東京 公立 単元開発 2024年度
新宿区立富久小学校
干潟から考えるSDGs(海ごみゼロ作戦)
実施単元
1.GODACから学ぶSDGs[3年](総合的な学習の時間)
2.地域のプラスチックごみの現状を知る。親子で行う地域清掃[3年](総合的な学習の時間)
3.葛西臨海水族館から学ぶ海の危機とマイクロプラスチック採取(海洋実習)JICA地球広場の見学(SDGsを学ぶ)[3年](総合的な学習の時間)
4.干潟から考えるSDGs。 干潟の観察と海岸清掃(海洋実習)[3年](総合的な学習の時間)
5.南房総のビーチコーミング(海洋実習)[3年・6年](総合的な学習の時間)
6.エコプロ2024。環境展示会で企業や団体の取り組みを取材する。[3年・6年](総合的な学習の時間)
7.南極教室(ミサワホーム)・南極の環境問題を知る(特に海ごみ)[3年]
8.新宿区環境学習発表会での成果発表とGODACへの学習報告[3年](総合的な学習の時間)
9.水族館新聞を作ろう。海の魅力を広げるために水族館に興味を持ってもらう新聞を作成する。[3年](総合的な学習の時間)
取り組みの概要
干潟を海との出会いの場としてとらえ、干潟を調査することで海に迫る危機を知り、自分たちにできる解決策は何かを1年間を通して実践してきた。当初計画では6年生及び委員会での実施を計画していたが、海洋教育主担当者の担当学年との関係から、今年度は3年生を主な対象とすることとした。3年生は総合的な学習の時間、探究的な活動への出会いに当たる学年でもあることから、特に体験を通して学ぶことを重点に学習展開を考えた。学習の初めに沖縄県にある海洋情報センターGODACの研究員の方から海に迫る危機について教えてもらう学習を設定した。GODACには担当者が連携協力と学習資料の選定のために訪問し打ち合わせを行っているため、学校側の要望に沿った形で学習を組み立てて頂けている。GODACの学習の中では特に海洋プラスチックごみの問題が大きく取り上げられており、児童も主要なテーマとして捉えることになった。そこで、地域のプラスチックごみの現状を知るべく、親子参加型の地域清掃を実施することで、地域の現状を親子で考える学習を設定した。地域清掃では多くのプラスチックごみを回収する結果となり、児童にとっても大きなインパクトを与えていた。GODACの学習で陸地のごみは川を通って最終的には海に流れ込むことを知った児童の関心は海に向かうことになり、葛西臨海水族園での講義に進むこととした。また、葛西海浜公園西なぎさでマイクロプラスチックの採集も行い、多くのマイクロプラスチックを発見することとなった。さらに学校近隣にあるJICA地球広場においてSDGsについて学ぶ機会を得た。
マイクロプラスチックを減らすためには捨てられているごみを減らす必要があると考えた児童は、次に実際に葛西海浜公園西なぎさにおいて海岸清掃と干潟の観察に取り組んだ。海岸でも干潟でも多くのプラスチックごみを収集することとなり、課題の大きさを痛感することとなった。
他の学年にもこの状況を知ってもらいたいと考えた児童は6年生と一緒にビーチコーミングに取り組むこととなった。千葉県大房岬にある千葉県自然の家のスタッフに協力いただき、東京湾の入り口にあたる場所でプラスチックごみの現状を調査した。その結果美しい南房総の海にも多くのペットボトルやプラスチックごみ流れ着いていることを確認できた。
自分たちにできる解決策は何かを考える上で、現在行われている取り組みを知ることは重要である。そこで、環境学習コンテンツであるSDGsラジオでの調査や環境展示会であるエコプロ2024に参加し企業や団体の活動を調査することで解決策のヒントを得ることとした。また、ミサワホームによる南極教室に参加し、南極の環境問題について質問をする機会を得た。
こうした1年間の活動を受けて自分たちが考えたことを、新宿区環境学習発表会で他校や区内、保護者に向けて発信した。また、学習の成果報告をGODACに行うとともに、多くの人に海に関心を持ってもらうために全国の水族館を紹介する水族館新聞を作成し発信を行った。









