事業紹介

2010年
事業

297-2 災害応急マニュアル作成研修

事業概要
四川大地震の復旧活動が進む中、被災地のニーズにあった災害応急マニュアルの整備が急務になっている。この分野で蓄積された日本の経験が四川地震被災地、引いては中国の他の地方の政府などが災害応急マニュアルを作成する過程で活用されることが期待される。本事業では、事業実施者が神戸大学、兵庫県立大学や兵庫県、神戸市などの行政機関、アジア防災センター、JICA兵庫、県立心のケアーセンターなどと連携し、中国人民大学公共管理学院や四川省政府との協力に基づき、中国各地の防災担当行政官を対象とした国内研修に協力し、各行政府に不備な災害応急マニュアルの作成を支援する。 
実施計画
本年度は下記の活動を実施する。

  • 防災専門家の招へい:
    事前準備のために四川省の防災分野の専門家グループ一行6名を招へいし、兵庫県を中心に、日本側専門家と共同で中国国内研修用のカリキュラムを作成する。
  • 中国国内研修への専門家派遣:
    秋季に中国人民大学公共管理学院に協力し、同学院が中国国内で実施する200名規模の地方政府行政官を対象とした国内研修に日本人専門家を派遣する。
  • 防災情報サイト作成:
    研修を通じて蓄積された素材を活用し、Web site「日中防災・減災ネットワーク (http://www.asiabosai.net) 」を立ち上げ、事業成果の発信を試みる。
 
事業成果
本事業は、日本の防災減災の経験を中国四川省の震災被災地の行政官はじめ、全国の防災関係者たちと共有し、中国の防災行政に必要な災害応急アニュアルの作成を支援し、日本で蓄積された災害応急のノウハウを中国引いてはアジアで共有することを目的に、2009年と2010年の2年にわたって実施されたものです。

2009年は中国人民大学公共管理学院と四川省政府の協力を得て、四川大地震被災地の応急弁公室の防災担当責任者で構成される研修団を招へしました。研修参加者たちは、兵庫県、新潟県、東京都などにおいて、中央や地方政府、民間団体、大学研究機関、企業や学校などを訪問し、現場視察、講習会、意見交換会などの形で、防災応急マニュアルの作成と活用を主な内容とする研修を行いました。2010年は、中国での防災・減災の研究と行政官のトレーニングの最先端を担う中国人民大学公共管理学院と連携し、地方政府の防災政策、防災マニュアルの整備と活用、地域防災と災害復興について、中国の各省と自治区の応急弁公室の防災担当者200名を対象に、地方政府の防災政策、防災マニュアルの整備と活用、地域防災と災害復興を内容に、一週間の研修を実施しました。日中双方の専門家が協力して研修プログラムを作成し、両国の防災分野の著名な専門家が共同で研修指導に当たりました。研修の成果は、中国の地方行政の緊急課題である災害応急マニュアルの整備に対する実際的効果が期待されます。また、一連の活動を通じて蓄積された素材を活用し、日中防災減災Web site (http://www.asiabosai.net) を立ち上げました。このWeb siteを活用し、四川省の中学校を対象に、日本の防災・減災の経験を伝えるためのE-learningのテストも実施され、防災教育が社会各層への普及を促進する効果が期待されています。

事業実施者 日本中国アジア経済戦略フォーラム(日本) 年数 2年継続事業の2年目(2/2)
形態 自主助成委託その他 事業費 4,551,777円
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