プログラム概要

プログラム概要

広島 公立 単元開発 2023年度

三原市立木原小学校

木原エコプロジェクト

実施単元

ストップ海洋ごみ[5・6年](総合的な学習の時間)

取り組みの概要

[1]木原町海岸での海洋ごみ調査
本校から徒歩15分ほどの砂浜へ行き、マイクロプラスチックの調査を行った。砂浜の砂をすくい、園芸用のふるい(ざる)を使用すると、発泡スチロールがバラバラになった後の粒などのマイクロプラスチックを回収することができた。一見するときれいに見える砂浜でも、実は多くの海洋ごみが隠れていることを体験的に学ぶことができた。また、この活動を通して、「どうすれば海洋ごみを減らすことができるのか」という問題意識をもつことができた。

[2]幸崎町久和喜海岸での生物調査
本校からバスで30分ほどの砂浜へ行き、生物調査を行った。調査には海洋生物に詳しい講師(岡田和樹さん)を招き、ヤドカリ・貝・エビ・アマモなどの動植物がどのような環境の下で育っているのかを学ぶことができた。また、海洋ごみによって海の動植物にどのような影響があるのかについても話を聞くことができた。なお、この活動には学校行事の一環で三原市を訪問していた島根県奥出雲町立鳥上小学校の児童にも同行してもらい、瀬戸内海の美しさ・すばらしさ・現状について発信することができた。

[3]木原町でのごみ拾い活動
木原町海岸および久和喜海岸における海洋ごみの学習を通して、どうすれば海洋ごみを減らすことができるのか考えた結果、「町の中で見つかるプラスチックごみはいずれ海に流れ着くため、自分たちの手で拾うことで未然防止につなげよう」という案が児童から出された。ごみ拾い活動実施後には、拾い集めたごみを魚や海藻に見立てて並べ、水族館を表現するというアートにまとめ、作品を鑑賞した人が海洋ごみなどに関心をもつことができるようにした。

[4]保護者や地域からのリサイクルごみ回収
リデュースやリサイクルの意識を高めることが海洋ごみ削減につながることに気付いた児童は、保護者や地域へリサイクルごみの回収を呼びかけることにした。木原海岸でのごみ調査でも多く見られたペットボトルや缶などを回収する旨をポスターにまとめ、地域の家々を一軒一軒訪問してリサイクルへの協力を依頼した。また、集めたごみの回収を広島県府中市の企業(オガワエコノス)に依頼することで、協働的な学びにつなげることができた。

[5]リサイクルの実際を学ぶための工場見学
リサイクルごみ回収の協力企業であるオガワエコノスの工場を見学し、リサイクル工程やごみの分別がもつ意味、リデュースの重要性などについて学ぶことができた。自分たちが主体となって回収したごみがどのように姿を変えていくのかを知ることで、リサイクル活動を継続していきたいという思いをもつことができた。また、同じような思いをもった人や企業が様々なフィールドで活動していることを知ることで、自分たちの活動の社会的意義を感じることができた。

[6]海洋ごみ問題の解決に向けて活動する個人との連携
海洋ごみの一つであるシーグラスを用いた作品を扱う作家(久保知美さん)を学校に招き、なぜシーグラスアート作家としての活動を始めたのか、どのような思いで活動を続けているのかなどを教わった。また、実際に自分たちが拾ったシーグラスを使ってキーホルダー作りを行い、海洋ごみのアップサイクルする方法について学ぶことができた。この活動を通して、「自分たちで作った作品の配布を通して、海の現状や自分たちの思いを多くの人へ伝えたい」という目的意識をもつことができた。

[7]マルシェ出店と発信
シーグラスアート作家に教わった方法で制作したキーホルダーに、活動内容などを記したリーフレットを同封したものをマルシェで配布した。スタッフとして参加した児童は、店を訪れた人々に活動内容や自分たちの思いを丁寧に説明し、海洋ごみの削減に向けた取組への協力を仰いだ。店先に設置したアンケートボックスには、「子どもたちが真剣に取り組む様子を見て自分たちも生活を見直さなければいけないと感じた。」という反応があった。

ごみ拾いの回収物
海岸でのマイクロプラスチック調査
シーグラスアート作家との学習
マルシェ出店に向けた話し合い
マルシェ出店

提出物

学習内容報告書「ストップ海洋ごみ アートで守ろう「水辺の自然」」 PDF形式(436KB)

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