いずれもイスラム教徒の自治権を争点とする東南アジアの紛争地であり、直面する平和構築の課題や関係団体の活動には共通点が多いものの、相互が経験知の共有を図る機会は限られています。両者の連携により、成熟した市民社会と高い英語力を背景に国際的アドボカシーを行ってきたミンダナオの経験から、南タイが学び得るものは大きいと考えられます。
本事業は、二つの地域の連携を通じて、南タイの市民社会の発展と、南タイの平和構築を支援する東南アジア域内の市民社会の協力体制構築を目指します。
実施計画
3年継続事業の2年目にあたる前年度は、南タイ紛争地域に隣接する都市ハジャイにて、ミャンマー、マレーシア、インドネシア等東南アジア各地より市民社会団体を集めて平和構築の課題をテーマに国際会議を開催しました。本年度は、過去2年間の結果をもとに、プログラムに改善を加えながらインターンシップ事業を実施し、東南アジア域内の市民社会の協力体制の強化を目指します。
  • インターンシッププログラムの継続(2回、(1) 2012年6~9月、於 ミンダナオ、(2) 2012年10~12月、於 南タイ)
    南タイとミンダナオの市民社会を担う人材を対象に、インターンシッププログラムを継続します。2012年6月~9月の4か月間、南タイから4名を招へいし、ミンダナオ滞在期間中に主に英語によるコミュニケーションと平和構築の実践例を学びます。ミンダナオからは、10月~12月までの2か月間、2名を南タイに派遣し、南タイ現地事情の理解を目指します。過去2年間の参加者の評価を参考に、インターンの選考や滞在期間中のプログラムに改善を加えます。
  • ワークショップの実施と南タイ市民社会強化(2012年7~9月、於 ミンダナオ)
    インターンシッププログラムに参加し、南タイに帰国した元インターン達の協力を得ながら、2012年7月~9月にミンダナオから専門家を計4名派遣し、人権や平和構築に関するワークショップを南タイにおいて実施します。
実施内容
  • インターンシッププログラムの継続
    2012年5月末より9月まで、南タイの市民社会団体で活動する4名をミンダナオに招へいしました。約4カ月のミンダナオ滞在中に、ダバオ市のみならずコタバト市、マラウィ市などで現地の平和構築活動の理論と実践例および英語を学びました。ミンダナオからは、2012年10月から12月までNGO活動家3名を南タイへ派遣し、南タイの市民社会団体とのネットワークづくりや各々の活動の共有や平和構築活動に関する対話を行いました。
  • ワークショップの実施と南タイ市民社会強化
    本事業を通じて過去3年間にミンダナオより派遣および南タイより招へいした元インターンのリストを作成すると共に、近況についてフォローアップを行いました。また2012年11月~12月に実施団体スタッフが南タイを計2回訪問し、元インターンが帰国後活動を行う団体を中心に、現地市民社会団体を集め「Pattani Peace and Solidarity Forum」を開催しました。同フォーラムでは、南タイの市民社会としてのアジェンダづくり「Pattani Peoples’ Peace Agenda(PPPA)」の可能性について討議を深めました。

左:南タイにおいて紛争により未亡人となった女性達を訪問<br />右:ミンダナオにおいて強制退去を受けて海上に住むコミュニティを訪問

左:南タイにおいて紛争により未亡人となった女性達を訪問
右:ミンダナオにおいて強制退去を受けて海上に住むコミュニティを訪問

事業成果
ミンダナオと南タイに派遣された7名のインターンが、両地域で展開する平和構築活動の実践例を見聞しながら、自らの地域で実施する事業の在り方を客観的に捉えなおし、再考する機会を得ました。特に、南タイからミンダナオへ派遣されたインターンが、組織化されたミンダナオのNGO活動から資金獲得やマネージメントの必要性を学ぶ機会を得ました。さらに、インターンのネットワークを中心に、この両地域の人的ネットワークが拡大されました。

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