大陸棚限界委員会とは?

大陸棚限界委員会とは?

沿岸国は、一方的に大陸棚を延長できるのではなく、大陸棚限界委員会(CLCS: Commission on the Limits of the Continental Shelfにデータを提出しなければなりません。この委員会による検討を経て出される勧告に基づいて、沿岸国が大陸棚の外側の限界線を設定すると、その限界線は「最終的、かつ拘束力を有する」ものとなります(国連海洋法条約第76条8)。
大陸棚限界委員会へのデータの提出の締切は、いつ国連海洋法条約の締約国になったかによって異なりますが、多くの締約国にとっては(日本も含めて)、2009年5月12日まで *1とされていましたが、2008年6月の締約国会合で新たな決定がなされ、この締切を緩和する措置がとられました*2

*1  なぜ、2009年5月までに申請を提出しなければならないのか?
国連海洋法条約附属書Ⅱ第4条には、沿岸国は関連データを、自国について条約が効力を生じてから10年以内に大陸棚限界委員会に提出すると規定されていますが、2001年の条約締約国会合において、データの準備の困難さや時間を要する点等に鑑み、1999年5月13日より前に条約が効力を生じた国については、10年間という期限の開始を1999年5月13日とすることで合意されました。なぜ、この日になったかと言うと、大陸棚限界委員会が、沿岸国のデータ準備の参考としてもらうための「科学的・技術的ガイドライン」を採択したのが1999年5月13日であり、この日から10年間を準備期間とするのが区切りがよいと考えられたためです。なお、1999年5月13日以降に条約を批准したカナダやデンマークは、自国につき条約が発効した日から10年以内という規則がそのまま適用されます。たとえば、カナダは2003年11月7日に批准し、デンマークは2004年11月16日に批准したので、それぞれその日から10年以内に申請を提出しなければならない、ということになります。

*2  締切の緩和について

2001年に上記の合意がなされた後、大陸棚限界委員会の事務局を務める国連海事海洋法課(DOALOS)が世界の各地域で大陸棚延長申請のためのトレーニング・コースを開催したり、発展途上国による申請準備を支援するための信託基金が国連総会によって設置されたり、発展途上国の申請準備に対する技術面及び財政面での支援が行われました。
しかし、多くの発展途上国にとって、2009年5月までに提出することが困難である状況は変わりませんでした。そのため、2008年6月の締約国会合で、申請提出期限の問題が審議され、多くの議論の後、(1) 2009年5月12日までに200海里を超える大陸棚の外側の限界に関する予備的情報(preliminary information)を国連事務総長に提出すれば締切を満たしたものとする、(2) この予備的情報について大陸棚限界委員会は審査をせず、その後提出される申請内容に影響を及ぼすものではない、との決定がなされました(決定内容は、締約国会合文書SPLOS/183に記載されています)。つまり、申請を行いたい国は、大陸棚の延長に関する大まかな情報を、完全な内容ではなくても、ひとまず2009年5月12日までに提出すれば、締切に間に合ったことにする、というわけです。
(国連事務総長に予備的情報を提出した国の一覧は、「 予備的情報の提出」 を参照。)

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