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July 2014: Southern Philippines

1)MILFが政府修正案を批判
新自治政府「バンサモロ政府」設立の礎となるバンサモロ基本法案について、反政府武装勢力モロイスラム解放戦線(MILF)のイクバル和平交渉団長は6日、「政府側が示した修正案は、我々が示した原案の形をとどめていないほどだった」とアキノ政権の姿勢をあらためて非難した。
基本法案は、同団長を委員長とする移行委員会が起草し、4月22日に政府に提出した。その後、大統領府の法律顧問らが、予定を大幅に上回る約2カ月をかけて内容を検討・修正。6月21日、MILF側に政府側の見解を付して提示した。
イクバル団長は修正後の新自治政府の自治権が、現在のムスリム・ミンダナオ自治地域(ARMM)よりもさらに限定されたものになっていると指摘。ジャファールMILF副議長(政治問題担当)も6日、「今後、国会の審議でも修正が加えられるだろうが、基本法案はできる限り修正して欲しくない」と強調した。
2)基本法案の最終結論出ず
3)国軍とMILFが交戦
4)BIFFの農園襲撃相次ぐ
コタバト、スルタンクダラト両州で13日、MILFの離脱者らで構成される、バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)とみられる武装集団が相次いで農園を襲撃した。
午前10時半ごろ、コタバト州トゥルナン町で約100人の武装集団がバナナ農園を襲撃し、重機に火を付けて破壊した。駆け付けた農園警備員や国軍兵士、警官らと交戦になり、武装集団側の構成員1人が死亡した。
地元警察の調べでは、交戦は約4時間半、散発的に続き、農園側の援軍が駆け付けたため武装集団が撤退した。
一方、午後3時30分ごろには同町から直線距離で約22キロ離れたスルタンクダラト州プレジデントキリノ町の農園で別の武装集団が収穫作業中の農民を襲撃、駆け付けた国軍兵士と交戦になった。
5)MILF、政府に柔軟な憲法解釈求める
6)基本法案、8月に再び協議へ
7)断食明け大祭前日に女性・子ども含む23人殺害
8)タウィタウィ州に経済特区設置を検討
ムスリム・ミンダナオ自治地域(ARMM)のハタマン知事が、タウィタウィ州での特別経済区設置を検討していることが分かった。知事はすでに、特区設置へ向けた作業部会の新設を指示し、同州政府に必要書類の提出を求めている。
反政府武装勢力の活動が盛んな同自治地域の中でも、同州は比較的治安が良いとされる。豊富な海洋資源と美しいビーチが多数あり、国内格安航空大手のセブパシフィック航空も2011年末にサンボアンガ空港から定期便の運行を始めるなど、近年、観光地としての注目も高まっている。マレーシアのサバ州との貿易拠点でもあり、税制面など優遇措置のある特区設置で観光業、貿易を活発化し、域内経済を促進するのがねらい。
先にタウィタウィ州で開かれたARMM主催の国際経済会議では、同州商工会議所とマレーシア・ビジネス協議会(サバ州)が協力関係の構築で覚書を交わした。自治地域への投資流入額は今年第一四半期に過去最大の25億ペソを記録。ハタマン知事は過去2年に投資額が急増したことに触れ「和平プロセスの好転を称賛したい」と述べた。

註:モニター記事内容は主に以下の現地報道機関のウェブサイトの記事を参考に、筆者が編集した。
日刊『まにら新聞』(http://www.manila-shimbun.com/)
Minda News(http://www.mindanews.com/)
Daily Inquirer(http://www.inquirer.net/)
Philippine Star(http://www.philstar.com/)
ABS-CBN News(http://www.abs-cbnnews.com/)
GMA News Online(http://www.gmanetwork.com/news/)
Manila Bulletin(http://www.mb.com.ph/)
Mindanao, July 2014
