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2017.03.24
渡部清花 バングラデシュジュマの内部組織
バングラデシュ独立後のチッタゴン丘陵では、平野部からベンガル人を連れてくる入植政策と大勢の軍を配備し、軍事キャンプを建設する政策が推し進められた。ジュマ側は政府の入植政策に反対し、自決権を求め、1972年に政治組織であるチッタゴン丘陵民族統一党(PCJSS)を設立し、1973年には武装部門であるシャンティ・バヒニ(平和軍)が結成され、ゲリラ化して抵抗を始めた。
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2017.03.24
渡部清花 バングラデシュジュマの人びとの暮らしと文化
チッタゴン丘陵では平野部からベンガル人を連れてくる入植政策と、軍基地を建設し、推定1万人〜3万人の軍を配備した政策が引き金となり、20年にわたって先住民族の人々との紛争が勃発した。彼らは、ベンガル語で「焼き畑をする人」という意味の「ジュマ」を自らの総称として使用している
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2017.02.23
星野 俊也 タイ深南部民族の「年代記」と「聖域」、そして「未来」:タイ深南部を訪ねて考えたこと
歴史とは、「現在と過去との間の尽きることのない対話(an unending dialogue between the present and the past)」と論じたのは英国の歴史学者E.H.カーである。この立場は、歴史を客観的な実証のプロセスから解放し、主観性を免れえない過去の人々の記憶や記録と、たとえ歴史学者であったとしてもやはり特定の主観性を免れえない現在の我々とが対話をし、その相互関係のなかから深い洞察や理解を得ようとするものである。
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2017.02.12
石井 正子 フィリピン南部ドゥテルテ政権下での和平実現の見通し:ムラドMILF議長とのインタビュー
2016年7月18日、ドゥテルテ大統領は、「バンサモロの平和と開発のためのロードマップ」を承認した。このロードマップは、連邦制への移行とバンサモロ政府設立を同時に目指す方針を反映したものである。ドゥテルテ新政権の下での和平実現の見通しについて、石井正子立教大学教授が、ムラドMILF(モロイスラム解放戦線)議長にインタビューを行った。
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2017.02.12
松野明久 タイ深南部タイ深南部紛争における内/外ダイナミックスとその和平へのインプリケーション
タイ深南部マレー系住民の民族運動の内部には、ダイナミックスを生んでいる対立軸が少なくとも3つあると思われる。それらは「旧世代」対「新世代」、「民族主義」対「イスラミズム」、そして領域の「内」対「外」である。対立軸といっても2つ目の軸を除いては本質的に対立する2項ではない。