高知 公立 単元開発 2023年度
宿毛市立咸陽小学校
自分がすき 友達がすき 故郷(ここ)がすき ~この海を守り継ぐために~
実施単元
1. ぼくらは海の探検隊 ~ぼくらの遊び場宿毛湾~【海に親しむ】[3年](総合)
2. ぼくらの海を ~知りたい 伝えたい~【海を知る】[4年](総合)
3. 広がれ 宿毛の魚プロジェクト ~人と海のつながりを見つめて~【海を利用する】[5年](総合)
4. 砂浜清掃プロジェクト ~脇本の浜から宿毛湾の環境を考える~【海を守る】[6年](総合)
取り組みの概要
本校は、2020年度から3年間プログラムを行い、1年おいた今年度、人が変わってもカリキュラムが止まらないよう、また、推進できるように総合的な学習の時間のカリキュラム使って子ども達の身近にある「海」を中心として学習を行ってきた。
1年生では、学校周辺の公園に出かけて遊んだり、季節の移り変わりを肌で感じたりする活動を通して地域の人や物に出会わせてきた。
2年生では、町探検に出かけ、地域で生活している人や働いている人と関わる中で、その人たちの思いや工夫などに気付かせた。その中で、海で働く人にもインタビューして海への関心を持たせ、次年度からの総合的な学習につなげるように仕組んだ。
3年生では、「海に親しむ」をテーマとして、「僕らは海の探検隊」と題して、子どもたちと海を結びつける活動を行った。人間生活と海との接点である干潟に目を向けさせ、生き物に触れる活動をしたり専門家とともに調査活動を行ったりすることで、子どもたちが海に親しみを持てるようにする。また、海辺で触れた生き物についてまとめたり、採取した生き物を標本にしたりしながら海への関心を高めていった。特に貝類を中心として調査活動を行い、捕まえた生き物は、専門家と一緒に調べたり、標本を作ったり展示方法を考えたりしてきた。身近な海を通したこの調査の一連の活動が、本校の系統的に海洋教育を進める学習活動の入り口としている。
4年生では、「海を知る」をテーマに単元を構成した。本校の校区周辺には古くからある「藻津漁港」、平成になって完成した「宿毛新港」、地域の漁業の中心である「片島漁港」、平成になり地域の漁港の水揚げを集約するために出来た「すくも湾漁港」などがある。それぞれの港の特徴や役割を調べる活動を通し比較・整理していくことで、宿毛湾の恵みを中心に人々が港を利用し生活の糧としてきたことを子ども達と共に学習した。また、また、校区にある松尾峠(お遍路道)にも登り宿毛湾全体を見渡し、その魅力も体感させた。
宿毛湾は県内でも有数の養殖業が盛んな地域である。そこで、5年生では「海を利用する」をテーマに学習を行った。本年度も、漁業普及指導員を講師として招きいろいろな漁法、餌や魚の種類、出荷方法等に目を向けさせた。餌に関わる仕事についてさらに深めるために校区内にある餌工場を見学した。餌の変化によって宿毛湾の環境及び水質が変化してきたことや食の安全を考えていかなければならないことも学習した。これらの学習は、宿毛湾で盛んな養殖業を環境や安全の視点から見つめることに繋がり、その重要性を認識することに繋がった。社会科との関連を図り国内の水産業の漁獲高にも目を向けさせ、日本の漁業が置かれている現状についても考えさせた。
6年生では、これまでの学年のまとめとして「海を守る」をテーマに活動を行った。全校で遠足にも行き3年生が活動を行った脇本の浜辺に打ち上げられているゴミを拾う活動からそのゴミ問題等を探究していく中で、海は誰かが守ってくれるものではなく海を守るのは自分自身であるということを意識づけてきた。また、海に打ち上げられたゴミは自分達の生活と密接に関連していることを学んだ。また、講師の黒潮生物研究所の方から、宿毛湾は「黒潮」による海の恵み、豊かな自然や海産物が豊富であることや海洋問題や「サンゴの保全活動」についての話を聞いた。自分たちの生活や自分たちにできることについて自分事として海洋問題を深く考えることができた。この宿毛湾を守り継ぐために自分たちに求められること、食物連鎖の頂点に立つ人間にはどのような行動が求められるのかを考える機会となっている。
提出物
学習内容報告書「「ぼくらは海の探検隊 」~ぼくらの遊び場 宿毛湾~」 PDF形式(400KB)
学習内容報告書「ぼくらの海を ~知りたい 伝えたい ~」 PDF形式(408KB)
学習内容報告書「広がれ 宿毛の魚プロジェクト ~人と海の繋がりを見つめて~」 PDF形式(429KB)
学習内容報告書「砂浜清掃プロジェクト ~脇本の浜から宿毛湾の環境を考える~」 PDF形式(413KB)