笹川平和財団主催「日本の戦略的水平線の拡大と日米対話」プロジェクト成果発表会開催のご案内
パワー・シフトとグローバル化時代の生き方を考える「ルール推進国家・日本の安全保障」（2011.10.7開催）

　笹川平和財団では、「日本の戦略的水平線の拡大と日米対話」事業の成果報告会を、10月７日（金）に下記の通り開催いたします。

　同事業では、日本人若手研究者５名からなる研究会（主査：森聡　法政大学教授）を通じて、2009年度から２年間にわたり中・長期的将来を見据えた日本の国家安全保障戦略について調査・研究を行いました。日米を中心に数多くの専門家のご協力を得て、その報告書が完成し、このたびアメリカから３名の著名な専門家（ジェームス・クラスカ氏／米海軍大学、アブラハム・デンマーク氏／海軍分析研究所(CNA)、ヤクブ・グリギエル氏／ジョンズ・ホプキンス大学）を迎えて、成果発表会を開催する運びとなりました。
　
　日本を取り巻く国際環境は、新興国へのパワー・シフトとグローバル化の波の中でめまぐるしく変化しています。しかし、日本には政治の混迷、財政上の問題等による国内的な制約があり、アメリカも類似の難題に直面しています。それでは、日本は長期的な視野から、いかなる国家安全保障戦略を描き、国益を守るべきなのでしょうか。本研究では、（1）日本の利益の所在の地理的広がりを再確認し（死活圏、戦略的水平線という２層を設定します）、（2）その利益に対して想定され得る挑戦をシナリオ・ベースで検討し、国益へのインパクトの大きさという観点から対処すべき課題に優先順位をつけ、（3）防衛、日米同盟をはじめとする第三国との安保協力、外交・国際協力をいかに組み合わせて対処すべきかを提言します。ここで浮かび上がってくるものは、防衛面での努力に加え、新興国と先進国との間でルールの共有や規範形成をできる限り推進して、国際システムに少しでも正統な秩序をもたらしうる取り組みを展開する、日本の新しい国家安全保障戦略です。

　本成果発表会では、最終報告書をもとに、日本にとって優先順位が高いと考えられる安全保障上の課題を中心に事業の研究成果を発表し、活発に議論を行いたいと存じます。多くの皆様のご参加をお待ちしております。