1. ホーム
  2. 事業紹介
  3. 事業一覧
  4. アジアの平和構築と日本の役割

一般事業 平和と安全への努力~安全保障・平和構築

2012年
事業

アジアの平和構築と日本の役割

事業実施者 笹川平和財団
大阪大学大学院 国際公共政策研究科、UNIQUE ID, Inc.
年数 3/3
形態 自主助成委託その他 事業費 17,038,667円
事業概要
冷戦終結後、紛争のあり方が国家間戦争から国内の紛争へと変貌する中で、特定の地域や国家が紛争に(再び)陥らないために、平和を定着させていく「平和構築」が国際社会の課題として注目されている。当財団で紛争経験地域および紛争地域のニーズ調査を実施した結果、南タイが国際的注目度は低いものの支援の必要性が高いこと、同地域間の連携推進が各地の問題解決に大きく貢献する可能性があること、さらに、一般的に助成対象となりにくいものの、ラジオやウェブサイトなどのメディアが果たす役割と可能性が大きいことが明らかになりました。
本事業は、(1)南タイを含む(元)紛争地を中心とした国際連携の強化と、(2)アジアの平和構築に関する日本国内の関心喚起と日本人専門家の連携強化、(3)助成事業の円滑な運営を目指します。
実施計画
3年継続事業の最終年度である本年度は、以下の活動を行います。
  • 「国境と紛争(仮称)」に関するセミナー開催
    2012年11月に福岡にて開催予定のBRIT(Border Regions in Transition/境界地域に関する学会)世界大会に合わせ、南タイを含むアジア紛争地域を研究する研究者5名程度をアジア地域内外から招へいし、国境地域の紛争に関するセミナーを企画し、専門家による議論の場を設けます。
  • 専門家・研究機関の協力体制の強化
    大阪大学大学院国際公共政策研究科と協力し(業務委託事業)、アジアの紛争経験地域および紛争地域に関する情報発信のためのウェブサイトの開発と、紛争研究・平和構築分野の日本人専門家による共同研究事業を行います。さらに、昨年度上智大学アジア文化研究所への業務委託事業として実施した「アジアにおける和平交渉への日本の関与」調査の成果出版準備を行うほか、日本国内外の平和構築分野の専門家の協力体制の強化に資する活動を行います。
実施内容
  • BRIT第12回世界大会におけるパネル開催(2012年11月、於:福岡・釜山市)
    境界研究に関する第12回世界大会"Border Regions in Transition(BRIT)"が開催されるのに合わせ、東南アジアの紛争地域から3名の専門家を招へいし、"Muslim Borderlands in post 9.11 Southeast Asia"と題するセミナー(パネル)を開催しました。
  • 専門家・研究機関間の協力体制の強化
    • 大阪大学国際公共政策研究科への業務委託事業として、アジアの紛争地の定点観測及び紛争地域における平和構築の努力に関するPDF雑誌を掲載したウェブサイト「アジア平和構築イニシアチブ」を立ち上げました。
    • 2011年度に上智大学アジア文化研究所への業務委託事業として実施した「アジアにおける和平交渉への日本の関与」の調査成果の出版準備を行いました。
  • 南タイ紛争解決に関わる助成対象機関間の会議開催(2012年12月)
    当初計画では、南タイ紛争の解決へ向けた対話のための招へい事業を予定していましたが、タイにおける情勢の変化等を勘案して計画を変更し、南タイ紛争解決に携わるSPF助成対象機関及び協力機関関係者9名を東京に招へいし、今後目指すべき方向性や相互の協力関係の強化などについて協議しました。
  • 事務局の運営
    平和構築分野で実施している4件の助成事業の運営のため、現地出張と外部専門家による評価を行いました。

BRIT第12回世界大会<br />"Muslim Borderlands in post 9.11 Southeast Asia"セミナーの様子

BRIT第12回世界大会
"Muslim Borderlands in post 9.11 Southeast Asia"セミナーの様子

事業成果
2010年度より開始した本事業の本年度の成果として、日本国内の平和構築分野の専門家・研究機関の協力体制の強化を図ることを目的に、アジアの平和構築に関する情報発信を行うウェブサイト「アジア平和構築イニシアチブ」を設立しました。また、「アジアにおける和平交渉への日本の関与」の調査成果の出版原稿の準備を行いました。これは『現場<フィールド>からの平和構築論~アジア地域の紛争と日本の和平関与~』として、2013年度9月に勁草書房より刊行しました。
さらに、南タイにおける紛争解決に関連し、当財団平和構築事業の助成対象機関、協力機関関係者による会議を東京において開催し、当財団が実施する平和構築事業全体として南タイの紛争解決にどのような貢献を行っていくか、また個々の事業が果たす役割を明確にすることができました。

ページトップ