石井正子(立教大学教授)
2018.03.26
  • フィリピン南部

マラウィ市街戦:復興と「歴史的不正義」のゆくえ

5か月にわたる戦闘と市街地の壊滅

 2017年10月23日、フィリピンのロレンサナ国防長官は、ミンダナオ島・マラウィ市で展開された「マウテ・グループ」との戦闘の終息宣言を発表した。「マウテ・グループ」とは、マウテ家のオマルとアブドゥッラーという兄弟が中心であったためそう呼ばれているが、本人たちは「イスラム国(IS)」と名乗っていた[1]。ちょうど5か月前の5月23日、マラウィ市で警戒にあたっていた国軍は、フィリピンでISに忠誠を誓う諸グループのリーダーであるイスニロン・ハピロン氏に遭遇した。「マウテ・グループ」と共にいたハピロン氏の確保に踏み切ったところ、交戦に発展した。同日、ロシア滞在中であったドゥテルテ大統領は戒厳令を布告し、人身保護令の権利を停止した。国軍は「マウテ・グループ」が立てこもったマラウィ市の市街地一角を包囲し、その掃討に踏み切った。

 「マウテ・グループ」の掃討には5か月もの時間が費やされた。理由の一つとして、国軍の市街戦への訓練不足が指摘された。国軍は、反政府勢力に対峙するために密林などでゲリラ戦の訓練を積み重ねてきた。しかし、市街戦には重点を置いてこなかった[2]。「マウテ・グループ」は密集する建物に隠れ、階上にスナイパーを配置した。戦車にはRPG(rocket propelled grenade)砲で対抗し、IED(improvised explosive device, 即席爆発装置)を仕掛けて国軍の侵入を阻んだ。掃討に手を焼いた国軍は、激しい空爆と迫撃砲を浴びせた。国軍側には、アメリカ軍、オーストラリア軍が情報提供、中国が銃と銃弾提供などの軍事協力を行った。「マウテ・グループ」側には、インドネシア人、マレーシア人などの存在が確認されている。空爆と迫撃砲、銃撃戦により、戦闘区域となった市街地の一角は、「グランド・ゼロ」と呼ばれるほどに壊滅した。

 フィリピン政府筋の情報によると、ハピロン氏とマウテ兄弟は殺害され、「テロリスト」約900人、国軍・警察関係者165人、一般市民約50人が死亡し、マラウィ市の全人口約20万人と周辺の自治体からあわせて30万人以上が避難を余儀なくされたという[3]

「マウテ・グループ」=テロリスト像

 「マウテ・グループ」がISに忠誠を誓ったことから、報道は「テロ」の脅威を強調するものが多かった。フィリピンのメディアが、背景として、モロイスラム解放戦線(MILF)とフィリピン政府との和平プロセスの遅延を指摘してはいた。が、「マウテ・グループ」の報道には、すでに世界的に定着していた「テロリスト」「IS」のイメージがかぶせられた。

 実際、2016年4月に「マウテ・グループ」は、ブティグ町で誘拐者6人のうち2人にオレンジの服を着せ、斬首した[4]。同年には二度、ブティグ町を占拠しようとし、国軍と衝突した[5]。5月23日の事件発生時には、彼らが掲げた象徴的なISの黒い旗が報道写真の対象となった。黒い旗のイメージの影に、ローカルなコンテキストは見えにくくなった。

 「マウテ・グループ」の掃討が突如実行に移されたことから、多くの一般市民が市街戦に巻き込まれて脱出できなくなり、一部が同グループの「人質」として捕らえられた。アムネスティ・インターナショナルがこれらの「人質」に聞き取りを行った報告書によると[6]、シャハーダ(信仰告白)を唱えることができなかった一般市民を「マウテ・グループ」が殺害したと証言している。

 一方、アムネスティ・インターナショナルの報告書には、国軍による脱出者に対するハラスメントや、破壊された家屋からの略奪などの実態も記載されている。メディアでもこうした国軍の問題行為は取り上げられたが[7]、ドゥテルテ大統領は国軍をかばい[8]、マラウィ市は「テロリスト」から解放されたと宣言した[9]

兄弟を知る人たちの「マウテ」像

 オマルとアブドゥッラーは、どのような人物だったのだろうか。その人物像を素描しよう。

 十二人キョウダイの二人は、南ラナオ州のラナオ湖の南にあるブティグ町出身である。ブティグ町には和平プロセスによって政府公認となった北東ミンダナオフロント・コマンダー、ジャナティ・ミンバンタス氏が率いるMILFの軍事基地もある。南ラナオ州の人口の約9割はムスリムのマラナオ人であり[10]、マラウィ市はフィリピンではイスラム教育の中心地である。1980年、市議会は市の名称を「マラウィ・イスラム都市(Islamic City of Marawi)」とすることを決議した。父親はMILFのメンバーでエンジニアであり[11]、マラナオ人のMILFの幹部とは親しい間柄であった。母親は商売で成功をおさめており[12]、母親のロマト家の親族関係を通じて、上述のミンバンタス氏[13]や地元の有力者とつながっていた[14]

 兄弟はマラウィ市内のプロテスタント系のダンサラン・カレッジを卒業した[15]。その後、オマルはエジプトで、アブドゥッラーはヨルダンで勉強をし、英語に加え、アラビア語も話すことができた。2017年現在、弟のアブドゥッラーは35歳であると報じられた。2017年8月、「ムスリム・ミンダナオ自治地域における若者の暴力的過激主義に対する脆弱性についての調査」という報告書が発表された[16]。マギンダナオ州、南ラナオ州、バシラン州、スル州の18~34歳までのムスリム100名を対象にアンケート調査を行なった結果、地域差はあるが、若者が過激グループに参加する一番の動機として「貧困」があげられた[17]。しかし、二人は貧しい家庭の出身ではなかった。

 すなわち、兄弟の社会関係は、地縁・血縁を通じてマラナオ人社会や出身町のコミュニティに根差していた[18]。二人は、1970年代から分離運動を展開し、牽引してきたモロ民族解放戦線(MNLF)やMILFの幹部やメンバーの子どもの世代にあたる。親の世代からフィリピン国家のムスリムに対する「歴史的不正義」について学び、45年以上にわたる武力紛争と進展しない和平交渉が繰り返される時代のなかで成長した。二人は教育を受け、政治的、社会的、経済的不満を抱く若者を組織化するリーダーとしての資質を備えていた。

 実際、兄弟を個人的に知るという人に話を聞くと、彼/彼女らの「マウテ」像は、報道で伝えられる「テロリスト」像とは異なっていた。

 例えば私は2017年9月に、マウテ兄弟を幼いことから知るMILFのメンバー二名に話を聞いた。うち一人は戦闘区域に病院を所有していたが、破壊された。もう一人は20年かけて建設したマドラサ(イスラム学校)、自宅、車などの財産を失った。

 MILFとフィリピン政府は1997年に停戦に合意し、南部に新しい自治政府を設立する和平交渉を行っている。しかし、新自治政府設立は未だに実現していない。兄弟は、南部の問題が一向に解決しないことへの不満を表し、和平交渉という手段では政府に騙されるばかりではないか、と挑戦的な疑問を投げかけていたという。さらに興味深かったのは、二人がともに事件の背後に米CIAのテコ入れを指摘したことだ。中国やロシアに接近するドゥテルテ大統領への警告として事件が引き起こされた面もあるのだという。むろん、この事実関係は確認できないが、フィリピンのムスリムのあいだにもアメリカに対する強い不信感があることは確認できた。

 2018年3月には、兄弟と同じカレッジを卒業し、市役所に勤めていた女性に話を聞いた。彼女の自宅も戦闘区域にあり、全壊した。オマルはとてもおとなしく、宗教的な生徒であったという。人質の首を掻き切るなどの残虐な行為が報道されているとその事実を問うと、「それは報道で聞いたことがあるが、事件発生後、自宅に一度戻って家族とともに脱出する際に、ISISは丁寧に脱出者を誘導していた」とエピソードを語った。

 実は、2016年に当選したマラウィ市のマフル・ガンダムラ市長は、彼女の叔父にあたる。一方、2001年~2007年までは元MNLFのコマンダーであったオマル・ソリタリオ・アリ氏が、2007年~2016年まではその弟のファハド・サリク氏が市長を務めていた。前々市長と前市長とマウテ家は親族関係でつながっている。それゆえに、一部では、事件発生の裏に、現市長と敵対する前々市長と前市長の動きがあったのではないかとのうわさもある。ちなみに前市長は、2018年6月7日、「マウテ・グループ」に関与したとの容疑で逮捕された[19]

 兄弟を個人的に知る人物の証言を重ねると、兄弟にとってマラウィ市街戦は、通った学校、雑談を交わしたであろう飲食店、診てもらったり見舞ったことがある病院や診療所など、数々の想い出がある場所で展開されたと想定できる。

 地元では市街地と私財の破壊を目の前にして、戦闘を止めるべく、兄弟と政府当局のあいだを仲介する試みがいくつかあった。例えば、兄弟と対話のルートをもつ宗教的指導者であるウラマーやスルタン、任意の市民団体が仲介役に奔走した[20]。前々市長も仲介を試みたとの報道もあった[21]。「テロリストとは一切の交渉をしない」というのが政府当局の立場であるため、公には否定されているが、水面下では対話と打開策の模索が大統領府や国軍側からもちかけられたとの証言も聞いた。しかし、こうした仲介の試みはいずれも実らなかった。

「歴史的不正義」を繰り返さない復興とするために

 はたして仲介による問題の解決は、本当に不可能だったのだろうか。現段階で私はそれを述べることはできない。一方、これがマニラ首都圏のビジネス中心地マカティ市であったならば、市街地を爆撃して解決する選択肢が採られたであろうか、という意見も聞かれた[22]。ここに表れているのは、他の解決の方策は尽くされたのか、という憤りだ。

 マラウィ危機発生からおよそ1か月後の6月28日、ドゥテルテ大統領は犠牲者対策やマラウィ市の復興を管轄する省庁横断型の「マラウィ復興タスクフォース(Task Force Bangon Marawi)」を立ちあげた。国防長官がタスクフォースの議長を、公共事業道路長官が副議長を務めることとなった[23]。終息宣言後はタスクフォースを改編し、大統領府の住宅都市開発調整評議会の議長がタスクフォースの議長を、国防長官と公共事業道路長官が副議長を兼任することとなった[24]。タスクフォースのデル・ロサリオ新議長は、国軍に37年間所属した元少将(Major General)である[25]。2013年11月に上陸した巨大台風ハイエン(フィリピン名:ヨランダ)の災害対応に際しては、国家災害リスク軽減管理評議会の議長を務めた。タスクフォースは2017年8月から12月にかけて紛争後ニーズアセスメントを実施し[26]、2018年3月現在、復興計画は国家経済開発庁によって精査されている。アセスメント等にもとづき、マラウィ市を復興開発するデベロッパーを募り、スイス・チャレンジ方式[27]によって選定する。2018年4月までに戦闘区域に残された爆発物を処理し、戦闘開始1年後の2018年5月23日に復興計画始動の式典を行い、2021年末までに復興を完了する予定だ。

 2017年12月13日、ドゥテルテ大統領の要請を受け、フィリピン議会は南部に敷いた戒厳令を2018年末まで延長することを承認した。マラウィ市内にはすでに国軍のラナオ基地がある。しかし2018年1月30日、同市の10ヘクタールほどの土地に新しい国軍基地を建設する着工式が大統領を招いて行われた[28]。マラウィ市の復興開発は治安対策の観点が重視されて進められている。

 一方この間、戦闘区域に住んでいた住民は爆発物処理が完了していないという理由でほとんど自宅に戻ることができていない。市当局は復興計画策定にあたっては住民と十分なコンサルテーションを行っているというが、新たな国軍基地の建設や、マラウィ市を一から近代的な都市にするといった当局の発言は[29]、一部の住民の不安を招いている。

 ドゥテルテ大統領は、大統領選からモロ(フィリピンのムスリムに対する一般的な総称)に対する歴史的不正義を正すことを約束してきた。「テロリスト」を掃討するにあたって市街地一角を破壊したことについては、今のところ大きな異議は唱えられていない。戦闘によって財産を失ったマラウィ市の住民は、その大義名分のために耐えている印象がある。表面下で渦巻いている住民の忍耐が報われたとの解釈に転じるか、再び「歴史的不正義」が振るわれたとの解釈に転じるかは、ドゥテルテ政権下での同市の復興開発と和平プロセスのゆくえにかかっている。

(2018年3月26日脱稿)

[1]「マウテ」は一族の姓名であることから、「マウテ・グループ」という呼称は一族に対する侮辱に値する。一方、イスラムを政治的イデオロギーとし、イスラム国樹立のためには暴力的手段を用いることも辞さない運動は「ジハード主義」と呼ばれるが、フィリピンのムスリムのあいだには、こうした運動を「ジハード主義」と呼ぶことに対する抵抗がある。それゆえに、フィリピンではISのような運動を「暴力的過激主義(violent extremism)」と呼ぶ傾向がある。一方、本稿では、マウテ・グループという呼称を用いることの問題性を理解しつつも、分かりやすさを優先しカッコつきで「マウテ・グループ」と称する。ISは、フィリピンでは一般的にISISとして周知されている。

[2] Carmela Fonbuena, Marawi battle zone: Urban warfare challenges PH military, Rappler, June 19, 2017. https://www.rappler.com/newsbreak/in-depth/173050-battle-zone-marawi-urban-warfare (2018年3月21日参照); Priam Nepomucen, AFP to revamp urban warfare doctrine after Marawi crisis, Republic of the Philippines, Philippine News Agency, August 15, 2017. http://www.pna.gov.ph/articles/1006120 (2018年3月21日参照)。

[3] Ina Andolong, Bangon Marawi chief: Five ‘big developers’ interested in rebuilding Marawi. CNN Philippines, January 5, 2018. http://cnnphilippines.com/news/2018/01/05/Rebuilding-Marawi-developers.html(2018年1月5日参照)。死者数の約8割が「テロリスト」であったとの発表については、一般市民の死者数はもっと多いのではないか、という疑問が投げられている。国軍によるハラスメントや略奪の被害も報告されていることから、市民団体からは第三者または第三機関による事実解明調査の実施が求められているが、実施されていない。Cf. Gill H. Boehringer, Unanswered questions about the Marawi City conflict. Bulatlat, January 18, 2018. http://bulatlat.com/main/2018/01/18/unanswered-questions-marawi-city-conflict/ (2018年3月21日参照)。

[4] Richel V. Umel, IS-linked group beheads 2 captive sawmill workers. Sun Star Cagayan de Oro, April 16, 2018.

http://www.sunstar.com.ph/cagayan-de-oro/local-news/2016/04/14/linked-group-beheads-2-captive-sawmill-workers-467848(2018年3月21日参照)。

[5] Arianne Merez, How the Maute group recaptured Butig. ABS-CBN News, November 29, 2016. http://news.abs-cbn.com/focus/11/28/16/how-the-maute-group-recaptured-butig(2018年3月21日参照)。

[6] ‘The battle of Marawi’: Death and destruction in the Philippines. Amnesty International, November 17, 2017.

[7] Cf. Mick Basa, Gov’t to ‘apply full force of law’ on soldiers guilty of looting in Marawi. Rappler, November 1, 2017. https://www.rappler.com/nation/187043-military-reparation-marawi-looting(2018年3月21日参照)。

[8] GMA News, Duterte defends troops on looting in Marawi siege. GMA News, November 21, 2017. http://www.gmanetwork.com/news/news/nation/634017/duterte-defends-troops-on-looting-in-marawi-siege/story/(2018年3月21日参照)。

[9] Allan Nawal, Jeoffrey Maitem, Richel Umel and Divina Suson, Marawi ‘liberated’ from the terrorists but battle drags on. Inquirer.net, October 18, 2018. http://newsinfo.inquirer.net/938592/president-duterte-marawi-city-liberated-terrorists

(2018年3月21日参照)。

Cf. 2018年3月10日放映のABS-CBNテレビドラマ「Tangke」は、国を守ため、恋人の反対を押し切ってマラウィ市街戦で戦死した国軍兵士をヒーローとして描いた。

[10] フィリピンのムスリムは、フィリピン全人口のおよそ5~6パーセント(約500~600万人)であり、10以上の民族言語集団で構成されている。マラナオ人(人口約100万人)はマギンダナオ人、タウスグ人と並んで人口数が多く、アメリカ植民地期から国政に参加する政治家を輩出してきた民族である。

[11] 父親は2017年6月8日にダバオ市で拘束され、その後Camp Bagong Diwa拘置所に拘禁される。健康状態が悪化し、8月27日に拘置所で死亡した。Rappler, Father of Maute brothers dies due to health reasons – BJMP. Rappler, August 28, 2017. https://www.rappler.com/nation/180259-cayamora-maute-father-death-health-reasons (2018年3月21日参照)。

[12] 母親は2017年6月9日に南ラナオ州マイス町で警察により逮捕され、その後Camp Bagong Diwa拘置所に拘禁されている。Ricky Brozas, Mother of Maute brothers arrested in Lanao del Sur. Inquirer.net, June 10. 2017. http://newsinfo.inquirer.net/904117/mother-of-maute-brothers-arrested-in-lanao-del-sur (2018年3月21日参照)。

[13] 一方、親族関係にあるとはいえ、ミンバンタス氏率いる北東ミンダナオ・フロントコマンドは、「マウテ・グループ」とは一線を画し、和平合意にのっとり政府や国軍と人質救済、避難民救援、事態収拾にむけて協力した(2018年3月11日ミンバンタス氏に対するインタビュー)。

[14] Duterte bestows ISIS status on Maute group. Vera Files, May 29, 2017. http://verafiles.org/articles/duterte-bestows-isis-status-maute-group(2018年3月21日参照)。

[15] Teacher recalls Omar Maute being a ‘proper’ student, GMA News, June 26, 2017, http://www.gmanetwork.com/news/news/nation/615938/teacher-recalls-omar-maute-being-a-proper-student/story/ (2018年3月21日参照);Carmela Fonbuena, Gov’t retakes Maute stronghold, Dansalan College, in Marawi.Rappler, August 2, 2017. https://www.rappler.com/nation/174674-marawi-dansalan-college-cleared-military(2018年3月21日参照)。

[16] Research on Youth Vulnerability to Violent Extremism in the ARMM, Institute for Autonomy and Governance, August 18, 2017.

[17] 思想的には過激ではなくとも、貧困により十分な教育も受けず、安定した職にも就けない若者が、携帯電話、Ipad、バイク、銃、現金などにつられるのだという。その他、周囲からの勧誘、疎外感、差別、戦闘経験などの個人的な動機から、ムスリムに対する歴史的不正義、政治汚職、弱いガバナンス、不安定な治安、武力紛争の解決遅延など構造的な理由までがあげられた。

[18] これに対し、イスニロン・ハピロンはバシラン島(スル諸島)出身でアブ・サヤフ・グループのメンバーでもあった。

[19] Jigger J. Jerusalem, Ex-Marawi mayor facing rebellion charges nabbed in Misamis Oriental checkpoint. Inquirer.net, June 08, 2017. http://newsinfo.inquirer.net/903613/ex-marawi-mayor-facing-rebellion-charges-nabbed-in-misamis-oriental-checkpoint(2018年3月21日参照)。

[20] Ryan, Rosauro, Marawi sultan offers to act as mediator. Sun Star Cagayan de Oro, June 1, 2017. http://www.sunstar.com.ph/cagayan-de-oro/local-news/2017/09/25/marawi-sultan-offers-act-mediator-545064(2018年3月21日参照);Martin Petty, Exclusive: Philippines’ Duterte proposed deal to end city siege, then backed out. Reuters, July 5, 2017. https://www.reuters.com/article/us-philippines-militants-talks-exclusive/exclusive-philippines-duterte-proposed-deal-to-end-city-siege-then-backed-out-idUSKBN19Q13H(2018年3月21日参照)。

[21] Chiara Zambrano, Attempts to talk peace with the Maute group underway. ABS-CBN News, Dec 05 2016, http://news.abs-cbn.com/news/12/05/16/attempts-to-talk-peace-with-the-maute-group-underway (2018年3月21日参照)。

[22] Rufa C. Guiam, COMMENTARY: “…The strength of a people is measured by the welfare of the weak…”MindaNews, September 4, 2017. http://www.mindanews.com/mindaviews/2017/09/commentary-the-strength-of-a-people-is-measured-by-the-welfare-of-the-weak1/(2018年3月21日参照)。

[23] Administration Order No. 3. Creating an Inter-Agency Task Force for the Recovery, Reconstruction, and Rehabilitation of the City of Marawi and Other Affected Localities. http://www.officialgazette.gov.ph/downloads/2017/06jun/20170628-AO-3-RRD.pdf (2018年3月21日参照)。

[24] Administration Order No. 9. Amending Administration Order No. 03 (S. 2017) Creating an Inter-Agency Task Force for the Recovery, Reconstruction, and Rehabilitation of the City of Marawi and Other Affected Localities http://www.officialgazette.gov.ph/downloads/2017/10oct//20171027-AO-9-RRD.pdf (2018年3月21日参照)。

[25] A retired Major General in the Armed Forces of the Philippines, he served almost 37 years in the active military service prior to his compulsory retirement on 22 November 2012. http://ocd.gov.ph/index.php/resources/10-about-ocd/5-executive-profile(2018年3月21日参照)。

[26] Ina Andolong, Task Force Bangon Marawi: ₱51.64 billion needed for Marawi recovery and rehabilitation. CNN Philippines, February 23, 2018. http://cnnphilippines.com/news/2018/02/23/%E2%82%B151.64-billion-needed-for-Marawi-recovery-and-rehabilitation.html (2018年3月21日参照)。

[27] 当初提案者を含まない競合提案を公募し、当初の提案と公募した代案を比較し、優れた条件のほうを落札する方法。

[28] President Duterte leads ground breaking of new military camp in Marawi. Republic of the Philippines Presidential Communications Operation Office, January 30, 2018. https://pcoo.gov.ph/news_releases/president-duterte-leads-groundbreaking-new-military-camp-marawi/ (2018年3月21日参照);Gerry Lee Gorit, Another military camp to rise in Marawi. The Philippine Star, February 1, 2018. https://www.philstar.com/nation/2018/02/01/1783292/another-military-camp-rise-marawi(2018年3月21日参照)。

[29] Leila B. Salaverria, Modern city to rise from Marawi rubble. Inquirer.net, December 28, 2017. http://newsinfo.inquirer.net/955629/modern-city-to-rise-from-marawi-rubble (2018年3月21日参照); Roy Mabasa, Rebuilding Marawi: Four-lane highways, underground cables, promenade along river. Manila Bulletin, November 22, 2017. https://news.mb.com.ph/2017/11/22/rebuilding-marawi-four-lane-highways-underground-cables-promenade-along-river/ (2018年3月21日参照)。

MASAKO ISHII石井正子

立教大学教授

関連記事

  • バンサモロ和平住民投票 ‐ 新しく且つ画期的な局面を迎えて

    2018.11.16

    落合 直之 フィリピン南部
    バンサモロ和平住民投票 ‐ 新しく且つ画期的な局面を迎えて

    西サハラ:「行き詰まり」の構図と打開への展望のコピー西サハラ:「行き詰まり」の構図と打開への展望のコピー西サハラ:「行き詰まり」の構図と打開への展望のコピー


  • ドゥテルテ政権:バンサモロ新自治政府設立のための法律成立

    2018.07.28

    石井 正子 フィリピン南部
    ドゥテルテ政権:バンサモロ新自治政府設立のための法律成立

    2018年7月26日、ドゥテルテ大統領がバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域組織法(Organic Law for the Bangsamoro Autonomous Region in Muslim Mindanao, 通称バンサモロ組織法、Bangsamoro Organic Law: BOL)[1]に署名をした。これにより、南部にバンサモロの新自治政府を設立し、MILF(Moro Islamic Liberation Front, モロイスラム解放戦線)との武力紛争を終結する和平プロセスが大きく前進した。


  • マラウィ市街戦:復興と「歴史的不正義」のゆくえ

    2018.03.26

    石井 正子 フィリピン南部
    マラウィ市街戦:復興と「歴史的不正義」のゆくえ

    2017年10月23日、フィリピンのロレンサナ国防長官は、ミンダナオ島・マラウィ市で展開された「マウテ・グループ」との戦闘の終息宣言を発表した。「マウテ・グループ」とは、マウテ家のオマルとアブドゥッラーという兄弟が中心であったためそう呼ばれているが、本人たちは「イスラム国(IS)」と名乗っていた[1]。


  • 新バンサモロ基本法の起草にあたるバンサモロ移行委員会の挑戦

    2018.01.20

    石井 正子 フィリピン南部
    新バンサモロ基本法の起草にあたるバンサモロ移行委員会の挑戦

    2017年2月24日、新たにバンサモロ基本法案(BBL)を起草するために、バンサモロ移行委員会(Bangsamoro Transition Commission: BTC)のメンバーが再編成された。その目的はムスリム・ミンダナオ自治地域に代わる新たな自治政府を設立するためである。BTCは、2017年6月16日にBBLを起草し、7月17日にドゥテルテ大統領に提出した。しかしながら、2017年9月現在においても大きな進展はみられない。