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June 2014: Southern Philippines

1)国軍が武器を横流しか
2)MILF副議長、基本法案の提出遅延に懸念表明
新自治政府「バンサモロ」創設を柱とするバンサモロ基本法案の国会提出が遅れている問題で、MILFのジャファール副議長(政治担当)は3日、「提出が遅れると法案審議の時間がなくなるのではないか」と懸念を表明した。
和平枠組み合意(2012年10月調印)によると、法案提出後は①14年末までに基本法案を可決、成立、②15年半ばまでに、新自治政府編入の是非を問う住民投票実施、③新自治政府の議会選を次期大統領選(16年5月)と同時実施、などの移行手続きが予定されている。
これを踏まえて、同副議長は「住民投票などの遅れが、バンサモロの人々に受け入れられるかどうか。受け入れられなかった場合、どのようなことが起きるのか」と述べ、手続きの遅れが治安悪化、政情不安につながる可能性を指摘した。
3)下院、特別委員会を設置へ
4)基本法案の提出、次期国会にずれ込む
5)MNLFとMILF、協議会設立で合意
MILF幹部と、ミスアリ初代議長派を含むモロ民族解放戦線(MNLF)の各派幹部は12日、サウジアラビアのジッダで会合を開き、両者が和平プロセスについて相違点を協議、解決する「バンサモロ調整会議」(Bangsamoro Coordination Forum/BCF)を設立することで合意した。
会合は、1996年のMNLFとフィリピン政府の和平協定締結を仲介したイスラム協力機構(OIC)の働きかけで実現した。
MILF和平交渉団のアブハウド・セイエド・リンガ教授は、政府と異なる和平協定を締結した両者の懸念事項の解決、共通の立場の構築に向けた協議の場として、BCFを利用すると述べた。
MNLFは、MILFと現アキノ政権の和平枠組み合意、包括和平合意に反発しており、2013年9月にはMNLF初代議長派が1カ月にわたりミンダナオ地方サンボアンガ市街地を占拠し民間人を人質に国軍と戦闘を続ける事件も起こった。
6)MILFとMNLFが交戦、5人死傷
15日、ミンダナオ地方コタバト州マタラム町マヌブアンでMILFとMNLFとみられる武装集団による銃撃戦が2度発生し、双方の構成員計2人が死亡、3人が負傷した。この銃撃戦で住民約100人が避難を余儀なくされた。土地をめぐる抗争とみられ、昨年も同じ地域で両者による交戦が相次いだ。
午前8時ごろ、MILF部隊が農地へ向かっていたMNLF構成員らを待ち伏せ攻撃した。約45分間の銃撃戦の後、午後2時ごろにMNLFの他部隊が援軍に駆けつけMILFに報復攻撃を仕掛けた。
自治体関係者は、同地域が1996年のMNLFと政府の和平協定で「平和地帯」に認定され、「MNLFは平和に農業を営んでいる」と指摘し、MILFの攻撃を非難した。
7)アブサヤフとの交戦で海兵隊7人死亡
ミンダナオ地方スルー州パティクル町で19日、海兵隊部隊が移動中にアブサヤフとみられる武装集団と遭遇し交戦になり、少なくとも海兵隊員7人が死亡、24人が負傷した。武装集団側も10人が死亡したとの情報がある。
8)国軍とBIFFが交戦
9)ムラド議長と大統領が会談
アキノ大統領とMILFのムラド議長が24日、訪問先の広島市内で会談した。日本国内での両者会談は和平枠組み合意への道を開いた2011年8月の電撃会談以来、約3年ぶり。
会談は同市で開かれた「ミンダナオ平和構築セミナー」(23〜25日、国際協力機構など主催)に並行して行われた。閣僚らは同席せず、一対一で約15分間、会談した。
同議長は、国会提出が遅れているバンサモロ基本法案について、大統領に懸念を伝えたとみられる。

註:モニター記事内容は主に以下の現地報道機関のウェブサイトの記事を参考に、筆者が編集した。
日刊『まにら新聞』(http://www.manila-shimbun.com/)
Minda News(http://www.mindanews.com/)
Daily Inquirer(http://www.inquirer.net/)
Philippine Star(http://www.philstar.com/)
ABS-CBN News(http://www.abs-cbnnews.com/)
GMA News Online(http://www.gmanetwork.com/news/)
Manila Bulletin(http://www.mb.com.ph/)
June 2014


フィリピン在住