徳島 公立 単元開発 2025年度
徳島県立小松島西高等学校
食害魚の活用と藻場の養殖とブルーカーボン DE ニッコリリレー
実施単元
1. 探究活動から実社会の実装に向けて[3年](課題研究)
2. 地域資源を活かした環境ビジネスの探究[3年](課題研究)
3. 持続可能なビジネスモデルの構築[3年](課題研究)
取り組みの概要
本校では、徳島県南部に位置する美波町を拠点として、海洋環境の保全と地域課題の解決を目的とした海洋教育の実践に取り組んでいる。近年、海藻が減少する「磯焼け」が深刻な問題となっており、その要因として食害魚による海藻の食害、地球温暖化に伴う海水温の上昇などが指摘されている。磯焼けは徳島県のみならず西日本全域で確認されており、海洋生態系の維持や漁業資源の確保の観点からも解決が求められている重要な海洋課題である。
昨年度は、美波町において藻場の現状を把握するための調査活動を行うとともに、藻場再生を目的とした取り組みを実施した。具体的には、地域資源である菌床しいたけの廃菌床と、磯焼けの要因の一つであるウニの殻を活用した肥料を企業と共同で開発し、海中へ投入する活動を行った。その結果、テニスコート約12面分に相当する藻場が再生していることを確認することができた。これらの取り組みは、地域資源を活用した海洋環境保全の事例として他地域への展開可能性を示すものとなった。
本年度は、これまでの取り組みを他地域へ広げることを目的として調査活動の範囲を拡大し、兵庫県立姫路商業高等学校の生徒と連携して兵庫県姫路市の小赤壁公園付近において海洋環境調査を実施した。調査では、実際に船で調査地点まで移動し、海中の様子を直接観察する方法に加え、企業の協力を得てAIを搭載した水中ドローンを活用した海中調査を行った。水中ドローンによる映像取得により、藻場の分布状況や海底環境を客観的に記録・分析することが可能となり、デジタル技術を活用した新しい海洋学習の実践となった。
また、本校の取り組みは地域社会からも注目され、神戸新聞や毎日新聞などの新聞社にも取り上げられた。高校生による海洋環境保全の活動が広く紹介されることで、磯焼け問題や藻場再生の重要性を社会へ発信する機会となった。
本活動を通して、生徒は海洋環境の現状を実体験として理解するとともに、地域課題を自らの問題として捉え、課題解決に向けて主体的に考え行動する力を育むことができた。また、他校や企業との協働を通して、探究的な学びや協働的な問題解決能力を高めるとともに、調査結果を社会へ発信する経験を通して社会参画への意識を高めることにもつながった。今後も地域や関係機関との連携を深めながら海洋環境の調査や藻場再生活動を継続し、持続可能な海の利用と保全について主体的に考え行動できる人材の育成を目指していく。



