船用冷凍コンテナを利用したアワビ陸上養殖システムの研究開発、海洋及び沿岸域のゴミ問題に関する調査研究
我が国の養殖業は内湾水域を利用した海洋・海中養殖の主流から、内湾水域の赤潮などの発生により、海域環境の良好な沖合養殖が注目されるようになりました。しかし、内水、沖合養殖とも養殖魚の排出物や残餌がもたらす海洋環境汚染や管理費、設備費などのコスト増加により採算が悪化し、養殖業は昭和60年をピークに年々減少しています。
当財団では、沿岸域の環境保全と採算性を課題としたアワビ陸上養殖システムについて研究開発を進め、使用済みの船用冷凍コンテナ内にコンパクトで養殖管理が容易なアワビの養殖システムを収納して、初期投資・ランニングコストを抑え、環境にやさしく採算性の良い「アワビ陸上養殖システム(SOF養殖システム)」を開発し、実用化が進むことを期待しています。
海洋を漂流するゴミあるいは沿岸に漂着する海洋ゴミは、自然の景観を損ない、また生態系に影響を与えるのみならず、国際的な問題にまで発展しています。これを解決するには、陸域・海域の管理体制の一元化をはじめ、官民が連携して地域に密着したゴミ問題に関する社会活動システムが必要となっています。
当財団では、全国の地域の人々と協力し、海浜清掃に環境チケット及び海の工作教室を取り入れた「地域の海洋環境貢献活動システム」の普及を進めてきました。2005年2月には全国9カ所から地域活動に携わってきた人々が東京に参集して交流会議を開催し、お互いの事例発表や意見交換を行いました。
今後、当財団がモデルとして提示した活動システムが、他地域に広がることが期待されます。