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一般事業 平和と安全への努力~安全保障・平和構築

2010年
事業

境界地域研究ネットワークJAPANの設立

事業実施者 北海道大学スラブ研究センター(日本) 年数 1/3
形態 自主助成委託その他 事業費 10,997,131円
事業内容
国境隣接地域を抱える自治体は、日本と隣国との二国間関係に左右されながら、経済振興と国境管理の狭間で様々な政策的・実務的な課題に直面している。しかし、これらの課題や自治体による施策は中央政府に届いていないほか、各自治体は実際に類似の問題に直面しているにもかかわらず、経験共有や横の連携が図られていない。また世界にはABS (Association for Borderlands Studies)、IBRU(International Boundaries Research Unit)、BRIT(Border Regions in Transition)などのように研究者と実務家が共同で境界地域問題(ボーダー・スタディーズ)を研究する場が存在するのに対し、日本や東アジア、ユーラシアには同様のものが存在しない。

本事業は、日本における境界地域研究者のネットワーク化に取り組んできた実施者が、自治体や省庁関係者など実務家間の議論の場を作り、これを日本の研究者と連携させる形で「境界地域研究ネットワークJAPAN」を立ち上げ、さらには世界の境界地域研究との連携を目指すものである。
実施計画
3年継続事業の1年目となる本年度の活動は、以下の通り。
  • 実務家会合の開催
    9月 
    第一回 東京で実務家会合の開催:(与那国町・対馬市・根室市・小笠原村等の自治体関係者、関連省庁担当者など実務家、および数人の研究者を恒常的メンバーとし、テーマに応じ専門家による発表を行う。)
    12月  
    第二回 東京にて実務家会合の開催
  • 「対馬フォーラム」の開催
    11月
    「対馬フォーラム」を対馬市で開催:(日本の自治体関係者、境界地域問題実務家の他、韓国からも自治体関係者を招へいする。)
    2011年1月 
    「対馬フォーラム」報告書の刊行
実施内容・事業成果
本年度は、実務家と研究者とのネットワークの基盤づくりを目的に、自治体関係者、関係省庁担当者、研究者を集めて2010年9月、12月の2回にわたり東京で実務家会合を開催しました。

11月12日~13日には、朝鮮通信使の歴史などで知られる境界の島、対馬で「国境フォーラムIN対馬」が開催されました(於 対馬市交流センター)。これは、北海道大学スラブ研究センターが主催し、SPFが助成する「境界地域研究ネットワークJAPANの設立」の一環として、日本島嶼学会、対馬市、九州経済調査協会の共催で実施されたものです。対馬での1日目のプログラムでは、カナダとデンマークから研究者を招き、米・カナダの国境管理やデンマーク・スウェーデンをつなぐオーレスン地域の事例が取り上げられました。また韓国研究者が釜山・福岡の広域経済圏の取り組みを紹介し、国際的な視点から対馬の可能性や課題を考える機会が提供されました。続く2日目は、釜山市および日本国内の13の自治体関係者が発表を行い、漂着ゴミなど境界自治体ならではの課題や隣国との経済・観光交流を推進する上での摩擦などについて、熱のこもった報告が行われました。2日間のプログラムには、自治体関係者、研究者、学生、メディア関係者など150名ほどが参加しました。

12月6日には、対馬での成果を東京で発表するために、「日本のボーダー・世界のまなざし~境界地域研究ネットワークの立ち上げに向けて」を開催し(於 日本財団ビル)、70名ほどが参加しました。このセミナーでは、対馬でのフォーラムに参加した自治体関係者による報告と、世界のボーダー・スタディーズを牽引する研究者による世界の事例紹介から構成されており、対馬で議論された日本の境界自治体が直面する課題を、世界的な視点で再考する場となりました。
 

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