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2018.03.20
下澤 嶽バングラデシュバングラデシュ、チッタゴン丘陵の最近の政治動向
チッタゴン丘陵は、バングラデシュ南東部に位置するなだらかな丘陵地帯である。古くから、モンゴロイド系の民族がここで焼畑農業を営み暮らしてきた。現在11の民族、約60万人がここで暮らしている。宗教は仏教徒が一番多いが、ヒンドゥ教徒、キリスト教徒もいる。
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2018.02.22
松野明久平和構築全般西サハラ:「行き詰まり」の構図と打開への展望
1975年にスペインからの独立過程にあった西サハラを隣国モロッコが侵攻し、以来占領し続けている問題で、国連はモロッコ政府と西サハラの独立運動組織ポリサリオ戦線(以下ポリサリオ)と協議を続けてきた。1991年には、国連安保理が、両者の停戦合意を受け、当時のアフリカ統一機構(OAU)と協力して西サハラで住民投票を実施することを決定し、国連西サハラ住民投票派遣団(MINURSO)を組織した。これで紛争は解決するかに思われた。
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2018.02.14
田中 聡平和構築全般連邦制による紛争解決の取り組みとその課題:ボスニア・デイトン体制を事例に
分離主義(secessionism)-ある集団が既存の国家から分離し、新たな国家の樹立を図る動き-は、近年、国際社会が直面する重要な問題の一つである。現在の国際社会は、理念上は「国民国家」から構成されるが、実際はほぼ全ての国家が複数の民族から成っており、中には、激しい民族間の対立から一つの国家の形成には至っていない国も数多く存在する。1990年代以降、冷戦の終結に伴い民族的少数派による分離主義が多発する中、世界各地において熾烈な紛争が引き起こされた。
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2018.01.20
石井 正子フィリピン南部新バンサモロ基本法の起草にあたるバンサモロ移行委員会の挑戦
2017年2月24日、新たにバンサモロ基本法案(BBL)を起草するために、バンサモロ移行委員会(Bangsamoro Transition Commission: BTC)のメンバーが再編成された。その目的はムスリム・ミンダナオ自治地域に代わる新たな自治政府を設立するためである。BTCは、2017年6月16日にBBLを起草し、7月17日にドゥテルテ大統領に提出した。しかしながら、2017年9月現在においても大きな進展はみられない。
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2017.08.11
フィリピン南部新バンサモロ基本法案の策定
2016年11月2日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領はバンサモロ移行委員会(Bangsamoro Transition Commission: BTC)を15人から21人に拡大して新たに発足させるべく、行政命令(Executive Order)第8号を発令した。委員を21人に増員することで、より多様な意見を取り入れた包括的なバンサモロ基本法案(Bangsamoro Basic Law: BBL)を策定することがねらいである。2017年2月24日、ダバオ市において、ドゥテルテ大統領が出席するなか、拡大BTCの発足式が行われた。