岩手 公立 単元開発 2024年度
釜石市立釜石小学校
サケの学習を通して学ぶ地域文化の継承と海洋環境
実施単元
1.学ぼうWorkin 釜石[6年](総合)
取り組みの概要
1.サケの学習会
田村直司氏(岩手大学産学官連携専門員)、三谷守氏(岩手大学大学院生)を招聘し、サケの学習会を行った。最初に三谷氏から、「サケの一生」という演題で、サケの産卵や孵化から成魚として戻ってくるまでの回遊ルート、母川回帰の習性について説明を受けた。次に田村氏から「サケを獲る定置網と流通」という演題で、釜石湾での定置網の仕掛けの映像をもとに、定置網に魚が入る仕組みや採捕した魚が市場に運ばれるまでの様子について学んだ。児童は、サケが産まれた川に戻ることができる理由や、サケの回帰率の低さに驚きを感じ、身近な魚であるサケについて学びを深めることができた。
2.新巻きザケづくり体験
宮田小百合氏(岩手県水産技術センター職員)に依頼し、新巻きザケづくり体験を行った。最初に宮田氏による説明と実演により作業内容を確認し、(1)ぬめりとり、えら・内臓の除去(2)血合いの除去と洗浄(3)施塩(4)漬け込みの順で作業を行った。その後、齊藤孝信氏(岩手大学釜石キャンパス特任専門職員)による説明を受けた。温暖化の影響で県内産のサケの入手が困難であること、地域に古くから伝わる新巻きザケづくりは、先人たちの知恵により受け継がれてきたものであることを知り、サケの回帰率と環境との関わりや地域文化の継承という観点から貴重な体験となった。
3.魚市場についての学習
齊藤孝信氏(岩手大学釜石キャンパス特任専門職員)を招聘し、「サケの流通」をテーマに、定置網によるサケ漁の様子について前々回の動画を基に、確認した。その後、齊藤氏が11月に撮影した釜石魚市場の水揚げ及び競りの様子を動画で視聴した。競りや魚の流通の仕組みについての説明に加え、海水温上昇による魚種の変化に触れ、従来釜石の近海では獲れない魚が網にかかることが多くなっているが、見慣れない魚のため食卓に上ることもなく未利用魚として扱われていることを知り、海の資源の有効活用のためにもその利用方法を今後考えていく必要があることを学んだ。





 
       
      








