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June 2013: Southern Thailand

2013年6月(June 2013)
非常事態令の延長
10日、パッタニー県メーラーン郡を除く南部国境3県での非常事態令の90日間の延長が決定された。また、メーラーン郡およびソンクラー県4郡での国内治安維持法(ISA)の1年間の延長も決 れた。共に6月20日からの延長になる。
第3回和平対話
13日の第3回和平対話で、タイ政府側提案であるラマダン期間中の暴力事件減少をBRN側は原則認め、6月24日までにマレーシアを通して詳細をタイ政府側に知らせることが約束された。また、5つの要求事項の詳細をラマダン後に知らせることも同意された。次回の対話はラマダン終了後に行われる予定である。
BRNハサン・タイップ氏のタイ・メディア初出演
18日、タイのラジオ放送Media Selatanに出演したハサン・タイップ氏は、BRNのもともとの目的は独立であったとはしながらも、現在も依然として独立を目標としているのか、それとも現在は自治の拡大を目標としているのかについては明言を避け、和平対話の進展の中で対応を決めるとし、タイ側の一部から提案されている自治区や特別区構想についても、内容を精査した上で対応を考える、と述べた。同放送では、ハサン氏に続き、パラドンNSC事務局長も出演した。
BRN、4回目のビデオ・クリップ公開
24日、ラマダン停戦条件として、BRNのハサン・タイップ氏は、次の要求項目を示した。
(1)パタニ領域(南部国境3県とソンクラー県5郡)からの陸軍第1~3管区の兵士および中央からの警官の撤退、(2)第4管区兵士の村落からの撤退、(3)警官の村落からの撤退、(4)ラマダン期間中のムスリム防衛ボランティアの職務からの解放、(5)ラマダン期間中の捜査・逮捕・検閲の停止、(6)政府はラマダンに関わる社会活動を行わない、(7)これら事項にタイ首相が署名し、7月3日に公示する。
また、次の4項目が認められない限り、和平対話は継続されない、とも述べた。(1)5つの要求事項を国会承認する、(2)和平対話を国家アジェンダとする、(3)タイ政府代表団団長を確定する、(4)秘密裏で協議を行わない。
翌25日、スカムポン防衛相、プラユット陸軍司令官は、BRNの7つの要求事項は認められない、とした。一方、パラドンNSC事務局長は、ユーチューブを通した要求は非公式なものであり、マレーシア政府を通した公式な連絡を待つ、とした。
内閣改造
30日、インラック政権4回目の内閣改造により、インラック首相が国防相を兼任することになった。また、ユタサック元陸軍大将が副国防相、プラチャー法相が治安担当の副首相となった。タイ南部国境地域の対立を担当していたチャルーム元副首相は労相となった。
2013年4月の暴力事件(別表参照
南部国境地域の紛争関連死傷者数
(2013年4月~2013年6月)
単位(人)
死傷者数 | 負傷者数 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
仏教徒 | イスラーム教徒 | 不明 | 合計 | 仏教徒 | イスラーム教徒 | 不明 | 合計 | |
4/1/2013 | 23 | 21 | 1 | 45 | 58 | 16 | 0 | 75 |
5/1/2013 | 22 | 28 | 1 | 51 | 55 | 23 | 1 | 79 |
6/1/2013 | 16 | 26 | — | 42 | 53 | 33 | — | 86 |
2013年4月事件数298件、5月事件数95件、6月事件数95件
出所:Deep South Watch
http://www.deepsouthwatch.org/node/4288、同4331、同4436
註:上記内容は主に以下のWEBサイトの記事を参考に、筆者が編集した。
Bangkok Post (http://www.bangkokpost.com/)
Deep South Watch (http://www.deepsouthwatch.org/)
Deep South Journalism School (http://www.deepsouthwatch.org/dsj)
The Nation (http://www.nationmultimedia.com/)
Matichon Online (http://www.matichon.co.th/)



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