熊本 公立 単元開発 2024年度
水俣市立袋中学校
袋を愛でる(ふくろをめでる)
実施単元
1.袋川に生息する生き物から袋の自然について知ろう[1学年](総合)
2.袋湾の干潟に生息している生物を調べよう[2学年](総合)
3.故郷の自然について学ぼう[3学年](総合)
取り組みの概要
袋中学校の校区には山、川、海があり、豊かな自然環境に恵まれている。学校の周辺には、環境省の重要干潟500選に選ばれた袋湾、源流から河口までの3本の川と山がある。袋湾は、生活エリアから至近距離にあるにも関わらず、絶滅危惧種が多数生息している。本校では、総合的な学習の時間において、体験的な活動を多く取り入れた環境学習を行っている。また、袋湾を守るために、年2回、袋湾の清掃活動(干潟のクリーンアップ作戦)を地域に呼びかけ、全校生徒、全職員、地域の方で清掃活動を行っている。
また、小学校から引き続き9年間を通して、水俣病をめぐる人権問題についても学習している。美しい環境が破壊され、人々の健康が奪われ、地域の人々の絆も壊された過去がある。そこから、美しい環境を取り戻し、地域の絆を取り戻した水俣の歴史を正しく学び、差別や偏見を許さない心や態度を育んでいる。ふるさとである水俣を愛し、誇りに思う生徒の育成を目指し、教育活動を展開している。
1年生では、袋川の環境調査を行っている。袋川の上流、中流、下流の水生生物を採取し、水環境調査とPH、CODパックテスト、透視度、色、においなどの科学的水質調査を行っている。また、しらす漁について、地域の方からお話を聞いた。水俣病に関する学習では、水俣市立水俣病資料館及び環境センターの見学を行い、語り部の方の講話を聞いた。
2年生では、水俣湾の干潟とそこに住む生き物を採取し、どのような生き物がいるかを調べた。それをもとに、干潟の環境について分析した。水俣病に関する学習では、校区内にある水俣病歴史考証館を見学し、講話を聞いた。
3年生では、海・山・川学校を行っている。海学校では、スキューバダイビングを行い、直接海の中の様子を観察している。山学校では、地域内の山に降った雨が浸透し、浸み出してくる様子を観察し、水の行方について考察した。川学校では、地域の方に案内をお願いし、袋湾に流れ込む川沿いを歩きながら、昔の川の様子や水の使い方について話を聞いた。毎年、学習した内容を、2メートル四方の大きな校区地図にまとめて掲示している。
また、全校生徒で胎児性水俣病患者さんの講話を聞き、交流を行った。








