プログラム概要

プログラム概要

岩手 公立 単元開発 2023年度

釜石市立釜石小学校

ワカメ養殖の学習を通して育む海洋資源・環境への興味喚起と郷土愛の醸成

実施単元

1. 学ぼうWorkin釜石[6年](総合)

取り組みの概要

1.ワカメについての学習
齋藤孝信氏(岩手大学釜石キャンパス特任専門職員)と、田村直司氏(岩手大学産学官連携専門員)を招聘し、ワカメの一生、分布、生産量、生長に必要な環境条件、養殖の工程、ワカメの塩蔵加工について学んだ。その後、塩蔵ワカメの芯抜き体験と試食を行った。学習会の中で、ワカメは海中の栄養分で成長し、その栄養分は河川からも流れ込むことを知った。そのため、豊かな森をつくることが栄養分豊富な川をつくることにつながることを学び、環境の保全が大切であると知ることができた。

2.ワカメの種付け体験
地域の漁師の協力を得て、ワカメの種付け作業として、浮球をつないだロープにワカメの胞子がついた種糸を巻き付ける作業を体験した。昨年に比べやや遅い時期の実施になった理由として、夏の高温の影響で海水温が高い状況が続き、ワカメの生育条件として適していないことを知り、水産資源を育てるためには様々な諸条件が整う必要があることを学んだ。また、齋藤孝信氏の説明の中で、釜石湾は甲子川や鵜住居川等の栄養豊かな水が流れ込む環境に恵まれた条件を生かし、養殖を行っていることを学んだ。地域の豊かな環境によって水産資源が育まれ、基幹産業として地域経済を支えており、これからのまちづくりのために自然豊かな環境を守ることの大切さを知ることができた。

3.早採りワカメを食べる
齋藤孝信氏を招聘し、ワカメの間引きの様子について映像による学習を行った。その中で、過去の海水温のデータと今年の海水温を比較し、今年は海水温が高い状態が続いているため、ワカメの生育に影響が出ていることを学んだ。海水温の上昇のため親潮が岩手県沿岸まで流れてこないこと、高温による水不足のため、森の栄養分が川に流れ込まないこと、という豊かな海づくりに必要な2つの要素が欠けているという状況で、海にとって深刻な状況が続いていることを学んだ。早採りワカメは、養殖の過程で間引いたワカメを「早採りワカメ」として商品価値を付け利用しているものであるが、間引きが必要なくらいにワカメが生長しておらず、今回は、間引きしたワカメでなく、養殖途中の貴重なワカメを分けていただいて、試食体験をした。そんな厳しい海況の中でも数か月の間に60cm位まで生長したワカメを実際に目にして、地域の自然の豊かさを再確認する機会となった。

ワカメの芯抜き体験
ワカメの種付け体験
ワカメの学習会
早採りワカメの試食体験

提出物

学習内容報告書「学ぼう Workin 釜石」 PDF形式(479KB)

 

一覧に戻る

ページのトップへ戻る