笹川日中友好基金ではさまざまな研究活動を支援したり自ら企画したりしていますが、なかには、その成果を書籍などにして公刊したものがあります。ここではそれらの書籍をご紹介しています。
【原著】加藤周一『日本文化における時間と空間』岩波書店、2007年
加藤周一著/彭曦译《日本文化中的时间与空间》南京大学出版社,2010年
【選者の評】著者は1919年生まれ、昨年死去したばかりの戦後日本を代表する評論家の一人。本書はまさに加藤周一一生の思想の集大成ともいうべきものといえよう。
カバーの紹介によれば、「日本文化の特質とは何か。著者は時間と空間の二つの軸からこの大きな問いに挑む。文学・絵画・建築など豊富な作品例を縦横に比較・参照しつつ、日本文化を貫く時間と空間に対する独特な感覚 ―著者はそれを「今=ここ」と捉える― に迫る。その鋭い筆は宗教観や自他認識へと及び、この志向が今日のわれわれの日常や政治行動をも規定していると喝破する。日本文化の本質、その可能性と限界を問う渾身の書き下ろし」とある。
加藤周一は日本文学史の研究、雑種文化論などで中国でも広く知られている。『日本人とは何か』(講談社)の中国語版(南京大学出版社)は、2008年、大きな反響を呼んだ。本書の中国語版の翻訳出版には、日本人の思考行動様式を知るうえで大変重要な意味があると思われる。