2009年
事業
事業実施者 | 笹川平和財団 清華大学清華-日経メディア研究所(中国) | 年数 | 3年継続事業の2年目(2/3) |
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形態 | 自主助成委託その他 | 事業費 | 7,668,979円 |
笹川日中友好基金ではこれまで、中国のメディアを通じた日本理解促進のため、中国のメディア関係者にさまざまな日本研修のプログラムを提供してまいりました。
たとえば、日本経済の発展を学ぶため中国から来日した経済記者の取材支援( 1991年度事業「023 経済記者日本取材」)や、外国との交流機会が少ない地方テレビ局の責任者の訪日研修(1997年度事業「141 地方テレビ局長訪日視察」)、日中関係の報道のあり方について議論し、日本の報道体制を研修する事業(2002年度事業「222 中日マスコミ対話促進」)などを助成した実績があります。
こうした事業は、差し迫った課題を解決するというよりは、中国において広く日本理解促進に役立ててほしいという狙いから実施していました。そのため数年に一度実施する程度で、継続性のある複数年度の重点プログラムではありませんでした。
しかし、2000年代に入ってから中国メディアをめぐる環境は一変し、日中両国でメディアをめぐって問題が起きるようになってきました。日中双方の国民世論のレベルでは相互認識のギャップが大きく、新興の地方紙やネットメディアがそうしたギャップをあおるような記事を配信する、そのようなケースが多く見られるようになってきたのです。
こうした状況を踏まえて、笹川日中友好基金では中国の大衆世論の健全化を図るべく、中国でも影響力をもつ新興メディアのジャーナリスト、それも40代までの若手を対象にした「中国若手ジャーナリスト訪日招へい」事業を3年間にわたって実施することを決めました。
新興メディアに焦点をあてたことには次のような理由があります。
一つは影響力です。中国の大手ネットメディアのページビューが「億」を超え、新興の新聞は数百万部を発行し、中国の国民に与える影響が非常に大きくなってきています。中国における日本像の改善を図るには、こうした新興メディアの責任者や記者に等身大の日本を広く見てもらうことが妥当であるとわたしたちは考えました。
二つ目に、大手の新聞社・通信社は日本に駐在員を置いて取材ができますが、新興メディアは特派員を日本に置くことができない上、日本関連記事の担当者ですら、日本訪問経験が無い中で仕事をしているケースが多い、という状況がわかってきたことです。
そこで、わたしたちは、来日する機会の少ないネットメディアや雑誌、都市報や夕刊紙など、新興メディアの記者・責任者に訪日研修の機会を提供する事業を実施することにしました。
事業実施にあたっては、中国メディア研究の第一人者である清華大学の崔保国教授に協力を依頼しました。中国の新興メディアで有力な記者、責任者の選抜や日本への派遣、事業計画立案への協力などを崔教授が所長をつとめる清華大学清華・日経メディア研究所に業務委託し、ともに訪日研修を準備することとしました。
本事業は2008年度に開始し、3年計画の自主事業として実施しています。2009年度は2年目になります。
具体的には、以下の活動を行います。
日本研修は笹川日中友好基金と清華・日経メディア研究所が計画し、10月20日(火)から10月28日(水)まで、以下の内容で実施する予定です。北海道視察にあたっては、社団法人千歳観光連盟のご協力をいただきました。
月日 | 活動 |
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10月20日(火) | 北京からCA925便で13:50成田空港着、都内ホテルへ移動、歓迎会 |
10月21日(水) | 国会見学、皇居見学、笹川陽平日本財団会長表敬、TEIJIN訪問・取材、民主党本部訪問 |
10月22日(木) | 特別養護老人ホーム取材、東京証券取引所訪問 |
10月23日(金) | 自由民主党本部訪問、読売新聞東京本社訪問、夕刊印刷の取材、都内視察 |
10月24日(土) | 浅草・秋葉原取材、東京モーターショー見学、NH81便で羽田から新千歳空港へ移動、千歳市内ホテルへ |
10月25日(日) | 道の駅・鮭のふるさと館取材、千歳地域情報交流会、登別、洞爺湖取材 |
10月26日(月) | アイヌ民族博物館取材、札幌市内取材、北海道新聞訪問取材、北海道放送訪問取材 |
10月27日(火) | 北海道庁訪問取材、国土交通省北海道運輸局訪問取材、尾形武寿日本財団理事長との懇談、北海道大学訪問・交流座談会「変化する中国メディアと新たな地域間交流」、歓送会 |
10月28日(水) | 帰国 |
参加者についてはここ→「293-02.pdf」をクリックするとPDFファイルでご覧いただけます。
第2回中国若手ジャーナリスト訪日団(13名)を10月20日(火)から10月28日(水)まで招へいしました。一行は東京と北海道を訪問し各地で取材を行いました。
10月20日に到着した一行は2日目から本格的に活動を開始。2日目は国会、皇居、日本財団、TEIJIN、民主党本部を訪問・取材しました。
3日目は港区立特別養護老人ホーム港南の郷、明治神宮、原宿、東京証券取引所を訪問・取材しました。
4日目は、靖国神社、自民党本部、読売新聞東京本社を訪問・取材しました。
5日目は、浅草、秋葉原、東京モーターショーを見学して、夜の便で北海道千歳市へ移動しました。
第2回中国若手ジャーナリスト訪日団(13名)を10月20日(火)から10月28日(水)まで招へいしました。一行は東京と北海道を訪問し各地で取材を行いました。
6日目は、日曜日ということもあり、観光業を中心に視察。鮭の故郷館や千歳地域の観光情報のプレゼンを受け、そのあと登別方面に行きました。
7日目は午前にしらおいポロトコタン、アイヌ民族博物館を視察。午後は札幌入り。北海道新聞社、北海道放送を訪問しました。
8日目は北海道庁、国土交通省北海道運輸局を訪問。お昼は日本財団の尾形武寿理事長とも意見交換。午後には北海道大学東アジアメディア研究センターとの協力で「変化する中国メディアと新たな地域間交流」というシンポジウムを開催。シンポには50名ほどが参加しました。
9日目、最終日。訪日団は成田経由で北京に帰国しました。