平和構築全般ISSUES IN PEACEBUILDING

  • 西サハラ:「行き詰まり」の構図と打開への展望

    2018.02.22

    平和構築全般
    西サハラ:「行き詰まり」の構図と打開への展望

    1975年にスペインからの独立過程にあった西サハラを隣国モロッコが侵攻し、以来占領し続けている問題で、国連はモロッコ政府と西サハラの独立運動組織ポリサリオ戦線(以下ポリサリオ)と協議を続けてきた。1991年には、国連安保理が、両者の停戦合意を受け、当時のアフリカ統一機構(OAU)と協力して西サハラで住民投票を実施することを決定し、国連西サハラ住民投票派遣団(MINURSO)を組織した。これで紛争は解決するかに思われた。


  • 連邦制による紛争解決の取り組みとその課題:ボスニア・デイトン体制を事例に

    2018.02.14

    田中 聡 平和構築全般
    連邦制による紛争解決の取り組みとその課題:ボスニア・デイトン体制を事例に

    分離主義(secessionism)-ある集団が既存の国家から分離し、新たな国家の樹立を図る動き-は、近年、国際社会が直面する重要な問題の一つである。現在の国際社会は、理念上は「国民国家」から構成されるが、実際はほぼ全ての国家が複数の民族から成っており、中には、激しい民族間の対立から一つの国家の形成には至っていない国も数多く存在する。1990年代以降、冷戦の終結に伴い民族的少数派による分離主義が多発する中、世界各地において熾烈な紛争が引き起こされた。


  • 北アイルランド和平プロセスの今

    2017.05.18

    松野明久 平和構築全般
    北アイルランド和平プロセスの今

     1998年4月10日、北アイルランド紛争を終わらせる和平協定が締結された。一般にはベルファスト協定と呼ばれるが、その日が復活祭前の聖金曜日(Good Friday)であったことから聖金曜日協定とも呼ばれている。これによって、イギリスとの連合維持を望むプロテスタント系住民とアイルランド共和国との統一を望むカトリック系住民の対立から発展した武力紛争は終わった。


  • コロンビアにおける和平プロセス:その背景と課題

    2017.01.29

    幡谷則子 平和構築全般
    コロンビアにおける和平プロセス:その背景と課題

    2016年、南米コロンビアでは長年の左翼ゲリラ、「コロンビア革命軍-人民軍(FARC-EP)」(以下FARC)と政府の間での和平プロセスに大きな動きがあった。コロンビアでは過去60年以上、FARCに限らず、多様な左翼ゲリラ組織、そしてそれに対抗する非合法軍事組織である右派の傭兵集団あるいは準軍事組織であるパラミリタリー、そして傭兵も擁する麻薬犯罪組織や組織犯罪集団などが形成されてきた。


  • カンボジアの平和構築における市民社会の役割 ―懸念されるNGO法の影響―

    2016.02.15

    山田 裕史 平和構築全般
    カンボジアの平和構築における市民社会の役割 ―懸念されるNGO法の影響―

    1970年から政権の座をめぐる政治勢力間の対立が全面的な武力紛争に発展したカンボジアでは、1991年10月の「カンボジア紛争の包括的な政治解決に関する協定」(以下、パリ和平協定)の締結にともない結社の自由が認められるようになった。以後、政党と並んで市民社会組織の結成が相次ぐとともに、カンボジア国内で活動を開始する外国の市民社会組織も急増した。


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