出版物

一覧にもどる

書籍

2009年発行:1945年の歴史認識 <終戦>をめぐる日中対話の試み

カテゴリー区分 書籍
発行 2009.03
著者/編者 劉傑/川島真 編
東京大学出版会
備考 ISBN978-4-13-023056-8

1945年の歴史認識 をめぐる日中対話の試み

日中若手歴史研究者会議/フェーズII」事業の成果物
1945年は日本の近代史の中で重要な意味をもちます。多くの日本人は、1945年が転換点となり、戦後の日本が戦前とは全く異なる価値観の下で「平和国家」として生まれ変わったことを自覚しているのではないでしょうか。

一方中国では、そうした「1945年の視点」は共有されず、戦前と戦後の日本の違いが重要視されませんでした。もちろん中国にとって、1945年の抗日戦争の勝利は重要な歴史の節目と言えますが、多くの中国人が注目したのは、1911年の辛亥革命以降、一貫して近代的な統一国家を目指してきた人々の努力でした。

本書は「1945年の視点」から、歴史認識問題を見直そうと試みた日中の若手歴史研究者による共同研究の成果であり、両国の歴史認識問題に新しい展望が示されることが期待されます。

日本語版 300ページ 定価(本体価格3,200円+税)
目 次 (日本語版より)

はしがき

第1部 「終戦」という時代認識
第1章 終戦と日本の責任認識問題―蒋介石政府と汪兆銘政府をめぐって
第2章 過去の浄化と将来の選択―中国人・台湾人留学生
第3章 満洲体験の精神史―引揚の記憶と歴史認識

第2部 「終戦」とねじれる歴史感覚
第4章 虹口集中区の日本人たち―上海日本人居留民の送還と処置
第5章 中国に留まる日本人技術者―政治と技術のあいだ

第3部 「終戦」と遺された人々
第6章 「ヒト」の移動と国家の論理―後期集団引揚の本質と限界
第7章 中国残留日本人―自国本位の歴史認識を超えて
第8章 留日学生の選択―「愛国」と「歴史」

第4部 歴史認識問題の現在―日中米からの提案
第9章 国境を越え、同時に歴史を研究するということ―『国境を越える歴史認識:日中対話の試み』を読んで
第10章 中日歴史認識問題の多元性―中国学者の思考と模索
第11章 歴史認識の現在:2008

あとがき
関連年表
「日中歴史認識問題」参考文献
索引
執筆者一覧

ページトップ