熊本 公立 単元開発 2023年度
水俣市立袋中学校
袋を愛でる(ふくろをめでる)
実施単元
1.袋の川に生息する生き物から袋の自然について知ろう[1学年](総合)
2.袋湾の干潟とそこに生息している生き物を調べよう[2学年](総合)
3.ふるさとの海・山・川のよさを発見しよう[3学年](総合)
取り組みの概要
袋中学校の周辺には、環境省の重要干潟500選に選ばれた袋湾、源流から河口までの3本の川と山がある。袋湾は、生活エリアから至近距離にあるにも関わらず、絶滅危惧種が多数生息する。袋中学校では、総合的な学習の時間において、体験的な活動を多く取り入れた環境学習を行っている。また、袋湾を守るために、年2回袋湾の清掃活動(干潟のクリーンアップ作戦)を地域に呼びかけ、地域の方と一緒に全校生徒で清掃活動を行っている。
3年間を通じて、水俣病をめぐる人権問題についても学習している。美しい環境が壊され、人々の健康が奪われ、地域の絆も壊された過去がある。そこから、美しい環境を取り戻し、地域の絆を取り戻した歴史を正しく学び、差別や偏見を許さない心や態度を育んでいる。ふるさとである水俣を愛し、誇りに思う生徒を育成している。
1年生では、袋川の環境調査を行っている。袋川の上流、中流、下流水生生物を採取し、水環境調査とPH、CODパックテスト、透視度、色、においなどの科学的水質調査を行っている。また、しらす漁について、地域の方からお話を聞いた。水俣病に関する学習では、水俣市立水俣病資料館の見学と学校に語り部の方から講演を聞いた。
2年生では、水俣湾の干潟とそこに住む生き物を採取し、どのような生き物がいるかを調べた。それをもとに、干潟の環境について分析した。水俣病に関する学習では、校区内にある水俣病歴史公証館を見学し、講話を聞いた。
3年生では、海・山・川学校を行っている。海学校では、スキューバダイビングを行い、直接海の中の様子を観察している。山学校では、地域内の山に降った雨が浸透し、浸み出してくる様子を観察し、水の行方を考える。川学校では、地域の方に水先案内をお願いし、袋湾に流れ込む川沿いを歩きながら、昔の川の遊びや水の使い方について話を聞いた。毎年、学習した内容を校区の大きな地図にまとめ掲示している。
水俣病に関する学習では胎児性水俣病の患者さんと交流を行った。
提出物
学習内容報告書「袋の川に生息する生き物から袋の自然について知ろう」 PDF形式(897KB)
学習内容報告書「袋湾の干潟とそこに生息している生き物をしらべよう」 PDF形式(647KB)
学習内容報告書「故郷の自然について学ぼう」 PDF形式(729KB)