プログラム概要

プログラム概要

広島 公立 単元開発 2024年度

三原市立木原小学校

木原エコプロジェクト

実施単元

1.木原の海・砂浜・島の自然を守ろう ―「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」をつくって、自分たちの思いを伝えたいー[5・6年](総合的な学習の時間)
2.木原の海・砂浜・島の自然を守ろう ― 木原の海を守る活動をPRすることを通して ―[5・6年](総合的な学習の時間)
3.木原の自然を発信する[5・6年](総合的な学習の時間)

取り組みの概要

(1)木原町にある海岸ごみの調査
本校から徒歩で15分の場所にある砂浜へ行き、海洋ごみの調査を行った。4回の調査の中で、児童が実感したのは、海洋ごみの種類と量が増え、啓発活動を実施しても厳しい現状があることであった。そこで、新しい方法で、海洋ごみを減らしたい思いを発信する必然性に気づく姿があった。

(2)「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」開設実現をPRする活動
木原の砂浜や海岸の環境改善に繋げるため、「現状をより多くの人に知ってもらうためには、学校の中に拠点をつくる必要がある。」と児童は課題意識をもった。先輩たちの学習データの存在を知り、これらを引き継ぐだけでなく、海洋ごみを減らしたい思いをより多くの人に伝えるため、「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」を開設したいという願いを児童はもつようになった。校長先生や教育委員会の方から開設許可をもらうため、自分たちの思いをプレゼンテーションする取り組みを行った。

(3)海洋ごみをアップサイクルする活動
回収した海洋ごみを「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」に展示するものとアップサイクルできるものに整理・分類していった。リサイクルごみとしてペットボトル、発泡スチロール、ビニールに分け、アップサイクルできるものを具体的に調べて、ガラスのかけらや漁網などがアップサイクルできることに児童は興味・関心を高めていった。9月よりシーグラスアートについて調べ、海洋ごみとアップサイクルをメインとして学習を進めた。

(4)海洋ごみ問題の解決にむけて活動する個人との連携
シーグラスアートの作家として活動している広島県の作家(久保知美さん)を学校に招聘し、なぜシーグラスアート作家としての活動を始めたのか、どのような思いで活動を続けているのかなどを教わった。また、実際にシーグラスを使ってキーホルダーやリース、ランプシェードなどを作り、海洋ごみをアップサイクルする方法について学ぶことができた。この活動を通して、「自分たちで作った作品を配布して、海の現状や自分たちの思いを地域の人に伝えたい。」という目的意識をもつことができた。

(5)マルシェ出店と発信
シーグラスアート作家に教わった方法で制作したキーホルダーやリース、はしおき、ランプシェード、フラワーアートをマルシェで配布した。スタッフとして参加した児童は、店を訪れた人々に活動内容や自分たちの思いを丁寧に説明し、海洋ごみの削減に向けた取り組みへの協力を仰いだ。会場の方々からは「海をきれいにする取り組みで、こんな素晴らしい作品に出合えた。」「アップサイクルを知らなかったので、勉強になった。」「地域の現状を知らなかった。もっと海岸の環境に興味をもって、ごみを捨てないようにしていこうと思う。」など意見が聞かれた。児童は、啓発活動に達成感をもつことができた。

(6)「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」開設準備
地元の海岸における海洋ごみの調査結果、リサイクルやアップサイクルの取り組み、地域マルシェでの啓発活動、先輩たちの学びを「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」オープンにどのように繋げるかを話し合った。施設のレイアウトは、「今年度の学習のまとめ」、「木原の砂浜 海岸の海洋ごみの調査結果」、「学習スペース」、「先輩たちの学び掲示」、「低学年生活科コーナー」、「中学年総合的な学習の時間コーナー」に決定した。1・2月の学習では、ミュージアムとなる空き教室の整備やそこに展示する資料の準備や整理を行った。3月の施設開設と地元の海や水辺の環境改善への啓発活動に向けて、目的意識をもった学習活動とすることができた。

(7)「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」オープンと地域への発信
学年末の最後の参観日では、「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」で1年間の学習のまとめを発表した。また、3月14日には、保護者や地域住民の方々へ児童のプレゼンテーションをもとに「木原水辺の自然・ふれ愛ミュージアム」のオープニングセレモニーを開催した。保護者から「卒業生の学びが生かされていてうれしい。」「毎年、学んだことが更新されるシステムがすばらしい。」と意見をいただいた。地域住民の方からは、「SDGsの取り組みが具体的で、展示品や掲示物で学びの足跡がよくわかる。」「次年度も年度末にこのような機会を設けてほしい。」等ご意見をいただいた。次年度には、三原市や広島県全体へ情報発信したいという見通しを5年児童は現在考えている。今年度の学びを繋げ、深化した内容の学習活動を計画していくこと、また、その内容をどのような形で発信していくかについては、今後の課題である。

01海洋ごみの調査1
02海洋ごみの調査2
03マルシェ出店
04啓発しおり
 

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