海洋安全保障情報旬報 2018年4月10日-4月20日

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411日「インド太平洋を注視した日越防衛関係―東南アジア専門家論評」(The Diplomat.com, April 11, 2018

 Web誌The Diplomatの編集主任であるPrashanth Parameswaranは、4月11日付の同誌に"Japan-Vietnam Defense Relations in the Indo-Pacific Spotlight"と題する論説を寄稿し、最近のベトナムの国防相の訪日は、より広範な地域戦略的意義を有する安全保障分野の関係を強調したとして、要旨以下のように述べている。

(1)今週、ベトナムの国防相Ngo Xuan Lichは、最近の同国の政府高官たちによる主要国首都への一連の海外訪問の中で、日本への外遊に乗り出した。今回の訪問では、二国間だけでなく、より広範なインド太平洋構想を中心とした活発化する活動の最中で、両国が地域的にも重要性をもつ防衛関係をさらに深化させることになった。日本とベトナムは、過去数年間、より広範囲にわたる彼らの戦略的パートナーシップの一環としてその防衛関係を強化してきた。ベトナムは、日本をより広範な、その全方位外交政策の一環として関与する重要なプレーヤーの一つと見なしているが、日本もまた、自身のインド太平洋戦略の一環として、そして、東南アジアのより大きな関与において、ベトナムを主要な結節点と見なしている。

(2)ここ数年、海洋安全保障支援のような見出しを作成するものだけでなく、特に、新しい海軍演習、日本艦艇の寄港、沿岸警備協力に関する協定、そして、より多くの防衛装備と防衛産業の協力に関する議論のような、日越防衛関係においていくつかの注目すべき進展が見られた。両国の外交関係樹立45周年を記念する進展は、2018年内にも期待されていた。4月7日から11日にかけて、Lich国防相は、なお一層の二国間防衛交流のために日本を公式訪問した。訪問中、Lich国防相は一連の予定をこなし、日本の彼のカウンターパートである小野寺国防相や安倍首相を含む、より幅広い当局者や個人と会った。象徴的な意味において、この交流の程度と幅は、発言が示唆するよりも、依然として動きは遅いけれども、東京がハノイとの関係、そして、この関係の現在の軌跡を重要視するというなお一層の証明だった。実質的には、他の協力協定が他の分野でも署名されたが、予想通り、防衛サイドに関する交流からもたらされた重要な条項は、今後10年間のこの領域の関係のために両国の国防相が署名した新しい共同ビジョン声明だった。このような声明は定期的に見直され、進展させるべき一般的な協力分野が示されているが、この公文書の内容について公に明らかになっている詳細はほとんどない。双方はまた、広範な他の分野にわたる協力の促進について議論したと報道されている。

(3)Lich、小野寺両国防相はまた、他の三ヵ国の東南アジア権利主張国とともに、ベトナムが、中国の海洋に関する自己主張について引き続き懸念している、南シナ海を含む地域の問題について議論した。当然のことながら、今回の訪問では、日本の「自由で開かれたインド太平洋」構想内の二国間関係についての言及が同様になされた。Trump政権が、アジアの四ヵ国協調枠組み(米国、日本、オーストラリア及びインドのグループ化)のような他の構想の推進と併せた、その広範なアジア政策内での「自由で開かれたインド太平洋戦略」を重要視したことにより、あまり理解されていないにもかかわらず、この概念は勢いが増している。そして、その話し合いが進行中なので、日本は「自由で開かれたインド太平洋」のための独自のビジョンを推進し続けているが、ベトナムはこの考えにも歓迎の意を示している。Lich国防相の訪問は、この概念が重要な地域諸国間における話し合いのトピックであり続けるという別の示唆だった。そして、日本とベトナムが彼らの記念の年において2018年を通して様々なレベルで取り組みを継続するが、それは、彼らのより広範な関係やインド太平洋において影響を及ぼしている戦略的協力のより広い範囲の内側を見守るための別の観点である。

記事参照:Japan-Vietnam Defense Relations in the Indo-Pacific Spotlight

412日「西太平洋は水陸両用戦力の軍事拡張競争に向かうのかー米専門家論評」China-US Focus, April 12, 2018

 東アジアの安全保障、海洋問題研究家のSteven Stashwickは、China-US FocusのWebサイトに"Is the Western Pacific Heading Towards an Amphibious Arms Race?"と題する論説を寄稿し、中国を抑止する1つの方策は伝統的な水陸両用戦能力を活かすことにあるとして、要旨以下のように述べている。

(1)水陸両用戦能力、すなわち地上部隊、航空部隊を海上から海岸に投入する能力が西太平洋に押し寄せつつある。中国と米国、そして太平洋の同盟国との間の軍事力バランスは通常、ミサイル、航空機、艦艇、潜水艦といった先進的なシステムに焦点を当てている。これらは防御的な接近阻止/領域拒否という「幻想」と、それを突破するという「幻想」を構築するために使用されたものである。両国ともその海上部隊とこれに随伴する水陸両用戦能力を着実に増強してきている。このことは、それぞれが地域における可能性のある紛争によって、日本の南西諸島や南シナ海のような戦争のある戦略的に重要な島嶼を保持あるいは奪取する能力が活性化されると考えていることを示している。

 多くの分析者は、中国が2015年の習近平-オバマの共同発表の趣旨に違反して南シナ海を軍事化しつつあると批判している。中国が南沙諸島を軍事化したか否かは、「軍事化」をどのように定義するかという問題における曖昧さにかかっている。米情報筋は、島々は相当程度の兵力を収容する容量があり、兵力投射能力を有するが、相対的に短射程の防衛的なシステムを配備されているだけであるとしている。

 呉勝利前海軍司令員は、「中国の南シナ海における建設は、防衛的なものであり、『軍事化』と考えるべきではない。将来の建設は前哨基地が直面する脅威次第であると」と述べ、また「人民解放軍海軍は南シナ海の島礁の主権と安全を守ることを決定し、その能力がある」と強調した。

(2)Trump政権の「国家安全保障戦略」は、南シナ海における中国の動きを潜在的脅威と見ており、「南シナ海の前哨基地を建設し、軍事化する努力は貿易の自由な流れを危険にし、他国の主権に脅威を与え、地域の安定を危うくする」と述べている。

 しかし、この戦略はまた、他の大国に対する米戦略の転換を述べている。それは、軍事力の行使や他の侵略の形態によっては目的を達成できないと確信させ、拒否によって潜在的敵を抑止すると強調している。

(3)安全保障戦略が中国の潜在的軍事目標と見ているものを抑止する1つの方策は、西太平洋を取り囲む島嶼線に対する攻撃的行動の対価を引き上げ、中国の部隊が簡単に島嶼線を抜けることができないように、その防備を固めるために伝統的な水陸両用戦能力を活かすことである。

 昨秋、米海軍と海兵隊は「紛争環境下の沿海域作戦(Littoral Operations in Contested Environments)」と題する新しい戦闘概念を発表した。単に敵から島嶼を奪取することを越えて、概念は海兵隊が固有のミサイルや砲兵システムを用いて敵艦船を撃沈し、特定の空間を支配することを考えている。

 同時に、米国の国家安全保障戦略が必要とする拒否戦略を可能にする極めて重要な歩みをなしつつあるように思われるのが、日本である。陸上自衛隊は最近、第2次大戦以来最初の海兵隊である水陸機動団を編成した。日本では水陸両用戦部隊の編成には議論があった。

 中国の水陸両用戦能力の進歩について利用できる情報はわずかである。しかし、2017年の国防総省の報告は、新しい、より能力のある両用戦艦艇への投資は「遠征水陸両用強襲、人道支援/災害救助、海賊対処能力を発展させる中国の意図を示していると述べている。「遠征水陸両用強襲」能力は南シナ海において後方支援活動を行うより小型の艦船と同じように、米国や日本のようなパートナー諸国が懸念するものである。

 米海軍の水陸両用戦部隊は地理的により分散しており、38隻の水陸両用戦艦艇が望まれているが、中国の水陸両用戦部隊は数字的には米軍とほぼ同等である。

 しかし、米海軍の水陸両用戦部隊は中国と異なり、10隻の水陸両用戦艦艇は、中国の空母「遼寧」と大きさ的にはほぼ同じ広い飛行甲板を持つヘリコプター空母である。西太平洋において初めて強襲揚陸艦「Wasp」に搭載するため導入されたF35B戦闘機によって米水陸両用戦部隊は、第5世代の戦闘機を保有するようになった。日本の大型ヘリコプター搭載護衛艦は同じようにF35Bを搭載できるように改造され、効果的に真の空母に転換するかもしれないという報告がある。それは中国がその可能性を警戒し、(空母保有を)追求しないよう警告してきた。

 「遼寧」もTyoe001Aも、スキージャンプ方式の甲板のため、中国独自の第5世代戦闘機であるJ-20やJ-31を搭載することができない。国防総省の報告は、中国が独自の「広い飛行甲板」を持つ水陸両用戦艦艇の建造に関心を持っていると考えている。しかし、今のところ、独特の打撃能力と近接支援能力を有するのは、米水陸両用戦部隊だけである。

(4)これらの増強にせめてもの救いがあるとすれば、米中双方とも増強の根拠を相手方が地域の現状を覆そうとしているかもしれないという認識に置いていることである。米国は南シナ海の中国の基地には過度の軍事力が隠されていると見ており、中国当局が繰り返し主張するように、それらが明らかに防衛的なものであると信じることは難しい。中国は、米政府に代わって著名なシンクタンクが提起した戦略と計画を中国の基地に対する作戦計画を示すものと見ており、これらの戦略は彼らの準備を正当化するものと考えている。しかし、米中がお互いの水陸両用戦能力の拡張を、懸念を持って見ている間に、もし拡張競争の結果が攻撃的な水陸両用戦が相互に手が出ないほどに金のかかるものとなり、それが不安であれば、少なくとも安定した現状維持が提起される。

記事参照:Is the Western Pacific Heading Towards an Amphibious Arms Race?

414日「潜水艦部隊の整備が最良の選択肢-米専門家論評」(The National Interest, Blog, April 14, 2018

 National Interestの元編集長Zachary Keckは、4月14日付のthe National InterestのBlog に"China's Worst Fear: Can America Turn Taiwan into a Submarine Power?"と題する記事を寄稿し、台湾にとって最良の対中国戦略は潜水艦部隊の運用であるとして要旨以下のように述べている。

(1)米中は貿易をめぐって格闘しているとともに、台湾をめぐるより目立たない対立に入りつつある。先週、国務省は米国防産業が、台湾が潜水艦を建造するのに必要な技術の売却を検討するためのマーケティング許可を承認した。

(2)台湾は、増大する北京の圧力から自国を守るために、是非ともより先進的な潜水艦を必要としている。昨年、蔡英文総統は「水中での戦闘能力の強化は、台湾防衛のため極めて重要である・・・これは全ての人が認識しなければならない問題である。我々は過去、この問題を解決できなかった。国軍司令官としてこの問題を解決すると決心した。」と宣言した。

 台湾は長い間より新しい潜水艦を求めてきた。George W. Bushが政権に就くと間もなく、台湾が8隻の通常型潜水艦を取得することを援助する計画を承認した。しかし、米国はこの約束を実現する計画をどのように立てるのかという疑問がわき上がった。1950年代に米国は通常型潜水艦の建造を中止していた。

 その時点で通常型潜水艦の主要な建造国はドイツとオランダであった。両国とも中国を怒らせることを懸念して台湾への潜水艦の売却を望まなかった。一部の外部の観測者は、日本が通常型潜水艦を台湾に売却する候補となるかもしれないと提起している。東京はこの分野で先駆者であり、台湾の独立に強い関心を持っているからである。しかし、そのことは起こらなかった。

(3)外国から潜水艦の購入ができないことから、台湾は国産計画を追求し始めた。2016年12月、台湾国際造船股份有限公司は、8千万ドルで潜水艦設計を開始する契約を与えられた。続く3月、台湾国際造船股份有限公司、国家中山科学研究院及び台湾海軍は、調達契約と合意文書に署名した。報告によれば、彼らは1,200トンから3,000トンの潜水艦の設計を追求しつつある。潜水艦建造の公式の時程は、設計に4年、建造に4年、公試に2年である。したがって、1番艦が作戦可能となるには、少なくとも10年を必要とする。 

 台湾は潜水艦を設計するに当たり、基本的に旧式のものから始めることになろう。報告によれば近代的な潜水艦をどのように建造するかを理解するために第2次大戦中の潜水艦の1隻を解体する準備をしている。したがって、米国や他の外国から台湾が得ることのできる援助がより強固なものであればあるほど、望ましい。

 経費の問題は重要である。台湾は最初の4隻だけの潜水艦の価格を50億ドルと見積もっている。全ての条件が同じ(明らかに現実にはそのようなことはあり得ないが)だとすると、有力な潜水艦部隊を保有する台湾の戦略的論理に反論することは困難である。

 台湾とのいかなる戦闘においても、中国は空域をますます支配できるようになっており、島嶼国家を狙う数千発のミサイルを保有している。北京が台湾を征服したいのであれば、ある時点で水陸両用の侵攻兵力を送らなければならない。台北にとって最良の策は、中国軍が台湾海峡を渡海することを阻止する海洋拒否戦略を追求することである。中国の強襲揚陸艦を撃沈しようと待ち構える非常に静粛な潜水艦は、北京の戦争計画を非常に複雑なものにする。

記事参照:China's Worst Fear: Can America Turn Taiwan into a Submarine Power?

417日「『借金漬け外交』で拡大する中国の『一帯一路』―米専門家論評」Washington Examiner, April 17, 2018

 米Web誌Washington ExaminerシニアライターのJamie McIntyreは、4月17日付の米Web誌、Washington Examinerに、" 'Game of Loans': How China uses 'debt-trap diplomacy' to extend its military reach"と題する論説を寄稿し、中国がインフラ向けの融資を利用して「借金漬け外交」を展開していると指摘した上で、要旨以下のように述べている。

(1)米戦略国際問題研究所(CSIS)「リコネクティング・アジア・プロジェクト」のディレクター、Jonathan Hillmanは「『一帯一路』構想(BRI)とは、本質的に、インフラ建設と貿易協定交渉を通じて、中国をグローバル経済の中心に置く計画である。これは、現実に中国をあらゆる事柄の中心に置くための、連結性を向上させる極めて高価な構想である」と述べた。2013年に公表された中国のBRIは、表面上は全ての利害関係者が「ウィンウィン」となるものである。

(2)しかしながら、他の出来すぎた話と同様に、BRIにも落とし穴がある。CSIS「アジア海洋透明性イニシアチブ」(the Asia Maritime Transparency Initiative)のディレクター、Gregory Polingは、「中国の融資は、必ずしも法外なものではないが、アジア開発銀行や世界銀行の融資に比して、厳しい金利や融資条件を伴う」と評価する。中国は、返済能力を超える債務を負った借り手を、借金漬けに陥らせることができる。スリランカを例に見てみよう。10億ドル以上の債務を負ったスリランカ政府は、戦略的な要衝であるハンバントタ港を中国政府所有の企業に引き渡すほかなかった。Hillmanは「スリランカ政府が全く思ってもみなかった形で、中国がハンバントタ港を99年間租借して、港の運営権を握ることとなった顛末は、ある種の教訓である」と指摘する。

(3)加えて、ジブチの主要港がある。同港は、ジブチにおける中国唯一の海外基地に隣接するのみならず、米国やフランス、イタリア、日本の基地の主たる接続先ともなっている。同港は、早晩、別の中国企業に引き渡されるだろう。Turnbull豪首相の元上級アドバイザーのJohn Garnautは、先月、議会軍事委員会の公聴会で「私は、ジブチの事例が、我々にとって示唆に富んでいると考えている。我々は、あまりにも頻繁に、単なるインフラ投資だと喧伝されていた案件が、賃貸契約から、重要インフラの自由保有権の取得に向けた契約形態の変更を伴う、借金漬け外交に利用されている様を目の当たりにしてきた」と証言した。

(4)米国防長官とCIA長官を務めたRobert Gatesによると、長期的な駆け引きを好む中国は、米国が手をこまねている間に、徐々にだが容赦なく自国の力と影響力を拡大させている。これに関してGatesは、ポッドキャスト(インターネットテレビ)"Meet the Press"で「米国は、アジアを変革させ得る中国の数兆ドル規模の『一帯一路』構想に対抗するプランを、頭の片隅にさえ有していない」と、NBCにコメントした。また、Gatesは、「中国は、大筋でパキスタンのグワダル港を再建する契約を締結したため、中国海軍基地ができるだろう。これらのプロジェクトは、中国にとって一石二鳥である。なぜならば、彼らは一連の大規模インフラプロジェクトの建設に際して、プロジェクト受け入れ国で功績を認められる上に、これら諸国は長期にわたって、中国から途方もない政治的な影響力を伴う借りを作ることになるからである」と述べている。

(5)Gatesは、米国がObama政権とTrump政権下で、一連の戦略的な失態を演じたため、中国に米国に対する著しい優位を与えてしまった、と主張している。即ち、「中国は、壮大な構想を描き、機会を活かすことにとても長けている。米国は、Obama政権で、中国が創設したアジアインフラ投資銀行に加入しない、という大きな誤りをおかしてしまった」と。またGatesは、Trump大統領のTPP離脱は、「中国に素晴らしい贈り物をする結果となった。案の定、彼らはその機会を逸することなきよう、すぐさま動いた」とも強調した。

(6)Hillmanは、米国は中国のように湯水の如く使える政府予算を持っていないが、民間投資を呼び込むという点ではより良い仕事ができるのではないか、と述べた。

(7)Gatesは、「米国には、『一帯一路』構想に抗う術はない。だからこそ、米国がまずなすべきことは、米国の戦略がどうあるべきかを見出して、世界に対して米国が中国に代わる選択肢たることを如何にして示すかにある」と指摘した。

記事参照:'Game of Loans': How China uses 'debt-trap diplomacy' to extend its military reach

417日「目覚ましい日印防衛協力の進展―豪専門家論評」(The Interpreter, April 17, 2018

 豪The University of Adelaide教授Purnendra Jainは、豪Lowy InstituteのWeb誌The Interpreterに4月17日付で、"A new high: India-Japan defence links"と題する論説を寄稿し、日印両国の防衛協力の目覚ましい進展ぶりについて、要旨以下のように述べている。

(1)US-2飛行艇に関するインドとの交渉は2017年までには合意に至らなかったが、インドのチェンナイで4月中旬に開催された防衛展示会、DefExpo 2018で、US-2飛行艇を製造する日本の新明和工業とインドのMahindra Groupが、機体の部品製造やメンテナンスなどで協力することで基本合意した了解覚書(MOU)に調印するという、注目すべき出来事があった。US-2飛行艇のインドへの売却が実現すれば、日印防衛関係における新たな地平が開かれることになろう。日本は2014年に過去数十年間の武器輸出規制を緩和しており、防衛産業分野における日印パートナーシップは、Modi首相の「メーク・イン・インディア」(抄訳者注:国内外の企業からの投資を促進し、インドを世界の魅力的な製造ハブに発展させる計画)と、安倍首相の「自由で開かれたインド太平洋戦略」を具現化することになろう。

(2)日印両国の関係強化のスピードは、特に安全保障、防衛分野で目覚ましい。東京がニューデリーの核実験を厳しく批難し、経済制裁を課したのは、わずか20年前のことであった。しかしながら、その後、地政学的環境が変化し、安倍首相が2007年にインド議会で講演して以来、両国関係は力強く進展してきた。日印両国は「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」を宣言し、日本は2008年、日米同盟と2007年の日豪安全保障協力宣言に続いて、インドとの間で3番目の安全保障協力宣言に調印した。日印関係の緊密化には、幾つかの理由がある。インドの経済成長は、低迷する日本に新たなビジネス機会を追求するインセンティブとなっている。米印関係の改善は、日本が以前より強い自信を以てインドとの関係を促進できる、もう1つの理由となっている。それ以上に、日印関係の緊密化を促したのは、中国の存在であった。

(3)日本は、インドのインフラ開発計画に多額の投資をしている。100億ドル以上―東京がこれまで外国の1つのプロジェクトに投資した金額としては最高額―の資金で、インド初の高速鉄道建設を支援することになっている。その見返りの1つとして、インドは、戦略的に重要なアンダマン島におけるインフラ開発に対して、日本に排他的なアクセス権を認めている。そして、日印防衛企業間の新たなMOUを通じた防衛生産協力は、専門家達が21世紀初頭には思いもつかなかった、日印防衛関係を新たな高みに導く端緒となろう。

記事参照:A new high: India-Japan defence links

418日「台湾を念頭に置いた中国の軍事演習―ニューヨーク・タイムズ記事」(The New York Times.com, April 18, 2018

 米紙ニューヨーク・タイムズは、4月18日付で"China Conducts War Games, and Taiwan Is the Target"と題する記事を掲載し、最近の中国と台湾の軍事演習や台湾に対する米国の関与について、要旨以下のように述べている。

(1)中国は、高まるその海軍の強さを示し、中国がその領土と主張している自己統治されている台湾にメッセージを伝えることを目的とした、台湾海峡での実弾軍事演習を水曜日に実施したとその国営メディアが報じた。この軍事演習は、2016年以来台湾海峡で初めてのものであったと、中国の国営テレビは報じた。

(2)米国は長年のこの島への支援を示すための措置を講じているが、中国はここ数ヵ月間台湾への圧力を増している。水曜日の演習は、十中八九長い間先行して計画されていたが、それらは、米国と中国が、台湾に加えて多くの問題で、特に貿易をめぐってますます対立しているという時に行われた。中国の国務院台湾事務弁公室の劉結一主任は、この演習が台湾を念頭に置いて計画されていたと今週述べた。

(3)先週、中国の指導者習近平は、南シナ海の海南島沖でその海軍によって行われた大規模の演習に出席した。彼が迷彩服を着て、戦闘機が中国初の空母である遼寧から離陸したのを見ている様子が、その国営テレビで放送された。国営ニュース・メディアは、48隻の艦船、76機の航空機、1万人以上の人員を含む演習は、中国海軍がこれまでに実施した最大のものであったと伝えた。CSISのBonnie Glaser上級顧問は、南シナ海での演習は、「他の何よりも観艦式ということだ」「しかし台湾海峡においては、これは警告である」と述べた。「私は、これは多少有益に時期調整がされているが、実際には、この特定の時期のために計画されていないと思う。米国と台湾は、中国のレッドラインへと危険なほどに接近する方向に向かっている。それが中国人による認識である」。先月、北京での重要な立法会議の中で、習氏は、台湾に対するその権利主張、又は、近年独立の要求が高まった旧英国植民地であるその香港の支配への挑戦について、厳しい警告を発した。台湾は、先週、東海岸で自身の軍事演習を行い、台湾の蔡英文総統が出席した。「我々は、我々の国と民主主義を守るためのあらゆる自信と決意をもっている」と彼女はTwitterに書いた。記者団へのコメントで、彼女はこの演習を、前日の中国による南シナ海演習へのあからさまな反応として解釈することに対して釘を刺した。オーストラリアのシドニーにあるマッコーリー大学の安全保障論の講師であるSheryn Leeは、最近行われた一連の演習は、軍事活動の重大なエスカレーションというよりも、長期にわたる実践の継続であると述べた。

(4)米国は台湾最大の支援国だが、その支援は、この島の国際的認知度を制限する中国の要求によって緩和されている。いわゆるワン・チャイナ・ポリシーで、ワシントンは北京と正式な政治的関係を持っているが、台北とは非公式の関係を維持している。Trump大統領は、彼の前任者よりも台湾に対する米国の支持をより公に示す意思がある。トランプ政権が貿易をめぐって中国に異議申し立てを行い、それが損害を与える貿易戦争についての懸念を提起する関税率をもたらす恐れがあるため、この最近の軍事演習は行われた。Trump氏は、北京が貿易について譲歩しないなら、なぜ米国がワン・チャイナ・ポリシーに抑制される必要があるのかについて、以前から疑問を呈していた。そして昨年、Trump氏は、米国と台湾の海軍艦船による相互の寄港の奨励を含む法案に署名した。先月、Trump氏は、米国と台湾の高官の公式訪問を奨励する台湾旅行法に署名した。Alex Wong国務副次官補は、この旅行法が署名された直後に台湾を訪問した。トランプ氏の新しい国家安全保障のアドバイザーであるJohn R. Boltonは、長年にわたる台湾の支持者である。

(5)今月、米国が台湾自身の潜水艦を建造するのに役立つ技術の販売許可を承認したことを台湾が明らかにした後、中国当局者たちは抗議を行った。中国はまた、最近の数ヵ月間、台湾周辺での戦略爆撃機や戦闘機の飛行を増大させている。そして、その海峡の最も狭い幅81マイルのところで中国側に留まり続けたけれども、「遼寧」や他の海軍の艦船は、台湾海峡を航行した。

記事参照:China Conducts War Games, and Taiwan Is the Target

419日「米海軍の新北極戦略―米紙報道」USNI News, April 19, 2018

 米紙、Navy Times(電子版)は、4月19日付の"Navy to Release Arctic Strategy This Summer, Will include Blue Water Arctic Operations"と題する記事で、昨今の北極の環境変化に伴う米海軍の新たな北極戦略について、要旨以下のように報じている。

(1)Richard V. Spencer米海軍長官は、上院軍事委員会において「2014年の『米海軍北極ロードマップ』に続く、海軍の北極戦略が今夏にも公表される予定である」と述べた。Spencerは、ロシアが12,000フィートの滑走路を整備して、「捜索救難」の名目で北極圏における軍事プレゼンスを築いている、と指摘した。その一方で、米海軍は、地域において最低限のプレゼンスを有するに止まっており、Spencerは、上院議員らに「米国は、北極圏でプレゼンスを増す必要がある」と訴えた。

(2)北極戦略に関する文書の公聴会後に、SpencerとAdm. John Richardson海軍作戦部長は、記者団との会見に応じた。2014年の「米海軍北極ロードマップ」をこのタイミングで改訂する理由を問われたRichardsonは、「北極圏がその要因だ」と返答した。その上で、Richardsonは、「北極圏の氷床は、私が生まれて以来このかた小さくなっている。そして、これこそが、航路が航行可能になるという戦略的な変化を引き起こしている。国防長官は、大陸棚が露わになり、そこに埋蔵される資源が手の届くところにきた、青海原としての北極圏に言及した。そのため、縮小する氷床から戦略的な問題が生じているのである。加えて、我々の重点を転換した新国防戦略の存在もある。したがって、実に多くの観点から、戦略改定の時期が到来したのである」と述べた。

(3)2014年のロードマップは、「北極圏では、関係諸国が論争を平和的に解決できる、危険性の低い安全保障環境が維持されると見込まるが、海軍は、紛争予防と国益の確保に備えるべきである」と強調する。ところが、それ以降、北極圏におけるロシア海軍と中国海軍の活動が増大したため、米国と欧州間で、北極圏における将来の作戦に関する議論が促進されている。

(4)北極圏北部における作戦の重点は、海上戦力に限定されるものではない。米海兵隊は、寒冷地における作戦の再学習に着手しているが、海兵隊総司令官のRobert Nellerは、公聴会において、冷戦後「(寒冷地における作戦の)スキル一式、装備、専門技能は退化してしまった」と述べた。

(5)Nellerは、上院議員らに対して、次のように述べた。

a. 既に約300名の海兵隊員がノルウェーで訓練を行っているが、寒冷地環境を熟知するノルウェー軍と合同寒冷地訓練を行うべく、同国政府から海兵隊員増派の承認を待っている。

b. 今秋に予定される水陸両用軍事演習「トライデント・ジャンクチャー」によって、NATOの海軍と水陸両用戦力が一体となって、寒冷環境で行動できるだろう。

c. (アラスカ州選出の共和党上院議員Dan Sullivanに対して)アラスカの空軍訓練場は、寒冷な気候や複雑な地形・演習場の大きさ―アラスカのエイールソン空軍基地は、ネバダ州のネリス空軍基地の約3倍の面積を有する―の両面において有用である。既にエイールソンにおいて一部海兵隊員が訓練を行っているが、その数を増やしたいと希望する。

d. 全海兵隊員が寒冷地訓練を受けることはないだろうが、招集があった際に、十分な専門技能が海兵隊の隅々までいきわたり、部隊が寒冷地で効果的に活動できる一助となるよう、十分な数の将兵が寒冷地訓練を定期的に受けてほしい。

記事参照:Navy to Release Arctic Strategy This Summer, Will include Blue Water Arctic Operations

419日「中国とフィンランドが北極での調査協力を増大へ」(ScandAsia, April 19,2018

 スカンジナビアを本拠としアジア地域に関わるニュースを配信するScandAsia紙は、4月19日、"China and Finland to increase Arctic research corporation"と題する以下の記事を配信した。

 中国とフィンランドが北極の合同調査と協力強化に関する合意文書に署名した。新華社通信によると、両国は北極域における観測とデーター共有の共同センターを設立する。合意文書は中国リモートセンシング・ディジタルアース研究所とフィンランドの測量研究所の下部組織である宇宙・地球観測センターの間で交わされた。共同センターは、衛星を用いての気候調査、環境モニタリング、航行等の活動情況に関する調査協力を推進することになる。

 中国は、2016年に自国で最初となる衛星情報の海外受信ステーションとして、スウェーデンに「中国リモートセンシング衛星北極圏地上ステーション(the China Remote Sensing Satellite North Polar Ground Station (CNPGS))」を建設している。合意文書に署名したCNPGS副所長は、「CNPGSは海外に設置した最初の地上衛星情報受信ステーションとして中国の北極域情報の収集を効果的なものとする面において役に立ってきた」と述べている。新たな共同センターはフィンランドのラップランド地方に位置するソダンキュラ(Sodankyla)に建設される。

記事参照:China and Finland to increase Arctic research corporation

419日、「北京は台湾奪取作戦計画の最終段階に着手したのか?」(South China Mourning Post. April 19, 2018

 4月19日付South China Morning Postは、"Has Beijing just put the finishing touches to its battle plan to take back Taiwan?"と題する記事で、台湾周辺海域で最近実施された人民解放海軍による実弾射撃訓練とこれに連動した陸空軍の訓練は、台湾解放を念頭に置いた統合作戦の一環の可能性があるとして要旨以下のように報じている。

(1)中国人民解放軍は台湾海峡における実弾射撃訓練と並行して台湾付近に戦闘機と爆撃機を飛行させたが、これは調整された統合作戦計画の一環である可能性もある。

 最近の台湾周辺空域における中国空軍による哨戒飛行は、台湾との軍事衝突に備えた中国の各軍種間で調整された攻撃計画の一端を構成するものであると専門家は指摘する。人民解放軍は、中国海軍が台湾海峡で実弾射撃訓練を実施した翌日、台湾周辺のいくつかの島を包囲するかのように空軍機による哨戒飛行を実施した。

(2)人民解放軍第2砲兵部隊元将校の宋中平は、「実弾射撃訓練は予想より小規模に見えたが、それはおそらくより広範な任務の一部に過ぎなかったからであろう。」と述べた。彼は「福建省周辺での訓練は比較的小規模のようだが、実際には台湾周辺のさまざまな地域でいくつかの統合運用訓練が行われていた。」と述べ、「包括的な統合運用訓練において、人民解放軍は特定の地域のみならず、地域全体を対象としている。」と指摘した。

(3)2016年に民進党が中国からの独立を主張していた蔡英文を総統に選出して以来、中国と台湾の緊張が高まっている。台湾が「独立」を宣言すれば、それは台湾解放の軍事介入の根拠となると中国は主張している。

 人民解放軍は、H-6K爆撃機、Su-30、J-11戦闘機、偵察機、早期警戒機など様々な航空機が台湾を包囲する哨戒飛行に参加したと発表した。一方、台湾国防部は、西太平洋への進出経路となる日本の宮古海峡を飛行する2機のH-6K爆撃機、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を通過する爆撃機を発見したと発表した。そして台北も東京も、艦艇や航空機によって当該活動を監視すると明らかにした。

(4)4月18日、人民解放陸軍は、中国南西部の福建省沿岸から船艇では15時間の距離にある実弾射撃訓練海域に航空部隊を参加させたと発表し、昼夜に亘る訓練の実施は陸軍の全天候型の戦闘能力を検証するルーティーンのものであると解説した。また「解放軍報」は、Z-9、Z-19型ヘリコプターが対艦ミサイル攻撃をシミュレートするために使用されたと報じている。

 フェニックステレビの軍事問題解説者でもある宋は、人民解放軍は台湾問題を解決するための「包括的計画」を構築しているようだと述べ、海南省沖で実施された大規模な観艦式後に初めて体系的な訓練を実施した空母「遼寧」を中心とする戦闘部隊は、その重要な役割を果たす可能性が高いと指摘し、「福建省での陸軍航空部隊の訓練、空軍による第1列島線を越えての飛行、「遼寧」の航海訓練等は全て、人民解放軍に台湾への包括的な作戦計画が存在していることの証左である。」と主張した。

(5)第1列島線とは、中国と西太平洋の間に横たわっている一連の島嶼線であり、北京は冷戦期以来、これが中国を封じ込める自然の障壁として米国に利用されていると主張している。また、別の匿名の軍事専門家も最近の訓練は、台湾解放を決意した人民解放軍の作戦準備の一端であることは間違いないと述べている。これに先立ち北京も、台湾海峡における実弾射撃訓練の目的は台湾の分離独立勢力を牽制することにあると述べている。

(6)しかし、訓練実施地点から約60キロ(37マイル)離れた台湾管轄下の金門島住民にとっては、そうした軍事的プレゼンスも目新しいものではない。金門島で旅行代理店を経営するCindy Linは「我々は銃撃音に慣れており、何十年も続いていることだ。」としつつ、「ここの90%の住民は、中国が台湾との戦闘を望んでいるとしても、実際に自分たちを傷つけるようなことはないだろうと確信している。」と証言した

記事参照:Has Beijing just put the finishing touches to its battle plan to take back Taiwan

419日「マレーシアはスールー海の三ヶ国合同パトロールの拡大を主張」(The Diplomat, April 19, 2018

 The Diplomat上席編集員のPrashanth Parameswaran は、4月19日付の同誌に"Malaysia Spotlights Expanded Sulu Sea Trilateral Patrols"と題する署名記事を掲載し、マレーシアがサバ州を巡るフィリピンとの関係などにも関わらず、3ヶ国合同パトロールを推進しようとしている意義は大きいとして、要旨以下のように述べている。

(1)4月16日、マレーシアのHishammuddin Hussein国防相はクアラルンプールで開催された第5回プトラジャヤ安全保障フォーラムに際し、スールー海におけるインドネシア、フィリピンとの3ヵ国間合同パトロールの継続、拡大を求める発言を行った。現在進行中の協力を考慮すれば、驚くには値しないものの、東南アジアにおける安全保障上の脅威が増大する中、本件は地域協力の好例として改めて注目を集ることとなった。スールー海での合同パトロールは2016年の早い時期から議論され、2017年に3ヵ国協定(TCA)が締結、6月からは海上パトロールが、10月からはパトロール飛行が開始されており、シンガポールとブルネイもオブザーバー国として関心を示しつつある。合同オペレーションセンター設置やパトロールのローテーションなどが公表され、結果的に不法行為減少の兆候も見られたが、進捗の遅れを示す兆候もある。

(2)Hishammuddin国防相が他の東南アジア諸国からの参加者に提示したのは、マレーシアの視点による地域安全保障上の課題と、それに対処するための継続的な協力という文脈におけるスールー海での協力ということであった。Hishammuddinの発言は、主としてテロの脅威に焦点を当てており、彼はイスラム国その他のテロ集団が東南アジアに脅威を与えるさまざまな手法、少数民族を国家に敵対させ、自爆テロなどローンウルフ型の攻撃を促し、おそらくは フィリピン南部やタイ南部の不満分子も利用するであろうことを強調した。

(3)Hishammuddinは、これが課題であると同時に機会であるという観点からスールー海の3ヵ国合同パトロールの意義を強調した。本件は「国境を越えた犯罪」への対応のみならず、マレーシア東部サバ州の状況との関係においても注目されている。サバ州はマレー半島からの地理的距離、数十年に渡るフィリピンとの歴史的経緯から、マレーシアにとって安全保障上の懸念であり、敏感な問題である。この懸念は2013年、サバ州に対するフィリピンの主権を主張するスルタンの末裔が数十人死亡したLahad Datu事件で再び高まった。フィリピンのRodrigo Duterte大統領の、これまでのサバ州に対する発言は二国間関係の安定に有益ではない。Hishammuddinは、モロ民族解放戦線(MNLF)指導者であるNur Misuariがスールー海沿岸におけるカリフ制を志向することなどを念頭に、マレーシアは「当面この地域から目を離すことはできない」と強調した。

(4)しかし彼はまた、スールー海で進展しつつある取り組みを地域協力の恰好の機会とも捉えている。HishammuddinはASEANの多国間協力の枠組みも踏まえつつ、単一の国家がこれらの課題に独力で取り組むことは困難として地域協力の必要性を指摘し、「3プラス2」を拡大し「より広い規模」の協調ネットワークを設置する必要があると主張した。もちろん、Hishammuddinの主張に同意しない者はほとんどないが、現実にはこの取り組みがどのように進んでいくのかは依然として課題である。3ケ国間協力の基本的部分さえ当所予想されたよりも時間を要しており、各参加国の希望とは裏腹に、本件がどの程度早く進展するのかは現実の課題である。彼の発言は、そうした課題にもかかわらずマレーシアが本件に積極的に取り組んでいることの一つの証拠であると言えよう。

記事参照:Malaysia Spotlights Expanded Sulu Sea Trilateral Patrols

420日「中国の一帯一路構想、その野望の行方」(Eurasia Review.com, April 20, 2018

 アメリカのマンハッタン大学で政治・外交の学位を取得し地政学や安全保障を研究するVincent Lofasoは、4月20日付のEurasia Reviewに"China's Belt And Road Initiative: Ambition And Opportunity"と題する論説を寄稿し、要旨以下の通り分析している。

(1) 数世紀にわたって、シルクロードが東洋と中東そしてヨーロッパの文明を結ぶ交易路となった歴史がある。2013年、中国の習近平主席が中国と他の地域とを結ぶシルクロードの復活版として陸上と海上のルートからなる「一帯一路」構想を提唱した。

 陸上のルートは「シルクロード経済ベルト」と呼称され、6つの回廊を通してアジアとヨーロッパのほぼ全域をカバーする。海上のルートは「海上シルクロード」であり、中国の供給ラインを自国東岸から延伸していくものである。これまでのところ9,000億ドルが投入され、1,700の事業が興されている。これは信じがたいほど高額のプロジェクトである。そのための基金と資金の流れを調整するため、中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)とシルクロード基金(SRF)を設立した。AIIBは当初資本1,000億ドルの多国籍銀行であり、国際通貨基金(IMF)や世界銀行(the World Bank)と同様の組織運用形態を持つ。SRFは400億ドルを保有し、中国中央銀行(China's Central Bank)の監督下に置かれている。これはつまり、貸付というよりも投資の意味合いがあり、「一帯一路」事業の最大の金融機関は、おそらく、中国開発銀行(China Development Bank)と中国輸出入銀行(Export-Import Bank of China)であろう。中国開発銀行は数年間に亘って8,000億ドルの融資を保証している。このほか、中国の3兆ドルに上る外貨保有と2,200億ドルを保有する中国投資有限責任公司からの融資が考えられる。 

(2) 「一帯一路」は、物理的な結びつきを強めると言うよりは、むしろシーレーンへの依存の軽減という中国の外交と内政に関わって生れている面がある。現状、中国の貿易の90%は海上ルートによるものである。黄海、東シナ海、南シナ海への入り口はマラッカ海峡であり、そこにはアメリカのプレゼンスがある。中国への原油はその80%がマラッカ海峡を通って運ばれる。中国のシーレーンはライバルであるアメリカのプレゼンスに影響を受ける状態にあり、中国にとってこれは不都合なことである。「一帯一路」事業の一部として中国は南アジアの港湾や鉄道、道路、パイプラインを建設しており、それにより南シナ海のチョークポイントをバイパスすることができる。「中国-パキスタン経済回廊」(China Pakistan Economic Corridor (CPEC))とスリランカの港湾は、まさにそれを狙ったものである。「一帯一路」構想のもう1つの動機として、中国の経済成長が国内で大きな格差を生じさせていることが挙げられる。富の不均衡は西部内陸部と東部沿岸部の間で顕著である。長期にわたる安定のためには、内陸地域による海外市場へのアクセスを促進することによって、格差を是正する必要がある。確かに2013年以降、西安、昆明、カシュガルなどの経済区では、中国と中央アジアや中東との国境商業を促進するための素地が整いつつある。

(3) 中国政府は政情不安定な中央アジアの国々にも投資をしているが、そこはチベットやウイグルの分離独立派を制圧するために必要な地域でもある。紛争の多発する中央アジアへの過剰な資金流入は更なる暴力を呼ぶことになる。また、道路の整備は違法取引を助長もするだろう。その意味において、中国は国境を越える安全保障上の脅威にも対応しなければならなくなる。これは中国だけの問題ではない。ロシアは中央アジアからの国家安全保障上の脅威を受けている。中国は中央アジアへの経済的介入において慎重な選択を迫られるだろう。

(4) 「一帯一路」に警戒する地政学的ライバルとしてインドがある。インドは、「中国-パキスタン経済回廊」の進展によってカシミール地方の領有権が侵害されることを警戒している。しかし、「一帯一路」に対するインドの抗議は限定的なものであり、「中国-パキスタン経済回廊」は既成事実化しつつある。最も強固な地政学的ライバルは、アメリカである。

 アメリカは中国による交易ルートの拡大がアメリカ海軍の影響力を阻害することを警戒している。長期的に見れば、「一帯一路」が及ぼす地政学上のシフトによって、東アジアに中国の意向が強く及ぶことになる。

(5) 習近平による西部内陸部の開発や交易ルートの拡大は鄧小平の路線と一線を画すものである。「一帯一路」構想はこれまで中国が行ってきたものとは異なる。ブレトンウッズ体制がアメリカによるグローバルなソフトパワーを形作ったように、中国は「一帯一路」によってアジアにソフトパワーを及ぼすことを企図している。

 中国のソフトパワーは既に幾つかの地域でその姿を見せつつある。ASEANは中国との経済的結びつきが強まる中で、南シナ海における結束力が削がれつつある。フィリピンはその好例である。地域連合体の分断と"中華領域"の拡大によって、中国は海上や陸上の紛争を自国の思惑通りに抑え込むことができる。

 これまでのところ、中国は関係国に柔軟に取り入っているが、「一帯一路」の促進に障害がないわけではない。「一帯一路」事業において、中国は自国の労働者や監督、原材料、器材等を海外に送り込んでいる。それによって横領等を防ぐことができる反面、投資を受ける国々の反発を招く。こうした複雑性を孕んだものであるにも拘わらず、習近平は「一帯一路」構想に基づく事業を進めるべく決意している。

記事参照:China's Belt And Road Initiative: Ambition And Opportunity-Analysis

420日「中国による武力の誇示はフィリピンと米国の関係を強化する―比専門家論評」(Asia Times.com, April 20, 2018

 フィリピンのDe La Salle Universityの准教授Richard Javad Heydarianは、4月20日付のAsia Timesに"China's show of force pushes Philippines back to America"と題する論説を寄稿し、中国の軍事的な威嚇がフィリピンと米国の絆を強くしているとして、要旨以下のように述べている。

(1)今月に入って、中国は、南シナ海で今までで最大の軍事演習を行った。それは、紛争中の海域での将来の航行の自由と上空通過について新たな懸念を引き起こした。米国と地域のその主要な安全保障同盟諸国が、マニラとの彼らの戦略的協力関係の強化に取り組むため、今回の演習はフィリピンに新たな注目を集めた。フィリピン大統領Rodrigo Duterteと中国との友好的な関係は、紛争中の地帯におけるエネルギーやその他の資源共有に関する協定についての話し合いを続けており、その小規模な近隣諸国への中国の台頭する影響力に対する米国の懸念を提起している。Duterteが北京に手を伸ばす間、彼の安全保障のエスタブリッシュメント及び他の優れたフィリピン人は、さらに注意深いままでいる。豊富な経済援助と投資の約束を含む北京の申し入れにもかかわらず、フィリピンは懸念を引き起こしている。

(2)象徴的な軍服に身を包んだ中国の国家主席、習近平は、最近の多くの海洋演習に参加した兵士に言葉をかけた。1万人以上の水兵、48隻の艦艇、76機の航空機が、中国の国営メディアが表現した「新しい中国建国以来最大の海洋軍事パレードであり、新時代における中国海軍の壮大なプレゼンス」に参加した。中国はまた、フィリピンが権利を主張するミスチーフ礁を含む、南沙諸島におけるその支配下にある地勢に、ライバル国の通信やレーダー・システムを妨害する能力のある機器を設置するために、かつてない演習を活用した。最近の中国の動きは、他の権利主張国と広大な南シナ海の軍事資産を運用する域外大国の能力を制限することを目的としている。

(3)報じられたミスチーフ礁への中国の電波妨害施設の設置は、マニラでの政治的反発を引き起こした。Alan Peter Cayetano外相は、周辺海域での最近の中国の認識されている挑発に抗議するために必要な外交措置を講じることを約束した。周辺海域での中国の意図について一貫して留保を表明してきたDelfin Lorenzana国防相は、国内通信と兵器システムが現在危険にさらされる可能性があるかどうかを確認し、検討すると約束した。

(4)中国の大規模演習のわずか数日後、米国、日本及びオーストラリアは、武力の誇示として、マニラのフィリピン基地とスービック湾に軍艦を展開した。ワシントンは、米海軍空母セオドア・ルーズベルトをマニラ湾に展開した。1ヵ月の間で二回目の、空母のフィリピン訪問である。国防総省は、今年これまでに、紛争中の地点から12カイリ以内に軍艦を展開することによって、フィリピンが権利主張をしているスカボロー礁の中国の事実上のコントロールに対して挑戦するという、かつてない手段を取った。他の米国の同盟国も必死に取り組んでいる。オーストラリア海軍のミサイル・フリゲート艦「Anzac」は、補助艦である給油艦「Success」を伴い、4月11日にフィリピンに到着し、丸5日間逗留した。2日後、日本の海上自衛隊の「あきづき」型護衛艦が、3日間の独自の親善訪問を行った。マニラ湾に停泊している時に、駐比米大使Sung Kimは、「Theodora Roosevelt」艦上から、「大声ではっきりと話すべき時があると思う」と言明した。「我々の友情が今ほど強かったことはないし、我々はインド太平洋の国家であり、そうあり続けてきた。そして、この地域とその福利へのコミットメントは持続する」と彼は述べた。

(5)第9空母打撃群司令官Stephen Koehler少将は、米国大使と一緒に、"ビッグ・スティック"(棍棒)として知られる空母の艦上で、ビジネス界、政府及び学界の300人の著名なフィリピン人を歓迎した。この海軍司令官は、南シナ海のような国際水域が「すべての人のための正当な場所」であることを確保することの重要性を強調した。フィリピン陸軍中将Rolando Bautistaは、「海だけでなく空によっても行われた、米軍の能力のショーケースだ」と「Theodora Roosevelt」訪問時に述べた。「米国人は我々の友人である。様々なやり方で、彼らはどのような脅威も抑えるために我々を支援することができる」。Duterteは、米国との戦略的な関係を頻繁に犠牲にして、中国とのより親密な関係へのコミットメントを表明しているが、Duterteのライバルとして知られている人々を含む、多くの著名なフィリピン人は、この国の米国との長年の同盟を尊重し続けている。

記事参照:China's show of force pushes Philippines back to America

420日「高まるインド洋島嶼の戦略的価値―インド専門家論評」(Asia Maritime Transparency Initiative, CSIS, April 20, 2018

 印シンクタンクCarnegie India調査アナリストのDarshana M. Baruahは、米CSISのWebサイト、Asia Maritime Transparency Initiativeに4月20日付で、"Islands as Game Changers in the Indian Ocean"と題する論説を寄稿し、インドのKovind大統領は3月にマダガスカルをインドの国家元首として初めて訪問したが、この訪問はインドのインド洋島嶼外交の不在を示すもので、インドはインド洋島嶼国家との関係を強化しなければならないとして、要旨以下のように述べている。

(1)北京が海洋領域におけるプレゼンスを拡大し続けていることから、各国は、自国の国益を守るために海洋戦略を再形成しつつある。インドにとって、中国との抗争はインド洋地域において高まっている。インド洋地域における島嶼は、他の海洋のそれらとともに、この地域の安全保障体系の形成に大きな役割を果たすであろう。インド洋において戦略的に最も注目される島嶼はスリランカ、モルディブ、モーリシャス及びセーシェルであり、これらはインドからアフリカ東岸まで拡がっている。これらの島嶼の戦略的重要性は、主要な海上交通路に沿って点在していることで一層高まっている。これらの4つの島嶼に加えて、以下の島嶼も、余り知られていないが、同様に戦略的に重要である

a.アンダマン・ニコバル諸島:インド洋東部のインド領、アンダマン・ニコバル諸島は、マラッカ海峡の出入り口に位置する。北京がインド洋におけるプレゼンスを拡大していることから、西太平洋からインド洋への主たる出入り口にあるアンダマン・ニコバル諸島は、インドに比類なき戦略的優位をもたらしている。

b.ココス(キーリング)諸島:この諸島はオーストラリア領で、インドネシアのスマトラ島南方の戦略的に重要な海域に位置する群島である。インドネシア領のスンダ、 ロンボク及びオンバイの各海峡は、特に海軍艦艇にとって、インド洋に抜けるための代替ルートとなっている。中国が探知されないで潜水艦や水上艦艇をインド洋に展開するルートとして利用していることから、これらの海峡の重要性は一層高まるであろう。インドネシアの海洋哨戒能力にとって、ココス諸島は、マラッカ海峡とともに、極めて重要な存在である。

c.ソコトラ島:この島は、バブエルマンダブ海峡を過ぎたアデン湾口に位置しており、スエズ運河とインド洋を結ぶ重要なチョークポイントとなっている。ソコトラ島は、アデン湾と「アフリカの角」海域の通航を監視する理想的な位置にある。

d.マダガスカル島:この島は、インド洋西部のアフリカ東岸に沿って位置する戦略的に重要な島である。この島は、スエズ運河開削以前のアジアと、ヨーロッパやアメリカを結ぶ主要ルートであった、モザンビーク海峡に面している。モザンビーク海峡は、通商ルートとしての重要性は低下したが、アフリカ東岸域にとって依然、戦略的に重要である。その上、この海域の100兆立方フィートと見積もられる天然ガスの存在が、この海峡の重要性を再び高めている。

e.ディエゴガルシア島:この島は、インド洋中央部にあり、チャゴス群島の中で最大の島である。この島はインド洋のイギリス領だが、モーリシャスとの間で、同島の領有権を巡って係争中である。米軍は、この島をインド洋における全ての活動の拠点としている。

f.レユニオン島:この島は、モーリシャスの南西に位置する、インド洋のフランス領である。フランス海軍は、同島の基地を拠点に、インド洋西部とアフリカ東岸域に強力なプレゼンスを維持している。フランスはまた、この基地からモザンビーク海峡に部隊を派遣して哨戒活動を行っており、同海峡内に散在する幾つかのフランス領島嶼のEEZにおけるプレゼンスを維持している。

g.フランス軍と米軍は、ジブチとアラブ首長国連邦におけるそれぞれの基地から、バブエルマンダブ海峡からホルムズ海峡にかけてのインド洋西部にプレゼンスを維持している。

(2)インドはインド洋地域の島嶼国家の大部分と伝統的な結び付きを維持してきているが、その戦略優位を活用してこなかった。インドの島嶼外交はないも同然で、Modi首相が2015年にスリランカ、モーリシャス及びセーシェルを歴訪したが、これはインド首脳としては実にこの20年間で初めての訪問であった。インドの軍事力はインド洋の北部と東部に偏在しており、特にインド洋西部での行動能力に限界がある。もしインドがインド洋全域において支配的な役割を果たすことに真剣であるならば、インドは、アデン湾、インド洋西部そしてアフリカ東岸域におけるプレゼンスを強化しなければならないであろう。インド海軍がインド洋の7つの重要エリアにおける継続的なプレゼンスを視野に入れた、任務主体の展開態勢に移行するにつれ、島嶼国家や沿岸諸国へのアクセスと協同が極めて重要になってきている。インドは、モーリシャスとセーシェル両国との年次合同哨戒活動と援助を通じて、両国周辺海域で一定のプレゼンスを維持しているが、効果的な任務主体の展開態勢に必要な持続的なプレゼンスを維持するためには、少なくとも兵站支援のための施設が、特にアデン湾とインド洋西部において必要である。

(3)インドがセーシェルとモーリシャスで軍事インフラの建設を検討していることは、ニューデリーがこれら両国周辺海域での活動上の課題を理解していることを示唆している。こうしたインドの課題は、フランスや米国との兵站支援協定を通じても、対処することができよう。フランスとの協定によって、ジブチ、アラブ首長国連邦及びモザンビーク海峡のフランスの基地を利用することで、インド洋西部とアフリカ東岸域で活動するインド海軍艦艇に兵站支援を提供できるであろう。また、インドは、米国との協定を通じて、同様の支援が期待できよう。一方、インドは、インド洋島嶼外交における課題に対処するために、スリランカ、モルディブ、モーリシャス及びセーシェルとのその関係を再検討していかなければならないであろう。

記事参照:Islands as Game Changers in the Indian Ocean

【補遺】

旬報で抄訳紹介しなかった主な論調、シンクタンク報告書

1 Is an Indonesian Air Defense Identification Zone forthcoming?

https://amti.csis.org/indonesian-adiz-forthcoming/

The Asia Maritime Transparency Initiative, CSIS, April 10, 2018

Evan Laksmana is a researcher at the Centre for Strategic and International Studies in Jakarta

インドネシアの戦略国際問題研究所Evan Laksmana研究員によるインドネシアの防空識別圏に係るレポート

2 The Navy Eyes Replacing Its Hospital Ships With A Fleet of Smaller Medical Vessels

http://www.thedrive.com/the-war-zone/20156/the-navy-eyes-replacing-its-hospital-ships-with-a-fleet-of-smaller-medical-vessels

The Drive.com, April 16, 2018

Joseph Trevithick, a Fellow at GlobalSecurity.org, specializing in defense and security research and analysis

米NPO、GlobalSecurity.orgのJoseph Trevithick研究員による米海軍の病院船更新に係るレポート

3 China's BRI Initiative Hits Roadblock in 7 Countries

https://financialtribune.com/articles/world-economy/84692/china-s-bri-initiative-hits-roadblock-in-7-countries

Financial Tribune.com, April 16, 2018

中国の一帯一路構想が困難に直面しているとするイランFinancial Tribune紙の解説記事

4 Harbored Ambitions: How China7s Port Investments Are Strategically Reshaping the Indo-Pacific

https://static1.squarespace.com/static/566ef8b4d8af107232d5358a/t/5ad5e20ef950b777a94b55c3/1523966489456/Harbored+Ambitions.pdf

C4ADS, April 17, 2018

Devin Thome & Ben Spevack

米NPO、C4ADSのアナリストDevin Thomeと Ben Spevackによる中国の港湾投資が及ぼす戦略的影響に係るレポート

5 The U.S. Military's Dangerous Embedded Assumptions

https://warontherocks.com/2018/04/the-u-s-militarys-dangerous-embedded-assumptions/

War on the Rocks.com, April 17, 2018

Lt. Gen. David W. Barno, U.S. Army (Ret.), a Distinguished Practitioner in Residence

Dr. Nora Bensahel, a Distinguished Scholar in Residence at the School of International Service at American University

米陸軍退役少将David W. Barnoとアメリカン大学Nora Bensahel客員教授による一般に米軍の軍事的強点と理解されている10のポイントについて検証するレポート

6 Safeguarding Australia's security interests through closer Pacific ties

https://www.lowyinstitute.org/publications/stronger-together-safeguarding-australia-s-security-interests-through-closer-pacific-0

Lowy Institute, Aril, 2018

Greg Colton, Research Fellow, South Pacific Fragile States Project, Lowy Institute

オーストラリアLowy研究所Greg Colton研究員によるオーストラリアの安全保障における太平洋諸国との密接な紐帯の必要を訴えるレポート

7 Trump's Incredibly Risky Taiwan Policy(China File.com)

http://www.chinafile.com/reporting-opinion/viewpoint/trumps-incredibly-risky-taiwan-policy

China File.com, April 19, 2018

J. Stapleton Roy, a Distinguished Scholar and Founding Director Emeritus of the Kissinger Institute on China and the United States at the Woodrow Wilson International Center for Scholars

元駐中国米大使J. Stapleton RoyによるTrump政権の台湾政策の危険性を指摘するレポート