事業紹介

2009年
事業

286 地方大学における日本語学習者の日本研修

286-13-00.jpg

本事業は、中国の地方大学でも日本語学習者が急増していることを背景に、 日本との交流の機会に恵まれないこれらの日本語学習者から成績優秀者を選抜し、訪日研修の機会を提供するものです。本事業の目的は、日本語を学ぶ地方大学の学生たちに夢を与え、日本語教育の振興に寄与すると共に、将来の日中協力を担う人材の育成に直接貢献することです。
09年度は、実施者の中国教育国際交流協会が内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、 甘粛省、青海省の6大学から、筆記試験と面接試験によって、20名の研修参加者を選びました。 一行は7月27日に来日し、8月24日までの間、早稲田大学留学センターの受け入れで研修を受けました。
日本語の集中コースに加え、日本概況に関する特別講義を受講し、日本人学生との交流や、広島や関西方面の視察旅行をしました。実施者は、研修参加者たちの見聞や感想をまとめて小論文集を作成し、大学や行政機関に配布し、情報発信に努めました。

事業実施者 中国教育国際交流協会(中国) 年数 5年継続事業の1年目(1/5)
形態 自主助成委託その他 事業費 15,603,449円
参加者の選抜過程

4月25日から5月18日にかけて、中国教育国際交流協会による学生の選抜試験が、各校で行なわれました。

今年度、選抜試験を行なった大学は、内蒙古大学、内蒙古師範大学、寧夏大学、蘭州大学、青海大学、青海民族大学の6校でした。

286-02-01.jpg

青海省の位置


すでに筆記試験などで選ばれた68名から、面接試験で18名が選ばれました。公平かつ公正に選抜を行なうため、実施主体である中国教育国際交流協会だけでなく、それぞれの学校の日本語教師と笹川平和財団の職員も一緒になって面接を実施しました。面接では、日本語力だけでなく、渡日の目的意識、コミュニケーション能力、熱意など、多面的な要素で採点したうえ、その場で集計まで行ないました。

286-02-02.jpg

面接試験のようす

また、面接試験の結果をあとから見直したところ、事前の筆記試験の上位者とほぼ一致しており、そのことからも妥当な選抜が行なわれたことが裏付けられました。

286-02-03.jpg

学生の熱意と才気が伝わってきました。

なお、選考は厳密に行なわれましたが、予算さえ許されれば全員を合格にしたいとさえ思えるほど、学生の情熱を感じる面接試験でした。こうした熱意と能力ある一人ひとりが、こののち日本と中国の橋渡しを担うであろうことに、将来の日中関係の希望が感じとれました。

日本研修中のスケジュール

学生の日本滞在中のスケジュールは以下の通りでした。

日本研修中のスケジュール(予定)
月日活動
7月27日(月) 北京からCA925便で13:45PM成田空港着、宿泊所(奉仕園)へ
7月28日(火) オリエンテーション、キャンパスツアー、歓迎会&学生交流会
7月29日(水) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
7月30日(木) レクチャー、学外社会授業「歩いて見る東京の街」新宿編
7月31日(金) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月01日(土) 伊豆川奈セミナーハウス体験学習と学生間交流会
8月02日(日) 伊豆、小田原各所見学
8月03日(月) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月04日(火) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月05日(水) 東京終日体験学習(浅草、お台場など)
8月06日(木) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月07日(金) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月08日(土) 富士河口湖体験学習
8月09日(日) 富士河口湖体験学習
8月10日(月) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月11日(火) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月12日(水) 日本語授業、学外社会授業「歩いて見る東京の街」池袋編
8月13日(木) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月14日(金) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月15日(土) 終日自由行動
8月16日(日) 終日自由行動
8月17日(月) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月18日(火) 日本語授業、日本総合理解授業/言語、歴史、文化(衣、食、住)等
8月19日(水) 日本語授業まとめ、研修発表会、小旅行オリエンテーション、フェアウェル交流会
8月20日(木) 4泊5日の広島、京都小旅行
8月21日(金) 広島見学〜京都見学
8月22日(土) 京都見学
8月23日(日) 奈良見学
8月24日(月) 関西国際空港から帰国(CA928便14:00PM発)

担当者からのごあいさつ

中国教育国際交流協会、早稲田大学留学センター、笹川日中友好基金の各担当者からのごあいさつです。

この研修事業は、日本との交流に恵まれない地方大学で日本語学習に勤しむ大学生のために、貴重な機会を与えることができました。参加した大学生たちは、今年、夢にもみなかった夏を日本で過ごせたようです。
かれらは「日本語の実力が付いてきただけではなく、日本の若者と交流し、日本理解も深まり、とても充実した四週間だった」と口をそろえて言ってくれました。担当者にとって、このうえない誉れです。生活管理上の課題などはありますが、来年も今年の経験を生かして、この事業の成功に努力したいと思っています。

286-11-01.jpg

中国教育国際交流協会
孫 家寧


この研修に関われたことにとても感謝しています。
成田空港で最初にみんなと会った時のみんなの顔の表情は、今でもよく覚えています。研修で一緒に過ごすなかでみんなの表情が日に日に笑顔へと変わり、帰国の際「また日本へ来たい!」と言ってくれた一言で、日本での滞在がどうだったのか、すべてを理解しました。みんなの純粋な心とやさしい気持ちと毎日直接触れ合うことができて、私の毎日もとても充実したものでした。そして「またみんなと会いたい!」、そう思えました。本当に日本へ来てくれてありがとう。

286-11-02.jpg

早稲田大学留学センター
江口 俊之


5月に初めて銀川、蘭州、西寧を訪れたとき、これほど環境の異なるところからの研修生を迎え入れる事業には細心の注意が必要だぞと、少し緊張したものです。
無事に日本研修を終えられたのも、関係者のみなさんのやさしさと、学生のみなさんのタフさによるところがきわめて大きいと思っています。みなさま、ありがとうございました、そして、おつかれさまでした。
20名の参加者のみなさん、東京の街はいつでもみなさんを待ってます。なつかしの東京へ、また来てください。

286-11-03.jpg

笹川日中友好基金
玉腰 辰己

地方大学における日本語学習者の日本研修 2009-2013

2009年度 286 地方大学における日本語学習者の日本研修

286-13-00.jpg

2010年度 299 地方大学における日本語学習者の日本研修

2010_299-00.jpg

2011年度 308 地方大学における日本語学習者の日本研修

2011_308.jpg

2012年度 318 地方大学における日本語学習者の日本研修

318top.jpg

2013年度 330 地方大学における日本語学習者の日本研修

330top.jpg
ページトップ