2009年
事業
事業実施者 | 熊本大学(日本) | 年数 | 3年継続事業の1年目(1/3) |
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形態 | 自主助成委託その他 | 事業費 | 3,486,902円 |
中国は、調和の取れた社会を目指して、民生重視の政策を打ち出しています。その中で、地域の再構築、地域住民の健康維持や生活満足度の向上、住民が主体となるコミュニティの活性化が喫緊の課題となっています。
本事業は、熊本大学のもつノウハウを活用し、中国の行政、大学、保健福祉機関および地域住民と連携しながら、中国の桂林市と周辺の農村地域を拠点に、健康教育の支援活動を行います。笹川日中友好基金は、とくに日本側専門家が現地の健康教育プログラム開発やその他の会議・セミナーに参加する部分について活動を支援します。
本事業を通じ、日中協働による健康な地域づくり活動を推進し、住民の健康管理能力の向上や住民参加型の健康な街づくりモデルが普及してゆくことが期待されます。
3年継続事業で、1年目の2009年度には、以下の活動を実施します。
(1)日本側専門家2名が桂林市に入り、地元の行政スタッフ、大学の先生、地域の健康促進に関心を持つ住民を集め、プロジェクトチームを立ち上げる。
(2)桂林市衛生局や関連行政機関の協力を得て、健康教育活動の実施拠点と育成対象を選出し、中国側専門家との共同作業を通じて健康教育プログラムを作成する。プログラムに基づき、熊本大学関係者および日本NPO組織のメンバーが現地大学の専門家と共に講師を務め、セミナーやワークショップを通じて健康講義を行う。
(3)日中の専門家が合同チームを形成し、実施拠点となる地域住民の生活環境、ライフスタイル、健康ニーズなどに関する基礎調査を行い、調査報告書(和文)を作成する。
(3年継続事業の1年目)
2009年7月28日午前10時から、桂林市衛生学校で、当事業のキックオフ式典が行われました。
凌霄桂林市衛生局長のあいさつ
上田厚熊本大学名誉教授による講演
式典では、凌霄・桂林市衛生局長、上田厚・熊本大学名誉教授、魏長年・熊本大学大学院環境保健医学分野准教授がスピーチを行いました。
凌霄・桂林市衛生局長は、冒頭のあいさつで、桂林市政府を代表し笹川日中友好基金と熊本大学の支援に対して感謝の意を表し、この事業が、国民の健康を重視した調和社会づくりという、中国政府の掲げる目標と合致した事業であると評価しました。
また、このような日中両国民の間の健康をテーマとした草の根活動は、友好都市である桂林市と熊本市の交流に、さらには日中友好に対しても、新しい貢献であると述べました。
つぎに、本事業のリーダーである魏長年・熊本大学大学院環境保健医学分野准教授から、健康ボランティア育成プログラムと3年間の事業の進め方について説明がありました。
上田厚・熊本大学名誉教授(元熊本大学大学院環境保健医学分野教授)は、これまでの自らの研究成果及び実践活動を紹介しながら、ヘルスプロモーションによる健康な地域づくりの理念について講演しました。
とくに、健康を促進するボランティアは、健康な地域づくりに不可欠な人的資源であり、その活動は、一人ひとりの生活の質(QOL)を向上させるだけでなく、職務満足度(QWL) の向上や、ソーシャルサポート、ネットワーク形成による地域社会の発展に対しても、大きく貢献するだろうと強調されました。
この事業は数年間にわたって実施された事業で、以下の関連ページがございます。