協力機関：中国国家計画委員会・中小企業対外合作協調弁公室

社会主義市場経済への移行過渡期にある中国では、経営思想を転換して企業制度による市場密着型の体制に備えることや、各種関連法規の整備が急務となっています。特に中小企業の健全な発展は必要不可欠です。中小企業となれば、欧米に比べて経済に占める中小企業のウェイトが大きい日本から学ぶべきものが、きわめて多いといえるでしょう。こうしたニーズに応えるため、日本から大学教授3人を招へいし、セミナー・講演・意見交換・相互交流・視察等を行い、中国各地の中小企業育成に役立てるのが、この事業の目的です。

94年度は、日本の市場経済、販売、中小企業の経営管理等、基礎理論に関する講義および下記テーマでの講演を行い、中小企業経営者（中国各地の16省・市から718名）および政府政策実務担当者が参加しました。講演内容は「テキスト」として編集され、中国各地の中小企業協会に配布されました。
①市場経済の中で、中小企業は如何に国際競争に参加するか
②政府は如何に中小企業を育成するか
③中小企業のマーケティング戦略はどうあるべきか

また、中国現地の合弁企業、国有企業、郷鎮企業を視察し、さらに講師と参加者との座談会を行いました。
セミナーを主催した中国国家計画委員会・中小企業対外合作協調弁公室は、セミナー報告書を政府関係部に提出し提言を行いました。また、地方参加者はこの報告書をもとに各地で内部報告会を実施しました。特に熱心であった瀋陽では4回、江蘇省、杭州、内モンゴルは各2回の報告会が持たれました。これらはセミナーの波及効果としての大きな成果です。