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February 2015: Myanmar

1) 連邦議会が仮の身分証明書(ホワイトカード)保持者の国民投票参加を認める法案可決
ミャンマー連邦議会は2日、5月に予定されている憲法改正の国民投票に仮身分証明書保持者も参加できるとする法案を328対79の賛成多数で可決、テイン・セイン大統領が10日、署名をして成立した。
ロヒンギャがホワイトカードを保持していることから、法制定に反対しているArakan National PartyのPe Than上院議員は、「国民でないものが投票できるなら、国家主権が損なわれる」と批判。
憲法裁判所に適法性を問う訴えを起こした。
また、僧侶や仏教徒のラカイン族たちは、反対運動を展開。ヤンゴンでは、数百人が抗議のデモを行った。
http://www.irrawaddy.org/election/news/white-card-holders-eligible-to-vote-on-constitutional-reform
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17426-parliament-approves-voting-rights-for-white-card-holders
http://www.dvb.no/news/mps-launch-petition-to-oppose-white-card-holder-voting-rights-burma-myanmar/48082
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17518-rakhine-buddhists-to-protest-against-white-card-vote-decision
2) シャン州北部で国軍とコーカン武装勢力が衝突
国軍機関紙「ミャワディ」は10日、シャン州北部で9日、国軍とコーカン族の武装組織・MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)との間で衝突が発生したと伝えた。同紙によると、中国との国境沿いにある、コーカン自治特別区ラオカイ地区のMawhtikeという町の近くにある国軍の前哨基地をコーカン軍が攻撃したという。これに対し、国軍側も戦闘機などで空爆を行った。
詳細は明らかになっていないが、2009年の戦闘で失脚、消息不明だったかつてのMNDAA指導者Pheung Kya-shin氏が復権し、指揮を執っている模様だ。
国営紙「グローバル・ニューライト・オブ・ミャンマー」は13日、9日から12日まで、13回の衝突があり、47人の国軍兵士が死亡、73人が負傷したと伝えた。約200人のコーカン武装勢力が関わった。
また、数万人のコーカン民族が中国の雲南省などに逃れたという。戦闘を受け12日、シャン州は、ラオカイ地区に夜間外出禁止令を発令した。
http://www.dvb.no/news/reports-fighting-kokang-region/48151
http://www.dvb.no/news/47-burmese-soldiers-killed-in-kokang-conflict-state-media-burma-myanmar/48285
http://www.dvb.no/news/tens-thousands-flee-war-airstrikes-kokang-region/48271
http://www.dvb.no/news/kokang-enlist-allies-help-in-fight-against-burma-army-myanmar/48184
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17679-intense-fighting-continues-in-shan-state
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17728-dozens-of-myanmar-troops-killed-fighting-kokang-rebels
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17802-myanmar-airstrikes-hit-kokang-rebels
http://www.dvb.no/news/burma-army-claims-26-kokang-rebels-killed-burma-myanmar/48343
3) 国軍とコーカン武装勢力の衝突に中国が懸念
中国外務省は10日、ミャンマー国軍とコーカン軍の衝突により、多数の市民が国境を接する中国側へ逃れようとしていることに懸念を表明。国境情勢を注視するとともに、ミャンマー側が安定化を図るべきだと述べた。
http://www.dvb.no/dvb-video/china-weighs-in-on-kokang-unrest-burma-myanmar/48224
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17704-china-calls-for-peace-along-myanmar-border
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17851-china-warns-of-instability-due-to-kokang-fighting
4) 政府が仮の身分証明書は3月31日で期限切れと発表
大統領府は11日、ホワイトカードを3月31日で失効とする、との声明を発表した。大統領府のZaw Htay高官は、ソーシャルメディアに「ホワイトカード所持者は、自動的に国民投票に参加する権利を失う」と投稿した。
発表は、ヤンゴンで、ホワイトカード所持者の国民投票参加を認める法律の成立に対する抗議デモの直後に行われた。
ロヒンギャのリーダー・Abu Tahay氏は「発表が圧力によるものなのは明らかだ」と批判した。
一方、ホワイトカード所持者への国民投票参加を認めた法律の適法性を問う訴えについて、憲法裁判所は16日、「法律は違憲」との判決を下した。憲法裁判所によると、2008年制定の憲法391条に基づき、「市民」のみが投票の権利を有するとした。
法成立を受けて、主にロヒンギャから構成されるThe Democracy and Human Rights Partyは17日までに、1000人以上のホワイトカードを所持する党員を除名した。
85万人のホワイトカード所持者の内、ロヒンギャは約50万人。2008年に行われた憲法承認の国民投票や2010年の総選挙では投票が可能だった。
http://www.dvb.no/dvb-video/govt-back-flips-on-white-card-voting-rights-burma-myanmar/48262
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17699-government-to-nullify-temporary-id-cards-after-nationalist-furor
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17852-constitutional-tribunal-says-white-card-voting-unconstitutional
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17929-democracy-and-human-rights-party-expels-1-000-white-card-holders
5) 新国家教育法問題で学生側と政府側が改正で合意
新国家教育法問題で、学生代表と政府代表、国会議員代表、教育専門家代表の4者による話し合いが11日、ヤンゴンで開かれた。会合後、発表された共同声明によると、学生側が要求していた11項目について、基本的に了承されたという。
記者会見で学生側代表のAction Committee for Democratic Education (ACDE)のZeyar Lwin氏は、国会議員は法案の修正を考え、2月16日に法案を国会に提出する、と述べた。
会合は14日と15日にも開かれ、教育専門家グループNNER(教育改革全国ネットワーク)の代表者であるDr. Thein Lwin氏は「法案を国会に提出する準備は整った」とした。
一方、マンダレーから出発し、ペグー管区のレパダウンに到着していたデモ隊の中心、全ビルマ学生連盟(ABFSU)は、小学校の試験期間と重なる19日から28日までの10日間、デモを一時中止すると発表。10日間の間に、国会が改正案を承認しなければ、ヤンゴンまでのデモを再開するとした。
他のデモも一時中止となった。
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17702-student-protests-continue-despite-agreement-to-change-education-law
http://www.dvb.no/news/student-protests-apparent-breakthrough-reached-in-rangoon-burma-myanmar/48241
http://www.dvb.no/news/nat-ed-changes-approved-students-warned-off-rangoon-burma-myanmar/48349
http://www.dvb.no/news/all-student-protests-temporarily-suspended-burma-myanmar/48500
http://www.dvb.no/news/students-union-sets-28-feb-deadline-for-amending-law-burma-myanmar/48609
6) 政府が戒厳令発令。避難民を移送中の赤十字スタッフが銃撃される
国軍とコーカン武装勢力との衝突で、ミャンマー政府は17日、コーカン特別自治区の非常事態を宣言するとともに、90日間の戒厳令を発令し、軍司令官に正常な状態に戻すための行政権限と司法権限を与えた。
これに伴い、20日、Wai Lwin国防副大臣はラオカイ地区を完全に制圧したと報道機関に述べた。
しかし、同日、新たな衝突が午前9時半から午後6時まで続いた、とMNDAAの報道官Tun Myat Lin氏が明らかにした。
一方、17日には、ラオカイ地区から避難民を輸送していた国際赤十字の車列が銃撃を受け、赤十字スタッフ2人が負傷した。銃撃を受け、ミャンマー赤十字のTha Hla Shwe氏は「悲しい出来事だ。車は、赤十字のエンブレムを付けていた。尊重しなければならない」などと非難した。
赤十字の車への銃撃は21日にも起こり、ボランティアやジャーナリスト、市民ら5人が負傷した。また、15日、ラオカイ地区のChahaw村で、10歳の少年が地雷を踏み、死亡。23日には、ラショーへ避難する受刑者の車列が銃撃を受け、受刑者44人が負傷するなど、衝突による被害が拡大している。
http://www.dvb.no/news/martial-law-declared-in-kokang-red-cross-convoy-attacked-burma-myanmar/48430
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17995-defence-minister-says-govt-controls-laukkai
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17932-red-cross-and-un-coordinator-deplore-attack-on-myanmar-volunteers
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/17934-accusations-traded-over-red-cross-convoy-attack
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/18060-five-wounded-in-2nd-attack-on-aid-vehicle-in-kokang
http://www.dvb.no/news/kokang-boy-10-dies-from-landmine-blast-burma-myanmar/48773
http://www.dvb.no/news/prisoner-convoy-ambushed-kokang/48645
7) 上院議会で産児制限法承認
ミャンマー中部ザガイン管区モンユワ市のレパダウン鉱山開発を巡る問題で、2012上院議会は19日、ひとりの女性が出産する子どもの数を3年に1人に制限する人口抑制法案を154対12の賛成多数で可決した。法案は、議論を呼んでいる民族宗教保護法案として知られる4つの法案の一つ。反イスラム運動を展開する仏教僧・ウィラトウ師らのグループ「Ma Ba Tha」が法案制定を働きかけていた。
副法務長官のTun Tun Oo氏は、イラワジ紙に、新しい法案は、貧しい地域の女性に対する健康対策事業の向上などにつながると述べ、「法律に従わない人たちに対し、罰則を科すものではない」などと加えた。
一方、法案に反対する弁護士や人権活動家らは、女性の基本的人権を侵害しているなどと批判した。
http://www.dvb.no/news/upper-house-approves-population-control-bill-burma-myanmar/48491
8) 新国家教育法修正案を政府側も提示
ミャンマー上院議会のKhin Aung Myint議長は24日、議会での討論の前に、提出された国会教育法改正案について、3月5日から15日までの間に学生グループや国会議員、市民グループなど6グループの代表20人から個別に説明すると発表した。
学生側代表のCommittee for Democracy Education Movement (CDEM)のメンバーPhyo Phyo Aung氏は、「説明会で、私たちは、なぜ修正が必要なのかはっきりさせる必要がある」と述べた。
一方、17日の国営紙で、4者協議で合意した修正案のほかに、教育省側が作成した修正案も同時に発表された。学生側にも27日、2つの案が議会に提案されたと伝えられたという。
一連の政府の対応に対し、学生側は、「4者協議での合意は学生の抗議活動を止めるのが目的だった」として、政府が不誠実だと強く反発。25日には、NNERが、「説明会は、先の4者協議の合意内容に沿っていない」との声明を発表した。NNERメンバーのThu Thu Mar氏は「政府は時間稼ぎをしている」と述べた。
http://www.dvb.no/news/parliament-invites-students-for-edu-law-briefing-burma-myanmar/48695
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/18117-upper-house-to-begin-discussing-education-law-amendments-soon
http://www.dvb.no/news/student-activists-govt-is-buying-time-burma-myanmar/48778
February 2015, Myanmar


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