大陸棚限界委員会とは?

大陸棚限界委員会の任務

大陸棚限界委員会は、沿岸国が提出したデータを検討し勧告を行うこと、及び沿岸国からの要請がある場合にはデータの作成に関して助言を与えることを任務としています(国連海洋法条約附属書II 第3条)。沿岸国が提出するデータのうち、機密扱いに指定したものについて、大陸棚限界委員会の委員は守秘義務を負います(大陸棚限界委員会手続規則附属書II)。 また、大陸棚限界委員会の会合は通常、非公開で行われます(大陸棚限界委員会手続規則第23条)。

また、大陸棚限界委員会の任務は、200海里を超える大陸棚の延長に関するデータを検討し勧告を行うことであるため、二国間の大陸棚の境界画定やその他の紛争については、検討の対象となりません(国連海洋法条約第76条10、及び附属書II第9条)。(この点について、「近隣諸国の大陸棚との関係」を参照。)

これまでに大陸棚の延長の申請を行った国は、近隣諸国との境界画定が未解決の海域を除いて申請をしたり(部分申請)、申請を提出する前に事前に近隣諸国と話し合いをして、境界画定が未解決の海域については大陸棚限界委員会が影響を与えないことを確認した上で、申請を提出したりしています。また、近隣諸国が共同で、一つの申請を行うこともできます(共同申請)。(部分申請や共同申請の例については、「各国の申請状況」を参照。)

大陸棚限界委員会は、 国連海洋法条約の締約国(2013年2月5日現在165カ国)の選挙によって、地理的配分に考慮を払って選ばれる21名の専門家(地質学、地球物理学、水路学のいずれかの分野)から構成され、委員の任期は5年で再選可能です(国連海洋法条約附属書II 第2条)。
最初の選挙は1997年3月に行われ、同年6月より委員会は任務を開始し、その後、2002年、2007年、2012年にそれぞれ選挙が実施され、現在は 第4期の委員が任務にあたっています。地理的配分は、国連の慣例に従い、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ及びカリブ、東欧、西欧その他という配分になっています。
日本からは、 第1期以降一貫して委員が選出されており、玉木委員(東京大学大学院工学系研究科教授)が2007年に再選を果たし、第2期に引き続き第3期も委員を務めておられましたが、玉木委員は、第27回大陸棚限界委員会の会合中にニューヨークにおいて急逝されました。(大陸棚限界委員会議長ステートメント(CLCS/70)参照) 玉木先生のご冥福をお祈り申し上げます。

玉木委員の逝去に伴い、大陸棚限界委員会に空席が生じたため、その空席を補充するための選挙が2011年8月11日にニューヨーク国連本部において行われ、日本から立候補した浦辺徹郎東京大学大学院理学系研究科教授が当選を果たし、委員を務めておられます。(大陸棚限界委員会議長ステートメント(CLCS/72)参照)
なお、 当財団発行ニュースレター第271号に、浦辺先生からのご寄稿「大陸棚の限界に関する委員会(CLCS)委員への就任について」が掲載されています

TOPへ戻る