プログラム概要

プログラム概要

岐阜 公立 単元開発 2024年度

岐阜市立長良西小学校

小学校5年生 社会科「わたしたちの生活と環境」の学習 ~岐阜県の小学生が考える三重県答志島奈佐の浜の海洋ごみ問題の解決策づくり~

実施単元

1. わたしたちの生活と環境[5年](社会)
2. わたしの生活とSDGs[5年](総合的な学習の時間)

取り組みの概要

第5学年社会科の「わたしたちの生活と環境」の単元において,海のない岐阜県の小学生が考える三重県吉崎海岸の海洋ごみ問題の解決策づくりの学習を行った。2050年には,海洋ごみの重量が海に住む魚の重量を超えると予想されている海洋ごみ問題。この問題は,海に面している自治体や,一つの国だけで解決できる問題ではない。また,身近な長良川が流れ込む伊勢湾でも同様に,海洋ごみ問題は深刻な問題である。その伊勢湾の中でも,四日市公害の被害が深刻であった磯津の隣に位置しながらも,2023年10月に,環境省から,自然共生サイトに認定された吉崎海岸に焦点を当て,四日市公害を乗り越え,自分たちの生活や環境を守ろうとする四日市市の人々を取り上げる。そこで,海がない岐阜県の小学生でも自分事として問題を捉え,問題解決に向けて自分なりの関わり方ができるように,全9時間の単元を構成し,授業を行った。

単元前半では,四日市公害について学習し,おおむね解決に向かっている中で,今も活動している人の思いから,公害の及ぼす影響について理解するとともに,公害防止の継続的・協力的な取組の重要性という概念的な知識を獲得する。さらに,活動している人の思いから,新たに問題となってきている海洋ごみ問題に着目し,「海洋ごみから,四日市市の未来や,生物を守ることはできるのだろうか。」という問いを見いだす。その中で,海洋ごみ問題の深刻さや,岐阜県にも大きく関係していることを理解できるようにする。

また,単元後半では問いについて社会的事象の見方・考え方を働かせ,既習事項や生活経験を基に,他者と協働しながら,追究するなかで,自分なりの解決策を考え,自分の生活と関連付けられるようにする。

実際の授業では,「アップサイクルアートで海洋ごみ問題を多くの人に知ってもらう」や「ごみ出しの時には,ネットをかけたり,口をしっかりしばったりして,飛ばされないようにする」,「自分が長良川でごみ拾いをする」「自分たちの通学路で落ちているごみを見つけた日はひとつでも拾う」などの解決策が出た。子供たちは,解決策の有効性や実現可能性について,仲間と議論をし,自分の考えを深めることができた。写真は,第9時での仲間と解決策を議論し合う中で,ゲストティーチャーとして来ていただいた四日市大学環境情報学部千葉賢教授や,四日市ウミガメ保存会下田菜生会長らと意見を交わしたり,質問したりしながら考えを作る姿である。授業後には,長良川清掃に参加したり,公園の清掃ボランティアを手伝ったりする姿などがあった。

総合「わたしたちの生活とSDGs」 全5時間
四日市大学環境情報学部千葉賢教授,四日市ウミガメ保存会の協力をいただき,三重県四日市吉崎海岸にて海岸清掃を実施した。当日の子供たちは,実際に長良川と伊勢湾がつながっていることや,ごみ拾いの大変さ,マイクロプラスチックの回収の難しさを体験的に学ぶことができた。また,流木の多さにも驚き,林業との関連も改めて感じていた。社会と総合の教科横断的な学びの成果である。

1授業時の様子
2海岸清掃の様子
1授業時の様子
2海岸清掃の様子
1授業時の様子
2海岸清掃の様子
1授業時の様子
2海岸清掃の様子
 

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