2013.11.01
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October 2013: Southern Thailand

2013年10月(October 2013)

1) 新国防相次官

  1日、ニパット国防省副事務次官が事務次官に昇進した。同次官は南部国境地域の和平対話で重要な役割を果たしている。

2) 和平対話の動向

  1日、BRNのコーディネートによりその他2つの反政府武装グループが和平対話に参加する、とパラドンNSC事務局長は報じた。翌々日の3日、同事務局長は和平対話の反政府武装グループ代表団メンバーの変更を示唆したが、変更はファシリテーターであるマレーシアを通しておこなわれなければならないとし、次回和平対話には、タイ政府および反政府武装グループの双方が宗教、歴史分野などの専門家を伴う、と述べた。一方、シーソンポップPSU准教授によると、和平対話反政府武装グループ代表団代表のハサン・タイップ氏と複数の対話メンバーがBRN幹部会により代表団から除外されたとのことである。同件については、10月2日のパッタニー県のコミュニティー・ラジオの放送でハサン・タイップ氏自身が認めている。

  5日、出来るだけ早くBRNの5つの要求事項に返答すべきである、とISOCはパラドンNSC事務局長をうながした。一方DSWによると、次回和平対話の反政府武装グループ代表団はBRNから4人、社会科学専門家3人、PULOから2人、BIPPから1人、歴史家、経済専門家、歴史家、活動家および学生から構成されるという。翌日6日、プラチャー副首相は、次回和平対話は10月20日に開催される、と報じた。

  10日、NSCは次回和平対話の延期を決めた、とプラユット陸軍司令官が報じた。タクバイ事件記念日に近いことが主な理由であるとされる。翌日11日、同司令官は、同月17日にBRN以外のその他反政府武装グループの和平対話への参加などについてISOCがナジブ・マレーシア首相と会談する、と述べた。

25日、パラドンNSC事務局長は和平対話継続のために5つの要求事項を受け入れることは可能であるとの回答を、暴力事件の減少と開発分野での協力という2つの提案と併せてマレーシアに伝えた。29日、延期後の和平対話の日程について、12月に和平対話を再開する準備が出来ているとマレーシアとBRNに対して伝えてあり、その回答を待っている状況にある、とパラドンNSC事務局長は報じた。

3) 連続爆弾事件

  9日早朝、最近数年間で最大規模の爆弾、放火、銃撃事件が起こり、3人が死亡した。南部国境地域の4県17郡で40件以上の事件が報告された。爆弾事件では、26カ所のATMに爆弾が仕掛けられ、多数が爆発し、負傷者も出た。プラチャー副首相は、一連の爆弾事件は10月10日のBRN設立、10月11日のPULO設立の記念日に併せておこなわれた、とした。 

4) 警察と宗教関係者との協力

  20日、エカポップ・ソンクラー警察署長は、ソンクラー県およびパッタニー県の宗教指導者と会談し、南部国境地域の治安状況を説明するとともに、警官とより密接に協力することを要請した。

註:上記内容は主に以下のWEBサイトの記事を参考に、筆者が編集した。

Bangkok Post (http://www.bangkokpost.com/)
Deep South Watch (http://www.deepsouthwatch.org/)
Deep South Journalism School (http://www.deepsouthwatch.org/dsj)
The Nation (http://www.nationmultimedia.com/)
Matichon Online (http://www.matichon.co.th/)

 

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