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  • 連邦制による紛争解決の取り組みとその課題:ボスニア・デイトン体制を事例に

    2018.02.14

    田中 聡 平和構築全般
    連邦制による紛争解決の取り組みとその課題:ボスニア・デイトン体制を事例に

    分離主義(secessionism)-ある集団が既存の国家から分離し、新たな国家の樹立を図る動き-は、近年、国際社会が直面する重要な問題の一つである。現在の国際社会は、理念上は「国民国家」から構成されるが、実際はほぼ全ての国家が複数の民族から成っており、中には、激しい民族間の対立から一つの国家の形成には至っていない国も数多く存在する。1990年代以降、冷戦の終結に伴い民族的少数派による分離主義が多発する中、世界各地において熾烈な紛争が引き起こされた。


  • 新バンサモロ基本法の起草にあたるバンサモロ移行委員会の挑戦

    2018.01.20

    石井 正子 フィリピン南部
    新バンサモロ基本法の起草にあたるバンサモロ移行委員会の挑戦

    2017年2月24日、新たにバンサモロ基本法案(BBL)を起草するために、バンサモロ移行委員会(Bangsamoro Transition Commission: BTC)のメンバーが再編成された。その目的はムスリム・ミンダナオ自治地域に代わる新たな自治政府を設立するためである。BTCは、2017年6月16日にBBLを起草し、7月17日にドゥテルテ大統領に提出した。しかしながら、2017年9月現在においても大きな進展はみられない。


  • 新バンサモロ基本法案の策定

    2017.08.11

    フィリピン南部
    新バンサモロ基本法案の策定

    2016年11月2日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領はバンサモロ移行委員会(Bangsamoro Transition Commission: BTC)を15人から21人に拡大して新たに発足させるべく、行政命令(Executive Order)第8号を発令した。委員を21人に増員することで、より多様な意見を取り入れた包括的なバンサモロ基本法案(Bangsamoro Basic Law: BBL)を策定することがねらいである。2017年2月24日、ダバオ市において、ドゥテルテ大統領が出席するなか、拡大BTCの発足式が行われた。


  • ドゥテルテ大統領、戒厳令布告の背景

    2017.06.06

    石井 正子 フィリピン南部
    ドゥテルテ大統領、戒厳令布告の背景

    2017年5月23日午後11時30分(フィリピン時間)、ロシア滞在中のドゥテルテ大統領はミンダナオ島とスル諸島に戒厳令を布告した。大統領はプーチン大統領との会談予定を前倒しして滞在期間を短縮し、帰国した。6月に予定していた日本訪問も中止した。


  • 北アイルランド和平プロセスの今

    2017.05.18

    松野明久 平和構築全般
    北アイルランド和平プロセスの今

     1998年4月10日、北アイルランド紛争を終わらせる和平協定が締結された。一般にはベルファスト協定と呼ばれるが、その日が復活祭前の聖金曜日(Good Friday)であったことから聖金曜日協定とも呼ばれている。これによって、イギリスとの連合維持を望むプロテスタント系住民とアイルランド共和国との統一を望むカトリック系住民の対立から発展した武力紛争は終わった。


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