事業内容
基金会とは、Foundationと英訳される中国の民間非営利団体のことです。
中国の国内政策が経済最優先から社会の均衡へと転換されつつあるなか、民間非営利団体の社会における役割が重要視されていますが、その実体を記す資料は極めて少ない状況です。
「中国基金会調査」は、基金会の実体を明らかにし、中国民間非営利団体の発展と中国の掲げる「大きな社会、小さな政府」実現のために有益な資料を提供することを目的としています。
本事業の実施にあたり、中国国内での調査業務については中国社団研究会に委託しました。(社団研究会は中国民政部主導による学術団体。民政部は民間団体の登録・監督を行う中央官庁。)アンケートを中心とした実体調査の結果、560の基金会データを収録した『中国基金会概覧』と35編の論文からなる『中国基金会論集』を作成しました。また日本の公益法人の専門家3名(雨宮孝子氏、今田忠氏、土肥寿員氏)を派遣し、調査へのアドバイスおよび民政部、基金会他社会団体との意見交換を実施しました。
中国には現在約20万の社会団体が存在します。社会団体は「中国のNGO」と称され、特定の公益目的のために、法律に基づいて設立された協会、学会、連合会、研究会、友の会、促進会、業界組織、基金会等を指します。社団の一種である基金会は「国内外の社会団体、その他の組織および個人より贈られた基金により運営される法人格を持った社会団体であり、助成活動を通じて科学研究、文化教育、社会福祉その他の公益事業を促進するもの」と規定されています。
中国の基金会の多くは、運営経費以外の活動経費のほとんどを募金に頼っています。海外からの寄付金もさることながら、経済発展に伴う国内の個人および企業からの所得の増加分を寄付という形で吸収し、必要な側へ分配している大規模な基金会の存在も注目に値します。税制度の整備が不十分な段階で所得の再分配に大きく貢献しているとも言えます。貧困救済、就学困難児童救済等が重視されるのも現段階での特徴ですが、基層的な慈善活動から、目的と戦略をより明確にした事業形成や活動転換を図ろうとする基金会も現れてきています。これらの新しい試みは、プログラム評価や組織評価の形で中国の基金会の役割を基金会自ら整理することから始められています。今回の調査結果は基金会の現状を広く知らしめるだけでなく、評価のための基本データとしても有効活用されることが期待されます。
事業実施者 |
笹川平和財団
中国社団研究会(中国)
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年数 |
2年継続事業の2年目(2/2) |
形態 |
自主助成委託その他 |
事業費 |
4,492,512円 |